5日(金)17:30、郵政民営化特別委員会が散会した。自民党と公明党の多数で可決し、委員会を通過し、8日(月)13:00からの本会議に送られた。委員会では、自民党は反対派および態度保留の議員を賛成派議員と差し替えたため、採決する前から可決することはわかっていた。付帯決議を読み上げる時以外は、特に野次もなく、平穏であった。
この法案には多くの問題点がある。掻い摘んで、簡単に説明しよう。
まず、1点目は、法律の体裁の問題である。関連する6つの法律案の中で「政省令で定める」とした箇所が150箇所以上にのぼる。法律で制定するのではなく、政府が定める命令によるとした箇所が150箇所に及ぶのだ。つまり、国会(立法府)の審議なしで政府の裁量に委ねることになる。政府の意志で、どうにでもなるということだ。それがあまりにも多すぎる。
2点目は、政府の答弁や政府広報に多くの嘘がある。数ある嘘の中から、代表的でわかりやすく例を挙げると、全国の約24,700の郵便局がコンビニと同じような機能を持つと表現している。これを聞くと、自分たちの町の郵便局がコンビニになるように思ってしまう。しかし、本当は、普通局と言われる都市部にある約1,300局はコンビニの機能を持つことは可能だが、その他は儲かる可能性もないし、郵便局も手狭でスペースもないから難しいという政府見解が示されている。全くの誇大広告である。
また、民営化すると法人税を払うようになると言っている。確かに本当だが、公社も税金という形ではないが、利益の約半分を国庫に納付している。民間企業の実効税率は約40%なので、公社の支払いが多い。
さらに、民間になると公務員が27万人減ると言っている。確かに身分の上では公務員は減る。しかし、郵政公社の職員は、普通の公務員と違って給与は税金を使っていない。つまり、郵政公社の利益の中から人件費を支払っている。しかも民営化しても共済年金には加入したままである。
このように、法案の欠陥を挙げれば、きりがない。郵便局ネットワークの維持は法案に盛り込まれていないため、法的拘束力のない国会答弁で済ましている。340兆円の資金が民間に流れると言っても、そのうち300兆円程度は、旧勘定に分類されて、独立行政法人の機構に残り、市場には流れない。徐々に流れていく可能性はあるが、その保証はない。等々である。
法律をよく読めば、また民営化準備室の資料を調べれば、賛成できる代物ではないことは明らかである。それが証拠に自民党と公明党は、法律に付帯決議をなんと15項目も付けた。つまり、自分たちが提出した法律は信用できないから、注意事項を付けましたよということである。それであれば、法律を改正して、提出し直すべきである。特別委員会では、採決の後、野次と怒号の中、付帯決議を自民党が読み上げ、賛成多数で可決した。こんなことは前代未聞である。自分たちの法律案に非があることを認め、それを自分たちで提案しているのだ。誠におかしな話だ。
おかしなことと言えば、自民党の反対派への説得工作である。政局になると困るから賛成してくれ」という説得はおかしい。つまり、政局になって選挙になると自民党は崩壊して混乱するから、欠陥法案でも賛成してくれということだ。選挙が嫌だから、どんな法案でも賛成するということは、国民の側にたった発言ではない。自民党のためになることであれば、国民を犠牲にしてでも構わないと言っているのと同じである。
また、中曽根弘文参議院議員(参院亀井派会長)は、その反対表明文の中で次のように言っている。「解散・総選挙をちらつかせ、真の議論を封殺するようなことは、『再考の府』とも言われる参議院の自由な審議権や独自性を無視し侵害するものであり、二院制を形骸化させ、議会制民主主義を崩壊に導くものであると考える。郵政法案の中身の良し悪しから離れた理由を以て結論を出させられるようでは、立法府は行政府の単なる追認機関となってしまう。」実に的を射た文章である。
ちなみに、私の特別委員会での発言内容は、民主党のHPで読むことができる。7月22日、8月1日、8月4日の3日間、都合130分である。
さて、来週はいよいよ本会議決戦である。この欠陥法案、そして誇大広告法案を廃案に追い込むことが、我々の当面の仕事である。
2005年08月05日
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