162-参-郵政民営化に関する特別委員会-11号 平成17年08月01日
○藤本祐司君 民主党の藤本でございます。
七月の二十二日、先々週の金曜日に引き続きまして御質問をさせていただきたいと思いますが、二十二日のときも骨格経営試算、そして新規事業の採算性について、前提条件、そしてその前提条件の根拠を資料としてお出ししていただきたいということで、再三そのときお話を私の方から要望させていただきまして、その間ある程度は出てきたんですが、大変不満足なものでございまして、計算式がないとかバックデータがないとか、そういうことでまた理事会の方にお願いをして要請をしたんですけれども、最終的に実はまだまだ足りない部分がありますので、ちょっとその点については非常に私としては不満であるということを最初に申し上げておきます。
そして、今の山根議員から話がありましたことからちょっと話を受けまして一つお聞きしたいと思っていまして、ちょっと話を聞いているうちにだんだん混乱してきたものですから、ちょっと分からなくて教えていただきたいんですけれども、具体的に今の郵政公社の職員が幾つかの事業会社に分かれるわけですけれども、郵貯とか保険とか窓口とか分かれるわけなんですけれども、そのときの承継計画を作りますよということなんですけれども、その人事権というのはやはりこの本部長である内閣総理大臣が持つという解釈でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 人事権、基本的には、まず企画会社をつくるわけでございますが、企画会社についてはこれは一〇〇%公社の、これ、公社出資ですね、公社の出資でつくるわけでございます。その中で経営委員会というのをつくらせていただくということになります。実態的にはこれは新しい、国が一〇〇%当初株式を持つ持ち株会社の取締役を決めるということになりますので、実態的にはこれは当然、総理の御決断を仰いで、政府として責任を持って人選をするということになります。
○藤本祐司君 それで、尾辻大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、前回の七月二十二日のときにも、小泉さん、小泉総理が厚生大臣のときの話を少し持ち出して、介護サービスをやるときに、今の郵便局員がその介護サービスに携わるということに対しては、本人の特性も意向もあるだろうからなかなか難しいんだということを小泉総理が厚生大臣のときに話をしていたということ、答弁をしたということを申し上げたんですけれども。
実際に、やはり今の公社、二十七万人の方々が幾つかの会社に分かれて業務をするということになりますと、やはり特性の問題も意向の問題、関心の問題、いろんな問題があると思うんですけれども、その辺りについて、やはり個々の人たちの、今のお話だと希望を聞いてやりますよということになると思うんですが、というお話なんですが、恣意的過ぎても良くないし、また機械的過ぎても良くないのかなというふうに思うんですけれども、これは労働政策上、例えば監視すべきであるというような考え方もあるんじゃないかなというふうに思うんですが、それについて尾辻大臣の御見解をお願いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先日も介護保険の話も出ましたけれども、改めて私から申し上げたいことは、介護保険というのも片手間にやっていただくような仕事じゃ絶対にありませんので、それはもしおやりになるといえば、もうしっかりと介護保険に取り組んでいただかなきゃならないんでありまして、とにかく片手間でやるというような感覚というものではないことだけは私からもまず申し上げておきたいと存じます。
それから、今人事権のお話ございましたけれども、私の立場から一般論で申し上げますと、やっぱり労働組合法をどういうふうに解釈するかということがあろうかというふうに思っております。そこで、その人事に関する団体交渉についてどういうふうに整理してあるかということを一般論としてまず申し上げておきたいと存じます。
個別的、具体的人事を決定する最終的な権利を有するのは使用者であり、したがって、個別人事については、賃金、労働時間等のように労使の交渉により決定するのが建前である事項とは異なり、言わば使用者の行う人事について、法令、労働協約又は就業規則上の人事基準、さらには一般条理等に照らしてその是正を求めるということが団体交渉の対象となるものと考えられる、これが労働組合法の整理の仕方でございますので、申し上げておきたいと存じます。あくまでも一般論でございます。
それから、今度は個別な話でございますけれども、この今度の法律でありますけれども、まず百六十八条で、承継職員に対し、施行日の二週間前までに、承継会社のいずれの職員となるかを通知しなきゃならないと定めてありますから、これはもうきっちりそのとおりしてもらわなきゃいけないということでございます。
そして、さらに百六十九条において、公社の職員が結成し、又は加入する労働組合と日本郵政株式会社は、継承職員の労働条件その他に関する労働協約を締結するための交渉をし、及び承継労働協約を締結することができると定めてございますから、事前にここでの協議が十分なされるものと存じます。
したがいまして、そうした法令を守って労働者の権利をしっかりと守ってもらいたいというふうに考えておるところでございます。
○藤本祐司君 本当に人生を左右する非常に重要なことだものですから、ここについては是非慎重に考えていただかないといけないなというふうに思います。
尾辻大臣はこれで結構でございます。ありがとうございます。
それでは、骨格経営試算です。今人事の話をさせていただいたんですが、骨格経営試算で人、要するに職員の切り分け、ここがすべての事業において費用という点では人件費が非常に大きい部分だと思いますので、ちょっとその切り分けについてちょっとお聞きしたいんですが、骨格経営試算で二つのパターン、ケース1とケース2と書いてありますが、その中でケース1が四つの会社で二十六万八千人、ケース2が二十六万七千人って、まあこの千人の差は恐らくラウンドアップか何かの誤差になってくるんだろうということで余り大したことではないとは思うんですけれども。
そこで、ちょっと生田総裁にお聞きしたいんですけれども、平成十五年四月一日の時点では公社のいわゆる常勤職員が二十八万四十二名という数字が出ておりまして、その半年前で二十七万六千四百五十六名ということなんですが、平成十九年の三月ですね、十七年の三月ではアクションプランの中に三事業それぞれの職員の数というのが出ているんですが、四年計画でいわゆる中期計画の最終年度ですね、このときの三月末の常勤職員というのを大体どのぐらいで想定されていたんでしょうか。
○参考人(生田正治君) お答え申し上げます。
公社スタートのときがたしか二十八万二千人だったと思います。それから、フェーズ1が終わったところで約二万人減っているというところでございまして、今度、今フェーズ2に入っております。
で、フェーズ2につきましては、事業の健全化のためにいろんなことをやります。営業のパワーアップとか組織の活性化のための改編であるとか購買費の更なる削減とか生産性向上とか、それと併せまして、要員につきましても約二年間で一万人の削減ということで、現在組合側に提示いたしまして話し合っておりまして、まだ完全な合意を見ておりませんから、そういたしますとは申し上げられないんですが、予想で申し上げれば十八年度の終わりは二十五万人強と、二十五万一千か二千か、それは数字動くでしょうけども、大体そのぐらいで民営化するとすればその会社に引き継ぐことになるだろうと、こう考えています。
○藤本祐司君 骨格経営試算の方ですと、先ほど申しましたように、ケース一で二十六万八千、ケース二で二十六万七千で、増えているんですね。ここの、なぜここが増えているのかというところがちょっとよく分からないなというところと、もう一つ、職員はこの四つの郵便、貯金、保険、窓口と、この四つの事業に振り分けられるということなんですが、機構に振り分けられる方と持ち株会社に行かれる方というのは、その方の人数というのは当然あるはずだというふうに解釈しているんですが、そこは逆に言うと何人ぐらいずつでいるのか。今、二つの質問です。
二十五万人からケース一、ケース二の方が増えているということと、あとそれ以外に、二つの機構と持ち株会社に行かれる方の人数はどのぐらいで想定されているのかということ。二点です。
○参考人(生田正治君) 最初の前半のところだけ、ちょっと私、言わしていただきます。
一万人減すという話は、二十五万強まで、つい最近組合へ言って始めている話でありまして、試算をされたときにはフェーズ1がそのとおりいくかどうかも、まだ不安定なときだったですから、アバウトで、もちろん組合も同意していない数字を入れられなかったという背景があったということだけ補足さしていただきます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 二点お尋ねがございましたが、第一点はちょっと今の総裁の御答弁とも絡みますけども、この試算そのものは昨年行った試算でございまして、そのとの関係で、そのときに利用可能な最新時点の、これ十五年末、十五年末の数字に基づいて試算を行ったということでございますので、その後、あえて言えば、これは総裁の御努力により当初想定よりもむしろ人員の削減、生産性の向上が進んでいるというふうにその差は解釈していただくべきものだと思います。
もう一点、御指摘のとおり、持ち株会社もありますし管理機構もございます。しかし、これは正に非常に小さな規模でございますので、当然のことながら若干名の人が配属されるわけでございますけれども、この試算の中では明示的な想定は数が少ないがゆえに特に置いていないということでございます。
○藤本祐司君 数が少ないがゆえにということでという説明なんですが、骨格経営試算を見ますと、郵貯、保険も人件費、数が少ないがゆえに一定でならしていますよということなんですが、数が少ないがゆえにやらなくてもいいよということには多分ならないんだと思うんです。本来であれば、いわゆる人件費以外のコストだって掛かってくるわけですし、やはりこの収益計算というのは、当然のことながら機構と持ち株会社もやった上で、それでトータルでこうですよというふうに示さないと、結局のところ全体像が分からなくなってしまうんじゃないかなというふうに思うんですが、これは実際には計算されていて公表されていないものなのか、もうはなっからこんな小さいものは要らないよということで計算されていないものなのか、どちらなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 結論から言いますと、計算はしておりません。これは、骨格経営試算そのものが趨勢的な一つの、その趨勢を判断する材料として提供しているという点にあるわけでございます。
もう一つ、確かに郵貯、窓口も数は少ないわけでございますけれども、それでもまあ四千人、八千人ということでございますから、それに比べるとけたが違う人数だということでありますので、そうした意味で数が若干名であるのでというふうに先ほど申し上げた次第でございます。
○藤本祐司君 それでは、ちょっと個別の話をさせていただきますけれども、郵便事業の骨格経営試算、ここのところを少し、ちょっとお話お聞かせいただきたいんですが、ここの人件費、やはり人件費の算出根拠って、元々の数字は分かるんですけれども、この十年間でどういう推移、いわゆる設定根拠といいますか、その前提条件をどういうふうに設定されているんでしょうか、十年の推移ですけれども。
○国務大臣(竹中平蔵君) お尋ねは郵便事業の人件費ということだと思いますけれども、これは総引受郵便物数が年率、過去三年平均ですと一・一%の減少でございます。その一・一%で減少していくということを前提とした下で、これに応じて年率人件費も一・一%で減少をしていくというふうな前提を置いております。
別の言い方をしますと、人件費一円当たりの生産性を保つ。物数が減ってくるわけですけれども、人件費一円当たりの生産性を下げない、そのような経営努力を行っていただくということを前提にして人件費をこの中に計上しております。
○藤本祐司君 まあ経営努力を行っていただくというお話がありましたけれども、骨格経営試算はほとんどその経営の政策意図、経営判断などとは一切関係しないということが前提になっているわけでして、利益の方は、そして経営努力とかそういうのはほとんど見ないでおいて、コストの方は経営努力をして下げてくださいということと解釈していいんでしょうか。
それと、要するに売上げが一・一%ずつ、郵便数ですね、が減っているから物件費も人件費も同じように減らしましょうということになっているわけなんですけどね、この骨格経営試算ですと。そうなってくると、普通の会社でいったら売上げが下がりますからそのまんま人件費と物件費を下げますよという、そういうのと全く同じなわけなんですけど、実際そういうことが可能なのかどうかということですね。
本来であれば、こういう人件費の算出、やり方として一番分かりやすいのは、新規雇用をしませんよと。新規雇用がないんであれば、例えば定年退職者が毎年このぐらい出ますと、で、退職金がこれだけ減りますと。あるいは、定年退職じゃない方々も、退職率が大体今まで過去何年間でこのぐらいですから、その退職率を掛け合わせてだんだんこのぐらい減ってきますよというのであれば非常に分かりやすい。特に経営努力もなし、経営判断もなし、前提がそのまま生かされるんだろうと思うんですが、ここだけ何か経営努力をして一・一%ずつ物件費も人件費も減らしますというと、いつも売上げが上がれば人件費も物件費も下げるんであれば必ずこれはずっとプラスになっていくということになってしまって、これが本当にこんなことができるのかという意味ではちょっと疑問に思うんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) こういった将来試算を行う場合の考え方というのは、委員御指摘のとおり、いろんな考え方があるんだと思います。
骨格経営試算というのは極めてある意味で保守的にですね、新たな新規の事業を行わないで、それで保守的に試算をしたいというのを、そして傾向的にこの四社がどのようになっていくかということを把握したいということを考えているわけでございますけれども、その場合に、一つはこう何も努力をしないというのも一つの考え方としてはこれはあり得るのだと思います。
しかし、同時に、これまたもう委員が非常に適切に御指摘をくださったわけでございますけれども、これは実は公社職員の年齢構成を考えますと、毎年平均して二・五%以上職員が引退するというふうに考えられております。それをまあ盛り込むというのも、これは試算の考え方としてはあり得る考え方であると。
で、我々は、そういった意味ではこう決して一・一%自動的に減るとか、そういうふうに考えているわけではなくて、公社の職員が二・五%以上減るような状況下で生産性を一定に保つ程度の努力は、これは当然にしていただかなければいけないのではないだろうかと。これは決して無理な想定ではないし、その意味では、当然民営化されて生産性が低下しないような努力は、これは当然していただけるだろうと。実現は可能であるということ、しかし何もしないというような極端な前提ではないということ。
現実には、公社の人件費というのは減らしながら、今、例のゆうパック等々の増勢も掛けておられますので、まあそういった、しばらく頑張って、総裁に頑張っていただいて、その後もですね、保守的ではあるけれども、それなりの経営努力をしていただけるような、それはやっぱり一つの考え方としては、民間の企業である以上、人件費一円を非常に有効に使う、効率的に使う、生産性は下げない、そのような前提、これは保守的な前提であると私は思いますけれども、その下でこの試算をさせていただいております。
○藤本祐司君 それでは、そこの利益、利益というか収入の方なんですが、これ生田総裁にお聞きしたいんですが、この小包一般シェアを一〇%にするというのがこの骨格経営試算の前提になっているわけなんですね。現在は多分七%程度に収まっているんだろうと思いますが、アクションプランで一〇%だからこの骨格経営試算もそれを踏襲しましたよという説明があったわけなんですけれども、この実際の一〇%の実効性といいますか、そのアクションプランとして一〇%にするって、これどういう形でやろうとされていたんでしょうか。
○参考人(生田正治君) 結論の方から先に申し上げますと、私は、公社の間に一〇%行けると、やれると思っております。で、やるための施策を打ちつつあります。公社スタートのときは五・七%です。今、先生おっしゃるとおり、七%。今年じゅうに多分八あるいは八を超えるところまで行って、最後には一〇を必ず行かすつもりでおります。
それは一つは、まず根本的に考え方を変えて、サービス業だという現実認識をきちっと持って、すべてをお客様本位に考える、これは原点です。それで営業力を高める。それは、サービスメニューも増やしますし、品質を思い切って上げるということもやっております。それから、サービスの質を上げる意味では、翌日配達のところを増やすとか的確に時間帯できちっとお届けする、夜も配るというようなこともやっております。
それから、JPSというのをやりまして、生産性を上げることによってこれをまた品質アップにつなぐというようなこともやっておりますし、提携を増やしていますね。いろんな同業他社の、例えば山九運輸とか日立物流と組むというようなこともやっていますし、お客様の利便性を図るために、今コンビニにお願いして、いいよ、置いてあげるよというところは置いていただくということで入口も増やしております。
今ちょっと申し上げるわけにいきませんが、更なる品質アップと取次先の拡大などについて計画を練っておりまして、いずれ法案の行方も見ながらきちっと発表して、結果として達成していくつもりでおります。
○藤本祐司君 分かりました。
それでは、新規事業の方に移りますが、郵便事業を取り上げたのは骨格経営試算の一番最初に載っていたんで取り上げたんですけれども、もう一つ、新規事業の方の一番頭に国際展開とある、国際物流の方がありますので、ちょっとそれについてお聞きしたいと思っていますが、これは中長期的には売上高の約二割に当たる四千億円がということなんですが、この二割というのがいわゆる主要インテグレーター並みの水準であると、それが二割であるということなんですが、ちょっとその辺りの根拠を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のとおりでございまして、まあ基本的な考え方というのは、我々は、アジアの地域の国際物流市場は大変な成長市場だというふうな認識を持っている。民間のシンクタンクでも、アジアの国際物流市場、今後十年で約三倍になるというふうに見通している。
そういう中で、公社にも頑張っていただきたい、郵政にも頑張っていただきたいわけでございますけれども、国際物流の収益源としている、国際物流をその収益源としている主要なインテグレーターによります国際物流関係シェアを見ますと、例えばフェデックスが二三%、UPSが一九・五%と、そのような数字があるというふうに承知をしております。
骨格経営試算では、二〇一六年度における郵便会社の郵便営業収入が一兆六千億程度であると、一兆六千億円程度となるということを踏まえまして、中長期的には売上高の約二割に当たる四千億円が国際業務による、そのような想定をしているわけでございます。
ちなみに、この四千億円というのはアジアの国際物流市場として想定したものの一六%強でございます。二〇一六年度までに更に市場が拡大するということを考えますと、まあこれは目標としてもちろん大変難しいということは承知をしておりますが、私はやっぱり、頑張ってこのようなことにはこのぐらいの成果を是非出していただきたい、そのような御尽力をいただきたいと思っております。
○藤本祐司君 今、収益の話が出ましたから、今度、費用の話なんですけど、費用、まあこれ費用、コストが九五%で利益率五%ということで想定されていますけれども、この五%の根拠は何なんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) たしか御答弁で、こういうシミュレーションをする場合には大体三つぐらいのパターンに分けてお考えくださいというふうに申し上げたと思います。収益と費用を個別に積み上げているもの、利益率を求めるもの、さらには追加的にその効果を単独に出すものと。その意味では、これはその利益率を参考に出させていただいております。国内大手のフォワーダーの利益率を参考に五%と想定をしております。これは、フォワーダーの売上率、各社によって違いますけれども、日通、近鉄エクスプレス、郵船航空サービス等々、主要なところの単純平均を取らせていただきまして五%とさせていただきました。
○藤本祐司君 今聞いていて、やっぱりちょっとおかしいなと思ったのは、収益については世界の主要インテグレーター並みの水準を持ってきているわけです。費用については国内のフォワーダーの利益率を持ってきているんですが、インテグレーターとフォワーダーはもう元々全く違うものですよね。これ、全然違うものを同じところで計算をして、利益はインテグレーターですよと、費用はフォワーダーですよというふうに言っているというのが、全くこれ、お一つのFSをやるときにこれ全く前提がおかしいんじゃないかなと思うんですが、インテグレーターとフォワーダーってどう違うかというのは御存じだと思いますが、ちょっと御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 要するに、インテグレーターというのは正にインテグレートして、統合して、要するにすべてのプロセスを持っているものというふうに認識をしております。
○藤本祐司君 御説明申し上げますと、インテグレーターというのは、要するに集荷から配送まで全部一貫してすべてやる、トータルでやるということなんですね。国内のフォワーダーというのは、基本的には航空会社の空いているところにこう荷物を載っけてもらってやるっていう、これもう全く違うんですけれども、全く違うものを同じところに、ベースで計算をするということが、そもそもFSをやるときに、事業性、採算性をやるときに間違ったやり方だというふうに思っています。
しかも、この主要インテグレーターというのの規模、郵政公社が今規模も全然違っているわけでして、例えば、これからホテルを造りましょうと、百ルームのホテルを造りましょうというふうに言っているのに、三千室、四千室の売上げのところを見ながら、そこの外国人比率が五割だから五割ですよと。でも、利益率は二十室、三十室の旅館、ホテルと同じですからそちらにしましょうねというふうに言っているのと全くこれ同じで、全然土俵が違うというかステージが違うものを一つのところで計算して、ほら、これは収益ですよ、これは費用ですよと言っているのは全くこれ理解できにくいところなんですね。
じゃ、インテグレーターを目指すということで考えていいんですか、これは。今あるインテグレーターを。売上げ二割と言っているんで、それを目指して、目標にしているからそれを持ってくるわけでして、FSのところを、多分大臣は当然お分かりのことだと思いますけれども、今までのトレンドがあればそれを、トレンドを伸ばしますよとか、あるいは横ばいにしましょうという前提があるんですが、そういうトレンドなりを比較できない新しい事業のときは類似の事例を持ってきてやるというのが、まあFSでいえば基本中の基本なんです。
だから、そういう意味では類似事例を持ってきているということでこれはFSをやっているんだろうと思ったら、インテグレーターとフォワーダーと両方全然違うものを持ってきているという、これは全く理解できないです。これ基本中の基本を多分書いているんだと思いますけれども、竹中大臣、それどう思いますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) さっき私がインテグレートしていると言ったのは、川下と川上を全部持ってインテグレートしたプロセスを持っているのがインテグレーターであると。フォワーダーというのは、国内のを持っていてそれを正にフォワード、追加的にフォワード、前へ行くのがフォワーダーだと、そのように申し上げたつもりでございます。
今の委員の御指摘は、例えば日本のように非常に大きな国内市場を持っていて、これは生田総裁が何度か御答弁しておられますけれども、やっぱり当面は、長期的には分かりません、当面はいろんな形での提携を考えながらやっていくのが非常に現実的であろうというふうな趣旨のことを言っておられると思います。したがって、フェデックスは何十機、何十機ですか、物すごい量のあの大きなジェット機を持っておりますけれども、生田総裁は当面ジェット機を何十機も買うというようなつもりではないというような趣旨でいろんな可能性を考えるというふうにおっしゃっているんだと思います。その意味では、急に今インテグレーターになると、インテグレーターをこの十年で目指すというようなことは、これは生田総裁もお考えではないですと思いますし、それはいろんな意味から現実的ではないということであろうかと思います。
その意味では、そういう中で、しかし国内では非常に大きな配送ネットワークを持っていて、近隣に非常に大きなアジアの成長市場があって、そこについてはその一種の地の利もあって、そこをどのように我々が現実的に見通すかということに尽きるのだと思います。
その意味では、これは結果的に見ると、正に委員御指摘のとおり、これ、マーケットシェアについて、収益面ではインテグレーターと同じようなことを考えている、しかし利益についてはフォワーダー的なものであるという御指摘だったと思いますが、恐らくそれが一番現実的な今考えている総理の考え方であろうかと思います。
インテグレーターの利益率を持ってくると、インテグレーターの利益率を持ってくると飛行機を持つというようなことになりますからこれはむしろ非現実的であろうかと思いますし、今総裁がおっしゃられておられるようなことも踏まえて、参考になる最もプロージブルな事例としてこのような事例を持ってきていただいて、そのめどを付けているということでございます。
○藤本祐司君 全く現実的だと私は思わないんですけれども、そのインテグレーター、例えばUPSにしても自社機二百六十五機持っていますよね、フェデックスも六百四十三機飛行機持っている。あるいは海外拠点だってそれ配送まで全部やるわけですから、配送車両も持たなきゃならないし営業所も全部持たなきゃならない。それをここに持ってきて、それとは違うものをやるんですよと言っている。で、やって、違うものをやるんだけれども、収益については二割を、そこを持ってくるって、全くこれ分からないんですよ、現実的じゃないと思いますよ、これ。これが現実的にできるというふうには思えないんですよ。
全くこれ矛盾だらけといいますか、全く同一レベルで計算をしていないということになってくるんではないかなと思いますが、現実的だという根拠をちょっと教えていただきたいんですが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 是非、もしもこれよりも現実的な想定があるんだったら、これ、私どもにも知恵を付けていただきたいと思います。
これは、現実には……(発言する者あり)現実にはいろんな判断の中で、私たちはアベイラブルなデータの中でそれについてやっているわけですから、私たちは最も現実的な想定を置いているわけでございます。
○委員長(陣内孝雄君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
○藤本祐司君 じゃ、もう一度質問させていただきますけれども、全く土俵が違う、ステージの違うものを持ってきて、それを、そういうものを目標とするわけではないと言っていながらこの数字を持ってくるのは現実的であると言っているのが、もう全く理解に苦しむ答弁なものですから、なぜ現実的、これが現実的なんだと。ほかになかったからこれを持ってきたっていうことなのか、ほかにもない、ほかになかったからこれを、この数字を持ってこざるを得なかったというんであればそれは分かるんですが、これが現実的であるということには、理由にはならないんだろうと思いますけど。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど申し上げましたのは、これは、本当にどういう現実に利用可能な数字を持ってくるのが制約の中で最も現実的かということに尽きるわけだと思います。これ、いろんな予測をする場合はそういう制約の中でやらざるを得ないわけでございますけれども、私が申し上げましたのは、幾つかの制約の中では私どもが採用している方法が最も現実に近いと、現実的であるというふうに申し上げたわけでございます。
当面のビジネスモデルとしては、自分で飛行機を持つわけではありませんから、フォワーダー的なビジネスなわけでございますけれども、しかし国内フォワーダーで参考になるような規模、そういう国際物流を持っているものはほかにはございません。そこで、利益率に関してはそのフォワーダーの利益率を持ってきて、そして、これは規模的に考えてこのインテグレーターに匹敵するような活躍をしていただきたいと、それを想定して国際物流への進出を可能にしておりますので、市場におけるシェアは言わばその一種の代替といいますか、それに相当するぴったりのものがありませんのでインテグレーターのものを用いたと、それが最も制約のある中で現実に近いのではないかというふうに考えたわけでございます。
○藤本祐司君 要するに、この新規事業というのは全く絵にかいたもちを数字に表したんですよということを言っているにすぎないわけでありまして、こんなものは信用しないでくださいということを大臣が暗に言っているようにしか思えないわけなんですけれども、これ、信用しようがないじゃないですか。
骨格経営試算だって、そういうことで前提条件非常におかしいし、全然違うものを持ってきてフィージビリティーやっているということ自体がおかしいわけなんで、これ、何でこういうものを出したか全く理解に苦しむんですよ。こういう新規事業を出してきたこの目的が全く分からなくなってしまうんですけれども、すべてこういうこと。
今私は、先ほど言ったように、一番最初に国際展開があるから国際展開というのを取り出して今質問しているんですが、これ全部やっていったら多分全部同じ結果になるんじゃないかなというふうに思いますね。こんないい加減なものを出して、さあ、これで今回郵政民営化すれば、これだけ事業が増えて良くなりますよと言っているのはおかしいわけですよね。これはランニングコストも五%。多分、ランニングコストですね、利益率。これ、投資の回収がないわけですよね。投資回収も含めてなんですか、これ。
そうすると、じゃ、どれだけの投資をするものなんでしょうか。要するに、インテグレーターとフォワーダーはもう全く別物だということは大臣お認めになったんですけれども、認めているんであれば、投資も全然違うわけですよね、投資の中身が違うわけですから。その中身は、じゃ、どういうものを想定されてこういうものを持ってきているわけなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、基本的な考え方について、どうしてこういうものを出すのかという御指摘がございましたけれども、これ、骨格経営試算と採算性に関する試算というのはその目的も少し異なっているわけでございます。
骨格経営試算は、民営化会社の経営が成り立つかというのを検討する材料として試算したものでございまして、これは新規の業務を織り込まない点でも保守的なものになっている、できるだけ保守的に見るというのが一つのスタンスでございます。一方、採算性に関する試算は、新規事業として様々な事業を行った場合の可能性を示すということでございますので、基本的には甘くならないように、保守的な前提を設けることとしつつも、民営化会社の潜在力、可能性をお示しする観点から事業の内容に応じて市場の成長を織り込む、これはデータとしては制約がありますけれども、その中で可能性を示すためにそのような試算を行っているわけであります。
二つ目の初期投資に対するお尋ねでありますけれども、これは採算性に関する試算というのはそもそもどういうものかといいますと、業務が相応に軌道に乗ってきた段階の年度利益ですね、業務が相応に段階に乗ってきたときの年度利益を試算しておりますので、これは国際展開の試算におきましては初期投資は具体的には試算をしておりません。
ただし、国際展開の試算においては、想定される売上げに利益率を乗じる形になっておりますので、これは利益率の中には、国内の大手フォワーダーの利益率にこれは準拠しているわけでございますから、この国内大手フォワーダーの利益率の中には過年度の投資に伴う償却、減価償却というものは、これは当然見込まれているわけであります。その意味では、この試算における利益率というのは、業務が相応に軌道に乗ってきた段階での過年度の減価償却、初期投資に基づく減価償却を利益率を含む利益率に基づいて試算をしたものというふうに言えるわけでございます。
○藤本祐司君 いや、だから何度も繰り返していますけれども、費用の方はフォワーダーがやっているんだったら、フォワーダーの投資コスト、投資を見ているということなんですね。そうしたら、そんなことやったら国際展開なんかできるわけないじゃないですか。航空会社に依頼をして荷物を載っけてもらっているわけだから、全然投資の中身が違うわけですよ。だけど、中身が違うんだけれども、フォワーダーの投資の中身を見て利益率を見ましょうねというふうに言っていて、でも売上げはインテグレーターですよって、これ、だれが考えても分からない、おかしいんですよ。
だから、おかしくないというふうに言うのがおかしいですよ、大臣ね、ちょっと気を確かに持っていただきたいと思うんですけれども。これ、絶対おかしいわけですが、多分おかしいと思っていらっしゃっておかしくないとお答えになっているんだろうというふうに思いますけれども。
とにかく、こういうFSをやるときには前提は全部そろえないと絶対おかしいわけ。だから、これは急いでやりましたなのかどうか知りませんけれども、きちっとしたものをちゃんとやんなきゃ、出して、我々に見せていただかないと、これ単なるうそを数字として表しているということを大っぴらにしているだけにしかすぎないわけなんですけれどもね。
そこのところの説明がやはり先ほどからの答弁だと全く理解できませんので、納得できるような根拠。だから、これ、私が何度も言っているのは、根拠を示す、前提を示すだけじゃなくて、その根拠となるバックデータとか、定性的なものでも構わないんですけれども、そういうものを示してくださいねと言っていたのが一週間たっても結局出てこないから、こういう質問をせざるを得ないんです。(発言する者あり)だから、恐らく多分何にもないんだと思うんですよ、これ、物によってはね。
だから、この辺についてきちっと資料を請求をして、バックデータも全部、加工しなくて結構なんですよ。原典に当たった……(発言する者あり)いわゆる……
○委員長(陣内孝雄君) ちょっと速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
○藤本祐司君 それでは、私の時間はあと二分というちょっと中途半端な時間ですので留保いたしますけれども、きちっと資料は出していただきたいというふうに思います。お願いいたします。
ありがとうございました。
○国務大臣(竹中平蔵君) 前回も答弁で、お出しできるものをしっかり出すというふうに申し上げて、事務方も誠意を持って対応したとは思うんですが、結果的に委員に御迷惑をお掛けいたしたということであれば、おわびを申し上げます。
我々としては、これはもう出せるものは当然出して、御審議をいただきたいと思っております。中には、例えば公社から内部の数字としてヒアリングで聞いたものもあるかもしれませんが、そういうものを除きましては、御指定いただいたものはすべてお出しをしますので、これは是非しっかりと我々も対応いたしたいと思います。
2005年08月01日
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