私は5月5日の昼過ぎに日本を発ち、ケニアに向かった。IPU(列国議員同盟)ナイロビ会議に出席するためだ。途中、アムステルダムで1泊して、6日の20:00(日本時間の7日午前2時)頃にナイロビに到着した。
早速翌朝9時から会議がスタートした。会議の様子を逐次報告していると、とてつもなく長〜いホンネ・コメントになってしまうので、この会議に参加して感じたことを掻い摘んで数回に分けて紹介しようと思う。
IPUに加盟している国は、世界143ヶ国。世界のほとんどの国が加盟している。但し、アメリカは加盟していない。アメリカは、当初加盟していたが、3年ほど前に加盟資格停止となったとのこと。その理由は、分担金を支払わなかったからだとか。ただ、アメリカの名誉のために言っておくが、かつて、アメリカは分担金を世界で最も多く支払っていたが、採択の権限が分担金の少ない国と同じであること(1票の重みが分担金の額と比例していない)、分担金を払って貢献しているのに他国から批判ばかり受けることなどが、その理由だそうだ。今回も、アメリカが参加していないのにもかかわらず、イスラム国家や中南米のいくつかの国(全てではない)から名指で批判されていたことを考えると、アメリカのとった行動もわからないわけではない。
さて、今回の参加国は117ヶ国。これらの国が一同に介して、スピーチをし、意見交換をするという場に初めて参加した。決められたスピーチ時間をオーバーして議長から止めるように注意されても何食わぬ顔でスピーチを続ける国、発言を許されていないのに堂々と発言する国、既に終わったテーマを蒸し返す国、特定の国の批判だけを繰り返す国がいるかと思えば、紳士的で建設的な意見を時間通りに行う国など、様々だ。
また、会議が始まる時間に席に着いている国は、日本だけ。議長でさえも、時間に来ていない。15分遅れは序の口。30分過ぎても、半分程度の席が埋まっていれば良い方だ。
考えてみれば、治安が悪く、いつ命が奪われてもおかしくない国からすれば、時間に遅れることなどたいしたことではないということだろう。いや、待てよ。欧州の国でさえも、時間通り来ない。
話が横道にそれるが、私は、アメリカの大学院で、「世界で時間に最も正確な国はアメリカだ」と学んだ。「日本でさえもアメリカほど正確ではない」と習った。みなさんの中には反論したい人がいるだろう。確かに、交通機関などの正確さを考えると、日本はアメリカとは比較にならないほど時間に正確だ。しかし、例えば、会議や授業などは、アメリカでは時間ぴったりに始まって、時間ぴったりに終わる。日本は、時間ぴったりに始まったとしても、終わりの時間はルーズだ。アメリカでは、話が佳境に入っても時間が来れば終わる。日本は佳境に入ると5分や10分は長引かせてしまう。このようなことをみると、確かにアメリカは時間に正確である。
話をIPU会議に戻そう。今回、30分遅れで始まっても、終わる時間は正確だった。私が配属になった委員会で驚いたことがあった。通訳が、時間が来るといなくなってしまうのだ。つまり、通訳は契約で時間が決まっているため、時間が来たら途中でもさっさと通訳ブースから姿を消す。残っていたのは、日本人の通訳だけだった。しかも、会議は時間通りに終わったのに、通訳はそれより少し早く、片づけて通訳ブースを去っていった。
私たちの常識では考えられない。しかし、日本人以外の通訳が皆同様の行動をとったということは、我々日本人の常識がむしろ世界の非常識なのかもしれない。これと同じようなことがいくつかみられた。また、いつか紹介したい。
さて、次回のvol.059では、“ケニアを訪問して考えさせられたこと”をコメントしよう。これもまた色々ありすぎて、1回では書ききれないとは思う。とにかく、なかなか体験できないことを経験できたことは、間違いない。
2006年05月15日
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