IPUナイロビ会議から戻って2週間弱が経った。もっと早く「ホンネ・コメント」を更新するつもりだったのだが、質問やら差し替えやらで、更新するのが遅くなってしまった。最近は記憶力が減退し、その代わりに忘却力が旺盛になったため、本当はホットな話題は早めに書かなければいけないと思いつつ、遅くなってしまった。
前回の『vol.058』で、次回は『ケニアを訪問して考えさせられたこと』を書くと予告したので、今回はその予告に従う。
<継続的な議員交流の必要性>
まず、議員交流について。今回も会議で多くの国会議員と会議場や会食の場、あるいは各種レセプション(例えば、ケニアの在日本大使館主催レセプション等)で顔合わせをする機会があった。
しかし、今後その方々と会う機会があるのだろうか。IPU会議は年に2回しか開催されないし、今年の秋開催される会議には、おそらく私は派遣されないだろう。他国の議員は、比較的継続して参加するようだが、わが国は、機会平等を旨としているからだろうか、順番に出席するようだ。となれば、下手するともう2度とこのIPU会議には私は出席しないかもしれない。折角交流の機会を持っても、それっきりとなる。
確かに、個人的に考えると、会議に参加するだけでも多くの事を得るし、勉強になる。その点では機会平等は正しい。ただ、国あるいは党の利益を考えると、私よりも適任者がいたかもしれないし、同じ議員が継続して出席する方が、大きな利益を生み出すのではないかとも思う。
議員交流が進めば、外交面でもスムーズに事が運ぶことだってある。それ故、このような国際会議の場は重要である。むしろテーマに合わせて、その専門家が繰り返し参加することが良いのではないかとも思う。今後の検討材料である。
<自分の身は自分で守るという意識>
ナイロビの治安は悪い。我々は一人で歩くことは禁止された。ナイロビは特に治安が悪いかもしれないが、よく考えてみれば、夜9時以降、暗くなってからも女性が一人歩きして安全な国なんて、世界中どこを捜してもないと思う。日本も治安が悪くなったと言われても、まだ世界標準で考えれば、相当安全である。
最近、小学生が殺されるという事件が相次いでいる。これは、大きな問題であることは間違いない。しかし、夜11時になっても女性が一人で歩いていて平気な国はどこにもないことも事実である。世界標準では、女性が夜11時に一人で歩いていて事件に巻き込まれたら、その女性に責任があると判断されるのではないか。事件すらならないかもしれない。日本では、「治安が悪くなった」と話題になる。
もっとも、治安は良いに越したことはない。安全で事件が少ない方が良いに決まっている。ただ、誤解を恐れずに言わせてもらえれば、大人になったら自分の身は自分で守ることも覚えた方が良いと思う。
ケニアに行っても、途中乗り換えのために立ち寄ったアムステルダム(オランダ)やロンドンでも、やはり女性の夜の一人歩きは危ないし、昼間でも近寄ってはいけない場所はある。日本は、これまで身は社会が守ってくれるものだと考えてきた節があるのではないか。リスクは社会がとるものであって、個人がとるものではないという「甘えの構造」というか「平和ボケ」があったのではないか。危険を察知する動物的勘も衰えてしまった。
私も1980年代の後半に景気のどん底のアメリカに留学し、その中でも治安の悪かったデトロイトやニューヨークを知っている。それだけに、自分や家族の身は自分たちで守るのが当たり前だというのが常識であることを知っているし、体験している。危なそうな場所は、雰囲気でわかったし、近づかなかった。夜の一人歩きを控えるか、街角に監視カメラが設置され、警察官があちらこちらに立っている社会を望むかの選択になるかもしれない。それが世界標準であると思う。
ケニアを訪問し、まさに危険と隣り合わせで暮らしていかなければならない生活に触れて、我々ももう少し自分の事は自分でするという考えを強く持つべきと考えた。繰り返しになるが、治安は良い方が良いし、子どもの身の安全は子ども自身の責任だと言っているのではない。人間は一人で生きていける訳ではないので、社会に依存しなければならないことも事実である。ただ、自立することを常に意識して、自分で出来ることや自分でやらなければならないことは、自分一人でやるんだという強い意識と行動は必要である。
今回のケニア訪問では、改めて、HIVのこと、教育のこと、食糧のことも考えさせられた。ケニアの場合、これらの多くは貧困から発生している。まずは、貧困から救うことが先決なんだろう。“衣食足りて”初めて次のステップにいけるのである。ケニアと同じ状況の国が、他にも沢山ある。これらの問題を解決することは並大抵のことではない。
他にも一杯、考えさせられたことはあった。書ききれないので、いつか機会をみて、情報発信する機会を作っていきたいと思っている。記憶力が忘却力より勝っているうちに・・・。
2006年05月25日
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