ソニーが業績低迷を理由に、経営陣を刷新することを発表しました。関心の的は、次期会長兼CEO(最高経営責任者)のハワード・ストリンガー氏が西洋人であることのようです。米ニューヨーク・タイムズ誌は、「日本の企業としては大胆な動き」と解説しました。しかし、既に日産や三菱自動車の例もあるように、西洋人が企業のトップになることは、もはやそんなに珍しくはありません。ソニーは既にマルチ・ナショナル企業として認知されており、グローバル社会の中では、なんの違和感もないことと受け止めてもおかしくはありません。
実は、ソニーに英国出身のCEOが就任することよりも、ソニーの社外取締役の役割こそが注目に値すると私は思っています。株主の代理人とも言える社外取締役の役割が大きく、企業統治のあり方が新たな段階に突入したことを意味すると思います。その点、出井会長が社内の取締役と社外取締役の人数を拮抗させて、外部の目によって経営を厳しく監視する仕組みを取り入れた意義は大きいと思います。
これは、社外取締役を通して企業価値を高めるという新しい企業統治(ガバナンス)のあり方を示しています。グローバル化が進展する中で、内向きの改革ではなく、外(市場)に向いた改革によって、経営を刷新するという考え方を私たちは見習う必要があると思います。市場の声に敏感に対応するこの仕組みが、株式公開企業に緊張感をもたらすことになるでしょう。
このソニーの企業統治の対極に、最近のフジテレビとライブドアの株式取得合戦、コクドの堤元会長の証券取引法違反事件があるように思います。誰のための企業なのか、外部監視の仕組みが採用されているのかなど、考えさせられる観点がいくつかあります。
ライブドアが取った一連の行動は、わが国の企業の緊張感の欠如という問題提起をしてくれました。市場経済の中でリスクは当たり前です。それを防御できなかったことへの反省を忘れてはなりません。立会外取引などの制度上の不備を問題するだけではなく、緊張感の欠如という意識の問題も大きな問題であることを私たちは認識すべきです。その緊張感の欠如を補完する仕組みを取り入れた企業ガバナンスは、確実に新しい時代に入っています。
政治も、新しい統治システムを取り入れる時期にきていると思います。今のままでは、市場(国民の皆様)から信頼されなくなってしまいます。国民の皆さんの関心が高い社会保障制度、景気、雇用を後回しにして、郵政民営化だけが関心事となっている現内閣を監視し、この辺で思い切って人事を刷新することが必要です。
国民の皆様こそが、社外取締役です。そして、社外取締役である国民の皆様から「日本国のトップも外国人に任せろ」という声があがらないように、政治家は日本のため、国民の皆様のための政策を立案していくように、精一杯勉強し、努力しなければなりません。肝に銘じます・・・。
2005年03月09日
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