年が明けて、アメリカのラスベガスの「国際家電見本市(Consumer Electronics Show)」やデトロイトの「北米国際自動車ショー」の様子が新聞やテレビで報道されていました。日本でも東京ビッグサイトで「国際宝飾展」が開催され、ジュエリーベストドレッサーの表彰式がテレビでも報じられていました。
アメリカで開催された2つの見本市には共通点がありました。それは、かつては日本の商品(家電や自動車)が世界の注目の的だったのですが、今回は韓国メーカーの商品が最先端であると紹介されていたことです。出展ブースの広さも韓国勢は拡張傾向、日本勢は縮小傾向とのことでした。
さて、今回は、こうした展示会や見本市の効果について簡単に書き綴ってみます。
展示会や見本市は英語では通常エキシビション(Exhibition)と訳しますが、それは商談の場、つまりトレードショー(Trade Show)を指すのが一般的です。モーターショーや旅行博などは一般のお客様も入場することができますが、展示会や見本市は、生産者のほか卸売り、小売りといった買い手(バイヤー)中心の商談の場です。一般の方は、小売店の優良顧客が招待で入場できる程度です。
その展示会や見本市は大きな経済効果を生み出すことは案外知られていないかもしれません。例えば、前述した「国際宝飾展」の場合、4日間の開催で参加者数が5万人、経済効果45億円、雇用創出数3,800人(主催者予想)とたいへん大きな効果をもたらします。
家電見本市やモーターショーなどは、その時の展示会・見本市で新しい技術や商品を初めてお披露目する場でもあります。見本市は出展企業自らの強みを磨いて研究開発や商品開発をする誘因(インセンティブ)にもなるのです。
わが国も1980年代半ばには、見本市や国際会議を誘致し、あるいは自ら企画・運営して地域を活性化していこうという考えに基づいて「国際コンベンションシティ」を指定しました。施設整備も、千葉・幕張の「幕張メッセ」に端を発し、それ以降全国でコンベンション施設の建設ラッシュとなり、東京ビッグサイトも1996年に開場しました。1994年には「コンベンション法」を制定して一層のコンベンションの振興を政策として進めました。しかし、地方においては、企画や運営ノウハウ、誘致能力の不足等の課題を克服できず、成功する例よりも運営がうまくいかない例が多発してしまいました。
現在、世界では中国や韓国、タイやシンガポールなどが展示会・見本市を開催するための大規模な施設を建設しており、規模だけでみると東京ビッグサイトはアジアで16位、世界では60位と遅れをとっています。展示会ビジネスは、展示会場の所有者から企画・運営会社が床を借り、その床を出展者に貸し出すビジネスです。規模のメリットが生まれやすく、施設規模と経済波及効果は比例すると言われています。年々、世界規模の見本市は規模が拡大しています。
展示会産業は、将来性があって、日本の強みであるモノづくりの技術を高度化するとともに、地域への経済効果が高い産業です。こうした観点からも、過去の失敗から学習したうえで、展示会産業を再度見直す時期に来ていると思います。この展示会産業の効用を再認識し、日本の成長戦略の柱になりうるかをじっくり考えてみようと思います(2012年1月20日)。
posted by 藤本祐司事務所 at 09:29|
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