165-参-国土交通委員会-2号 平成18年10月26日
○藤本祐司君 おはようございます。民主党・新緑風会の藤本でございます。
国土交通委員会は私は初めてでございまして、今までずっと総務委員会の方だったんですが、二年ほど、会場が変わったりしますと、立ち位置が変わると何か随分雰囲気違うなという思いがございまして、ちょっとある意味、いい意味でちょっと緊張もしておるわけなんですが。
国土交通の分野というのは御承知のとおり大変広い分野でございまして、元々、建設、運輸、国土庁、北海道開発庁など、こういったところが一緒になっているという意味で、非常に広い分野だという意味で大変だなという思いもあるんですが、今の世の中、大分価値観が多様化したり、ライフスタイルも変化もしてきているし、社会構造がいろいろ複雑化している中で、昔だったら道路は道路、港湾は港湾ということで、割とその中である程度の議論ができたんだろうと思いますが、最近はもうその辺複雑化していますので、全部横のつながりが非常に強くなってきているので、私なんかもいろいろ施策とかレクをお願いしたりする場合も、恐らく道路の問題を道路局だけでお聞きしても解決が付かないような問題とか出てくるんじゃないかなというふうに思っておりまして、大臣におかれましては、この総合的にすべてをというのは大変、非常に幅広い分野で総合的な専門性を持つというのはなかなか大変なんだろうなというふうに思っておりますが、是非ともよろしく頑張っていただければというふうに思います。
それでまた、大臣におかれましては、国土交通大臣という名前の横に観光立国担当大臣という、きっと観光をこれから推進していこうという、そういう意思が感じられるネーミングになっているわけでございますので、今日も観光について重点的にお聞きしようというふうには思っておりますが、その前に、この前の大臣の発言ですね、いわゆる所信といいますか、それに対しまして、少し別の分野につきましても、私もまだ不勉強で分からない点が幾つかあるものですから、お聞きしたいというふうに思っております。
この前の、二十四日の大臣発言の中で、主に第二というところと第三、つまり第二というのは、国際競争力の強化という点での物流の面と観光、いわゆる人の流れといいますか交流、人流といいますか、その分野についての部分と、あとは、第三というのは都市再生、地域再生、これは非常に連関しているところだと思いますが、この部分について少し不明確な点とか、抽象的でちょっと私としては理解が、いろんな理解ができそうだなというようなところにつきまして、ちょっと確認も含めましてお聞きしたいと思いますが。
まず、この第二というところで、我が国の成長戦略の基本となる国際競争力の強化については、アジア地域の経済の一体化を踏まえ云々、で、アジア・ゲートウエーとなる港湾、空港、アクセス道路、鉄道網などという表現があったんですが、このアジア地域の経済の一体化を踏まえという、これが前提になっていると思いますが、このアジア地域の経済の一体化というのはどういうことをおっしゃっているのか、ちょっとそこの辺り、私なりの解釈はあるんですが、それと違ったらいけないと思いまして、まずちょっと前提でお聞きしたいと思います。お願いします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 近年、中国を始めとした東アジア地域は、生産拠点あるいは消費市場として急速な経済発展を遂げております。一方、我が国は少子高齢化というものが進んでおりまして、人口減少社会というものが始まっているわけでございます。こういうことが今後も、いろいろ改善努力はいたしますが、続いていくということを考えますと、消費というものも人口の減少に伴って縮小するわけですし、生産というものも縮小するわけでございます。
そういう意味で経済成長戦略大綱というものを閣議決定いたしましたが、その中に、いわゆるアジアとの一体ということが一つのキーワードになるわけでございます。日本の生産人口が縮小する、そういうものを水平分担するためにアジアの地域で生産をしていただく、そしてまた消費も、人口が減るわけでございますが、何といっても大陸には十二億、十三億という大きな人口を抱えた消費市場も存在するわけであります。したがいまして、そういうものを取り入れた、日本のこの小さな国土だけで考えるんではなしに、この広大な東アジアという地域を踏まえて生産も消費も一体化していけば、日本の人口減少という、あるいは高齢という事態を踏まえましても、なお今後持続的な経済成長を遂げていくことはできるという考え方に立っているわけであります。
そうしますと、四面環海、いつも言うんですけれども、海に囲まれた日本がアジアと一体となるためには、すべての、人も物も金も海を越えてこなければなりません。そういう意味で、アジア・ゲートウエーといいますか、ここをシームレスにつなぐというようなものも、全部海を渡ってくるわけでございまして、貿易の量から考えますと、九九・七%が外洋、外航船舶に頼っているわけです。そうしますと、それが接岸する港湾、国際港湾というものの整備が急がれますし、国際港湾から生産、日本国内の生産拠点とかあるいは消費拠点までの道路のネットワークというものも広げていかなければならない。こういうことを私は考えまして、ここに言うようなアジア経済の一体化を踏まえて、アジアのゲートウエーとなる港湾、空港、アクセス道路、鉄道網などソフト面云々ということを述べたわけでございます。
ちなみに、物流においても、全輸出額に占める東アジア地域の割合はこの二十年で一五・四%から二五・五%、急激に拡大しているわけでございます。また、我が国との関係におきまして、近年、東アジアからの急速な発展に併せまして、我が国最大の貿易相手国は米国を抜いて中国となりまして、また二〇〇五年の我が国の全貿易額に占める東アジアの貿易額の割合はもう四〇%になっております。そういうことを考えますと、先ほど私が述べましたこのアジアとの一体ということが御理解いただけると思うわけでございます。
そういう意味で、港湾とか空港の整備、そして道路網の整備が必要だということを申し上げているわけであります。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
非常に分かりやすい部分だと思いますが、ただ一方で、言葉としてなんですが、まあ言葉じりをとらえるわけではないんですが、経済のソフト化、サービス化に並んで経済のグローバル化という言葉ももう二十年ぐらい前からずっと使われていまして、経済がグローバル化している。つまり、アジアというだけではなくて、もう世界じゅうとのつながりの中で経済が、活動が動いているわけでして、ただそうはいっても、やはり距離的な近接性であるとかそういうところを考えると、アジア経済というか、ブロック的に、アジアブロックといいますか、その中でまた一つのまとまりがあるというような意味合いからアジアが一つだというお話があると思うんですが、ただ、今大臣の御答弁の中で繰り返し言われていたのは、東アジアというお話があったわけなんですけれどもね。
だから、アジアというよりは、むしろその一つのブロック経済というのが、今の現状を考えると、むしろその中の東アジアが一つの経済が一体化しているものであって、アジア全体というところまでまだ至っていないというような感じも今の御答弁からだと解釈もできるのかなというふうには思っておりますが、その辺り、この東アジアというところでもう少しブロックを小さめに考えてもいいんでしょうか。どちらの方がよろしいんでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) アジアでございますが、私は頭の中には韓国、中国というのが物すごく観光立国と連動いたしまして、先ほど中島委員からも御指摘ありましたように、これから三百万人を超える来客を日本にお呼びするためには、やっぱり大口得意先は中国、韓国かなという感じがあるもんですから東アジアという表現になりましたが、そう矮小化することはなく、やはり東南アジア全体を含め、もっと広くはアメリカ、何といってもやっぱり中国に次いでアメリカが大口得意先でございます。
そういうことも考えなきゃいけませんけれども、今アジアとの一体化と言ったときには今申し上げたような趣旨を含んでおりまして、生産拠点を水平に、日本の製品をアジアで作っていただく、あるいは日本で作られた商品をアジアで消費していただくというようなことで日本の経済成長を図っていきたいと、こういうことでございます。
○藤本祐司君 多分、国土交通省の関連でいうと港湾とか空港とかというところがインフラの部分で非常にかかわってくると思うんですが、経済ということになれば、当然国土交通省だけの問題ではなくて、産業政策だとかそういったところとの連携ということが非常に重要になってくる、その中での国際競争力ということになってくるんだろうと思いますが。
ちょっと国際競争力の意味合いなんですが、アジアが一つと、一体になってますよと、アジアの中での生産あるいは消費というところも一つの一体化されているものなんですが、国際競争力に打ちかつというのは、アジアの中での競争になるものなのか、あるいはもうアジア対あるいはほかの地域、ブロックというような意味合いでのここの国際競争力の強化というのを使われているのか、どちらで解釈したらよろしいんでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) これは、やはり全世界を相手の競争が物すごくあるわけでありまして、アメリカを中心とする市場、あるいはEU、ヨーロッパを中心とする市場、そしてまたこのアジア、そういうところの中で激しい競争が行われているわけで、その中で勝ち抜いていくためには、今言ったような、日本は今までと違いまして少子高齢社会というものが物すごく進んでおります。そのままほっておけば、日本の狭い国土の中だけで考えておれば、これはやはり縮小していかざるを得ないことになると思うわけであります。
したがいまして、もちろん労働生産性を上げるとか、いろんな科学技術を振興するとかいうことももちろん一つ大事ではございますけれども、この近隣の諸国と、アジアと一体になって我が国の国際競争力を強める、強力にするということをねらっていかなければならないと思います。
○藤本祐司君 現状では、その物流構造、世界的な物流構造の中のアジアが占める位置付けというのと、もう一つアジアの中、アジアの中での日本の、港湾に限って言えば外貿港湾、外貿のコンテナの取扱貨物量だとか、そういうところから見た場合に、世界の中のアジア、アジアの中の日本の、その物流の中での構造上のポジショニングといいますか、それは今、現状どういうようになっているのか、あるいはそれをどういうふうに展開をしていくことによって国際競争力のある港湾機能といいますかね、そういうものにしていこうと思われているのか、教えてください。
○政府参考人(中尾成邦君) お答えいたします。
アジアの諸国の各港のコンテナ取扱いというのは急激に増加しております。例えば上海港におけるコンテナ取扱量は、一九九四年、百十三万個でございました。それが、十年後の二〇〇四年には千五百万個というふうに約十三倍となっております。非常に目をみはるものがございます。
一方、我が国の港湾の取扱量でございますけれども、十年間で全国で一・五倍となって増大はしております。しかしながら、日本を除くアジア諸国で見ますと、この十年で約五倍というふうに我が国を上回る大きな伸びを示しております。
このような上昇におきまして、アジア域内における我が国港湾のコンテナ取扱いのシェアは減少しておりまして、我が国港湾の相対的地位は低下しております。
○藤本祐司君 恐らく物流量というのが膨大に増えて増加をしてきている中で、相対的にはやっぱりポジションとしては下がっているのかなというふうに思うんですが。
阪神・淡路の大震災があった直後、神戸、大阪の部分が釜山に移ったりとかそういう話があったかと思うんですが、それ以降、特に神戸、大阪、ここの取扱量といいますか、その辺は、今の現状、震災前と今とで比較するとどのぐらいまでカバーをしてきたというか、取り戻されてきているのか、それはシェアにするとどのくらいになっているのか、あるいは量についてどうなっているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中尾成邦君) お答えします。
神戸の例でございますけれども、神戸の例で、一九八〇年、これは震災前、大分前でございますけれども、そのときは百四十五万個扱っておりました。これは世界でいいますと四番目の地位でございました。それが、二〇〇五年でございますけれども、若干伸びておりまして、二百二十万個余りを取り扱っております。しかし、その地位といいますか、ランキングでいきますと三十二位というふうに非常に低下しておるということでございます。
○藤本祐司君 神戸の例をいただきましたが、先ほど、その前の質問で日本の物流における拠点性というのが随分全体としては低くなったというお話なんですが、その辺、何でそうなっているのかという原因というのはどのように分析されているんでしょうか。理由ですよね。
○政府参考人(中尾成邦君) 一つは、日本の港湾、物流コストと、あとサービスの面で若干劣っていたんじゃないかと思っております。
コストという面では、近隣の諸港、釜山とかあるいはカオシュン、高雄、台湾ですね、あそこの港と日本の東京港を比べますと、港湾コストでいきますと一・五倍ほど高いという状況でございました。
それともう一つ、サービスの面。一つの指標でございますけれども、港に滞留する貨物の時間です。時間で計ってみますと、日本の港湾の場合、三日ぐらい掛かっておったと。しかしながら、シンガポールとかアメリカの港を見てみますと一日で済んでおるということがございました。
そのため、いろいろなことをやりまして、できるだけそのような諸外国の港に負けない港を造ろうということで今やっております。
○藤本祐司君 いろんな施策を今の課題を克服するためにやられると思いますけれども、主にどういうところの施策を重点的に考えていらっしゃるのか。港湾機能のレベルアップということになるんだろうと思いますけれども、そこについて、全部とは言いませんが、重点的なものだけお願いします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) シームレスな物流ということを言ったと思うんですが、これは物を輸送する際にいろんな障害が存在いたします、通関とか検査とかいろんな書類の。そういう時間の間、先ほど局長が答弁しましたように港で荷物が滞留するわけですね。そういうものをなくしていこうということが一つです。それは、だから国際、国内の物流がスムーズにつながる、障害をできるだけ少なくしていくということが一つです。
それからもう一つは、陸海空といういろんな各輸送モードがスムーズに連携するということがあります。例えば、韓国の国内を、一つのシャーシと言いますが、その上にコンテナを載せていると。そのシャーシをそのまま船に載せる。そして、日本の港に着いたらそのまま、そのシャーシのまま引っ張って消費地まで持っていく。こういうことにすれば、一度荷物を積み替えるという二回の作業がこれ始末できるわけでございます。大変便利です。
そういう意味で、これはこういうことを進めようということを日韓の間でも今ずっと協議やっているわけで、技術的にできると思うんですが、そういうことが大事だし、それから日本の港へ着いてから消費地までどれぐらい、高速道路がもう渋滞したりするとそれだけでも時間が物すごい取ってしまうわけでございますから、そういう港から拠点までのネットワーク、それをどう合理的に短縮していくかという投資が必要になってくるわけであります。そういうことをシームレスというふうに呼んでいます。
○藤本祐司君 今の御説明で分かりましたが、何で今までそういうことをやってこなかったのかなという方が、逆に言うと、ちょっと逆に私としては不思議に思えてしようがない。ほかのところでやっているところに、それこそ海に囲まれた日本で港湾というのは物すごい重要なところだったのに、そういった基本的なところができてなかった理由というのも逆にお聞きしたいぐらいだなというふうに思いますが、ちょっと時間の関係もありますので、物流についてはこの程度にさせていただいて、その後、第二の地域経済の活性化、我が国のソフトパワー強化の観点から云々の観光立国というところについてお聞きしたいと思います。
国際競争力のある観光地というのを、ここのちょっとイメージがどうも多分共通イメージがわきにくいなというところがあるんですが、これは専らいわゆる国際観光、つまり特にインバウンドの訪日外客、外国人訪問客というんでしょうかね、を意識してのことなんだろうと思いますが、国際競争力のある観光というのはどういうことを言われているんでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) これはやはり日本の文化、伝統、自然、歴史というような魅力、これを世界に知っていただくということが大事だと思います。
日本にはもう二千年を超える歴史がありますし、アメリカが、一七七六年ですかね、独立宣言。そういうことを考えると、日本のドジョウ屋さんが一七七六年に開業しているんですね。それぐらい古い日本の国柄でございますから、そういう魅力は物すごくあると思うんです。それに伴ういろいろな町の催物、お祭りというようなものがあります。自然も、本当に海に囲まれ、そして国土の七割以上が森林に囲まれたところでありますし、そしてまた南北に長い日本の国土というものは四季折々が本当にきれいにその土地柄がありますし、温泉もあります。
そういうことを考えますと、それを、そういうものを、魅力を世界に発信するということ、これが非常に大事だと思います。これは世界に知っていただければ尊敬され、愛される国づくりというものは必ずできるし、それは魅力があると思います。
それからまた、観光地づくりということも知恵と工夫を絞らなければならないと思います。交流人口を増やすためには、魅力のある地方をつくっていかなければならないというふうに思います。地方にはすばらしい食材、あるいはそれに基づく食文化もありますし、そこでしか取れない産物もあるわけでございます。そういうものが魅力ある観光地、魅力あるそういうものをつくっていく、私はそのように思っておりまして、こういうことをよく知っていただく、そのために、例えば今まで昔はたくさんあったんだけれども今はこれが余り意識されないというものを、ルネサンス、もう一度再生するという作業もあると思います。また、そういうものについての取組についての国の支援ということを通じて魅力ある観光地というものをつくっていけると思います。
戦略的な日本ブランドの発信という意味ではいろんな視点がありまして、トップセールスを実施するとか、海外で開催される旅行博への出展をするとか、あるいは海外メディアの招請による我が国の観光魅力の広報宣伝活動を行うとか、海外の旅行会社の招請による訪日旅行商品の造成を支援するとかいうようないろいろな問題があるし、また青少年交流という意味で教育旅行の受入れの促進、あるいはもちろん国際会議、イベントというものを一・五倍やっていこうというような取組もやっているわけでございますし、そういうことを通じて先生御指摘のような魅力ある、観光について魅力というものを発信していけることができるんじゃないかというふうに思っています。
○藤本祐司君 確かに、国の魅力をどう発信するかということが非常に重要なんだろうというふうに思いますが、先ほど中島委員の方からも御指摘ありましたように、インバウンドとアウトバウンドの差が非常に大きいと。日本人の外国へ旅行する人が一千六百万から一千七百万、それに対して、最近増えてきておりますが六百万から七百万人のインバウンドがあって、その差があるということで、その差は大分縮まってはきているものの、まだまだ大きいものであるという認識、現実なんだろうというふうに思いますが、どうしてこういうインバウンドとアウトバウンドの差があったのかと。そこの原因が分かっていないと、その原因を埋めていくというのが恐らく政策、戦略になってくるんだろうと思いますが。
インバウンドというのは、そもそも何を表して、何を表しているかというか、要するにインバウンドの多い国というのはどういう国なのか、あるいはもう一つは、逆にアウトバウンドが多い国というのはどういう国なのか。どういう国がアウトバウンドが多くて、どういう国がインバウンドが多いのか。逆にどういう国が少ないかということにもつながるんですが、その差の原因といいますかね、それぞれの理由というか、そこはどのように認識されているんでしょうか。
○政府参考人(柴田耕介君) 二〇〇五年時点におきまして、いわゆるアウトバウンドでございますが、日本人の海外旅行者数は一千七百四十万人でございます。これに対しまして、訪日外国人旅行者数、インバウンドと申しておりますが、六百七十三万人ということで、この差は一千六十八万というふうになってございます。それで、一九八〇年代前半まではこの差が二百万人台ということでございました。その後二〇〇〇年までの間、バブルの時期も含めまして一千万人という台に拡大したということでございます。
それで、このインバウンドとアウトバウンドという関係でございますが、インバウンドが大変多い国を一つ見ますと、近隣諸国から大変たくさんの方々が来ておられるところが多うございます。例えば、スペインでございますとかフランスでございますとかイタリアでございますとか、そういう感じでございます。また、アウトバウンドが多いところは、やはりどちらかといいますと経済的に豊かなところという感じの印象を持っておりますし、実態的にもそういうふうになっているというふうに思います。
したがいまして、このインバウンドとアウトバウンドの関係というのは、近隣諸国の経済発展とかそういうものというものにかなりの程度影響されている部分がございます。また、円レートといいますか、為替レートの関係というのも影響してまいります。
そういう中で、現在、近隣諸国、中国でございますとか韓国でございますとか、アジア地域、こういったところで大きな発展が見えているところでございますので、そういう意味では、インバウンドを強化するという意味でも絶好のチャンスではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。
○藤本祐司君 ちょっと質問するつもりなかったんですけれども、今のことでちょっとお聞きしたいんですが、イタリア、スペイン、フランスが多いなという話、まあ地続きだということもあるんだろうと思いますが、そうすると、はあ、なるほどなというふうに思うんですが、じゃドイツは何で逆になっているんでしょうか。
○政府参考人(柴田耕介君) これはちょっと国民特性というふうに、私なんかはヨーロッパに住んでいたこともございましてありまして、ドイツの方は大変旅行が好きでございまして、ヨーロッパに行かれると、本当にトレーラーを引っ張ってヨーロッパじゅうを旅行しておられます。そういう方々がアジアにも来られているということで、若干そういう部分もあるのかなというふうには思っておりますが、それだけで分析が足りているかどうかについては、ちょっと私も自信がございません。申し訳ございません。
○藤本祐司君 じゃ、スペインは余り好きじゃないのかなという気もしますけれども、そういう意味でいきますと。
為替レートの話がありましたが、逆に、じゃ日本の円の問題ということを多分言われたいのかなというふうに思いますけれども、スイス、スイス・フランで非常に強かった。スイスは非常に物価が高い。だけども、非常にインバウンドのお客様が多いというのはどういう説明ができますでしょうか。
○政府参考人(柴田耕介君) いわゆるマーケットの、何といいますか、状況だけではなくて、そこにいかにして魅力ある、まさしく国際競争力のある観光地づくりをするか、魅力ある観光地づくりをするかということが影響しておりまして、安いばかりがいいわけではないというふうに思います。いわゆる割安感といいますか、そのお金に、金額に見合った魅力をいかに提供できるかということも一つの大きな要素でございます。
そういう意味で、私ども、ビジット・ジャパン・キャンペーンと併せまして、観光立国推進という中で、国際競争力のある、魅力のある観光地を、もちろんこれは外国の方だけではなくて日本の方々が楽しんでいただけるという意味でも国際競争力のある観光地というのをつくっていかなくてはいけないと、こういうふうに考えておりまして、その面につきましても私どもとして鋭意努力をしている次第でございます。
○藤本祐司君 そのとおりだと思います。やはり魅力あるものをどうつくっていくのかということで、スイスなどはなかなかほかの周りにも体験できないような何かがあるということなんだろうと思いますので、そういう意味で日本も、国際競争力って、魅力魅力というふうに言われているんですが、恐らくほかの国、例えば中国をターゲットとしている、韓国をターゲットとするのであれば、韓国や中国と違ったものが日本にあるということがやはり一番重要なんだろうなというふうに思いますし、先ほど歴史は二千年というふうに言われましたが、木の文化と石の文化の違いはありますので、二千年前の建物が残っているという、町が残っているというのはなかなか日本の場合難しいわけなんですが、ただ、それ以外の文化とか伝統というのが非常に日本の場合は残してあるところもあるし、もうスクラップ・アンド・ビルドで全部ぶっ壊してしまったところもあるし、その辺りの差というのが魅力というところに影響してくるんだろうなというふうに思いますので、まず魅力のないところには、幾ら来てください来てくださいと言ったところで、人が来ないというふうに私は思っております。例えば、自分が家を新築したとしても、みんなに褒めてもらえるような家でなかったらば、来てくださいとはまず言わないし、行っても何だと思ってまた二度とは来てくれないという。
先ほどリピーターというお話がありましたので、正に観光地をどう魅力付けをしていくのかというのが最も重要なことだというふうに私は思っておりますが、ただ、このビジット・ジャパン・キャンペーンについて言えば、一千万人という数字の目標値だけをまず見てしまって、一千万人さえ来ればいいのかということにとらわれやすいちょっと表現ぶりになっている部分があるので、ちょっとそこのところは気を付けていかないといけないかなというふうには思っております。
この前の大臣の発言の中で、第二にというところの我が国のソフトパワー強化の観点から、観光立国を推進しという表現がありますが、このソフトパワーの強化ということと観光立国というのをどう読み替えればいいのかなと。要するに、ソフトパワーをどう観光と結び付けていいのかなと私なりに勝手に解釈をすると、地域の魅力向上という点から、地域の魅力向上の観点から観光立国を推進しと読み替えていいのかどうか、ちょっとそこ、いわゆるソフトパワー強化というところと観光立国との関連性というのを、ちょっと魅力ということと多分合わせて私は考えてしまったんですが、そこの解釈をちょっと教えていただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) このソフトパワーという、ハードの部分とソフトの部分があるわけですが、ハードの部分につきましては、その地域がそのまちづくり、きれいなまちづくりをするために我々の方も、国としてもそれを支援していくとか、あるいは地方自治体ですね、公共団体がそういうものをやる場合にも、こういうものについていろいろな、我々の方からソフトの面でこういうふうにしたらいいんじゃないかということを助言をできるというような面があると思います。
それともう一つは、具体的には、国や地域によって差はもちろんありますけれども、団体旅行から個人の旅行へ移行する、旅行市場の変化というものが見られるわけです。成熟してきますと、最初は団体ですけれども、そのうちにもう一度あそこをもっともっと詳しく見たいとか、自分たち夫婦だけで例えば車で行ってみたいというような人たちが出てきつつあるわけです。例えば、台湾地域の人たちはそういうもうニーズに変わりつつあります。そういうものに的確に対応した事業展開をしていくというソフト。あるいはリピーターですね、もう一度行ってやろうという人を目的とした新たな観光魅力の発信をする。あるいは本年七月に開催をいたしました日中韓観光大臣会合というものが北海道で行われました。前大臣の北側さんのときでございますけれども、日中韓三国で共同の観光交流拡大をやろうではないかというような取組が合意をされました。
それから、国際会議、国際文化、スポーツイベント、そういうものを誘致する、それを通じてビジネス訪日旅行というものが促進されることになります。ですから、新たな訪日旅行需要というものを創出し、また拡大し、そしてこれの目標を立てて達成をしていくというソフトの面、それから、そこへ来ていただく魅力をつくるハードの面、両方が必要だと思っております。
○藤本祐司君 ここのところでビジット・ジャパン・キャンペーンの強化、高度化というお話があるわけなんですけれども、ビジット・ジャパン・キャンペーンそもそもの目的、まあ幾つか、三つほどあったかと思うんですが、このビジット・ジャパン・キャンペーンの目的というのは、ただ単に数を増やすということだけなのか、あるいは何かもっと奥深い目的があったのかというふうに私は思っているんですが、この目的についてお聞きできますでしょうか。
○政府参考人(柴田耕介君) ビジット・ジャパン・キャンペーンを展開する前の段階で、観光立国懇談会というのを開催させていただきまして、その中でのキーワード、一言で申し上げますと、「住んでよし、訪れてよしの国づくり」ということでございまして、このビジット・ジャパン・キャンペーンで外国から来ていただくということで、いわゆる広告宣伝的なものがございますが、それだけではなくて、日本の魅力をいかにつくり上げ、それを海外に発信するかということ、そして住んでいる我々日本人が、ここは大変いいところだと、是非外国の方にも来ていただきたい、周辺の地域の方、それから国内の方にも来ていただきたい、こういうことが基本でございまして、それを踏まえまして、ビジット・ジャパン・キャンペーンというのは、対外的に活動している部分をビジット・ジャパン・キャンペーンというふうに呼んでございます。
したがいまして、トータルとしては観光立国の推進というのが考え方でございまして、その考え方の基本は「住んでよし、訪れてよしの国づくり」というふうに考えてございます。
○藤本祐司君 もうちょっと具体的に教えていただきたいんですが、日本をいいなと思ってもらうということでしょうか。ただそれだけですか。経済効果というのを当然ねらっているんだろうと思うんですが、ビジット・ジャパン・キャンペーン、もうちょっとかみ砕いた目的をお願いします。
○政府参考人(柴田耕介君) もちろん、経済効果ということ、そして人的交流の拡大を通じた地域の活性化と、こういうのを考えてございます。ただ、数値目標として設定いたしておりますのは海外からの訪日旅行者一千万人ということでございまして、それ以外については特に数値目標というのは今までは設定をしておりませんでした。
ただ、今回、国際会議、これの誘致件数を五年間で五割増にしようというような数値目標というのを立ててきておりまして、こういう形で具体的な数値目標を立てていろいろ取り組んでいくということも大変な重要なことではあろうかと。特に官民、そして国、地方が連携して事業を推進する上ではこういう数値目標を立てるということも重要だというふうに思ってございますが、今のところ数値目標として持っているのはそういうところ。それから、先ほど大臣から申し上げましたが、学校交流の関係で数値目標を設定しているというのがございます。
○藤本祐司君 一般的に言うと、国際観光の目的というのは、相互交流であったり相互理解であったり、あるいは経済効果であったり、あるいは外から人を呼んでくるという意味では、国際観光に限らず、観光というのは地域の活性化、地方の活性化という、この辺りが目標、目的になってくるんだろうというふうには私は理解しておったんですけれども、恐らく今の回答の中にはそういう意味を含めてと、取りあえず今の段階では理解をしておきますけれども。
経済効果ということもやはり重要なポイントなんでしょうね、これからの経済活動ということで考えると。観光産業というんですか、観光という、関連産業含めてなんですが、の中で国際観光というのは大体どのぐらいのパーセントというのか、金額でもいいんですけれども、を占めているものなんでしょう、現状で。
○政府参考人(柴田耕介君) 観光産業は、旅行業や宿泊業のほか、運輸業や土産品を含む物品販売業など、大変幅広い、すそ野の広い産業でございます。
この観光産業の規模につきましては、従来より旅行・観光消費動向調査に基づきまして旅行消費額を推定しておりまして、平成十六年度で二十四・五兆円というふうになっております。また、波及効果を含めましたGDPベースでの効果は二十九・七兆円ということでございまして、我が国のGDPの五・九%を占めてございます。
それで、国内の、先ほど申し上げました旅行消費額のうち訪日外国人旅行の関係でございますが、これは一・六兆円、トータルが先ほど申し上げました二十四・五兆円でございますが、訪日外国人の金額は一・六兆円ということでございます。
○藤本祐司君 二十四・五兆円のうちの一・六兆円というと、まだまだ規模としては非常に小さいものだと、シェアとして、割合としては非常に小さいものなのかなというふうに思いますが。
この観光というのは、御承知のとおり人手の産業ですので、多分雇用機会の創出というのが更にこれ含まれてくるというのかなというふうに思いますが、この二十五兆円というのは、ほかの産業で考えると、例えば自動車産業が何兆円でというか、どのぐらいに匹敵するものなんでしょうかね。
○政府参考人(柴田耕介君) 食料品産業というのがこの二十四・五兆円に大体匹敵するものでございまして、輸送用機械、自動車を含むものでございますが、これの若干、これよりは少ないという感じでございます。
具体的な数字をちょっと持っておりませんが、イメージとして申し上げますと、自動車産業を含む輸送用機械、これよりは小さくて、いわゆる食料品産業よりは大きいと、こういうふうに御理解いただければと思います。
○藤本祐司君 分かりました。ありがとうございます。
恐らく経済効果だけを考えていけば、一千万人ということだけではなくて、やはりある程度消費をしてくださる方々に来ていただくということも必要なんだろうというふうに思いますが、ちょっと現場とかいろんなところに聞いてみますと、かなり数が来ても、来ても来てももうからないというような話もあるぐらいで、やはりコストの面も考えていかないといけないのかなというふうに思うんですが。要するに、インバウンドが増えたといっても、そのコストの関連で結構マイナスになっているところがあったりするというふうに思っておりますが、国交省としてその辺りの問題点というのはどうとらえていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(柴田耕介君) マーケットに応じまして、大変富裕層が旅行していただいている国もございますれば、まだ安いというか、安いツアーを利用している方。これ若干意外な感があるんでございますが、最近はアニメとか漫画とか、こういうものに対する関心を持っておられる欧米の方もおられまして、極端な例は、飛行機で来て降りて、成田から秋葉原に行って物を買って、そのまま帰ってしまう、泊まらないで帰ってしまうというようなツアーもあるように聞いております。
逆に、中国なんかはまだまだ消費額なんかも少ないんではないかというお話を一部で聞きますし、そういうのも実態としては多うございますが、大変たくさんの買物をされる。今、日本で一番お土産を買って帰られる金額の多いのは中国の方だという話もございまして、マーケットの発展状況とか、そういうことによっていろいろ変化はございます。ただ、例えば中国のマーケットについては、全般的な感じから見ますと、宿泊施設とかそういうものはどちらかというと安いものをお好みであると、そういうような状況があろうかというふうに考えてございます。
○藤本祐司君 この間、事前に少しレクをしてお聞きしたんですが、このビジット・ジャパン・キャンペーンの目的というか、これ観光全体の目的の一つなんだと思いますけれども、地方の活性化、地域活性化ということがあるんだろうと思いますし、またビジット・ジャパン・キャンペーン自体もそれが一つの目的になっているというふうに私は承知しておるんですけれども、実際にこれがどの程度地域の活性化、地方の活性化ですね。比較的、私どもが二十年前、三十年前のことを考えれば、今の中国、韓国、台湾が今の旅行のニーズというのはそれに近いものがあるのかなというふうに思うんですが、比較的有名どころといいますか、例えば日本でいえば東京とか京都とか奈良とか、割とそういうところとか、場所によっては台湾が北海道に行くとか東北に行くとか、あるいは韓国が九州でゴルフやるとか、いろいろのパターンはあるんだろうと思いますが。全般としてやはり東京の訪問が多いとか、京都とか、そういう有名なところが多いとなると、もっともっとせっかくいい資源があっても、なかなか売れない地方の都市とか地方の農村部とか、そういうところまで多分、まだ国際観光の面ではそこまでは多分いってないんじゃないかなというふうに思っているんですが。
これ本当に地方の活性化に役立っているのか、あるいは将来的には役立つということで今それを種をまいているという考え方を持っているのか、ちょっとその地方活性化という点でお聞きしたいと思うんですが。
○政府参考人(柴田耕介君) 先生からも具体的な地域の名前がございましたが、全般的な私どもの見方といたしまして、各都道府県、各市町村等々の首長さん等々とお会いしますと、この観光立国の推進ということで大変地域が活性化しているというお話を耳にする機会が大変多うございます。
そういう意味で、まだまだ十分にあらゆる地域というわけにはいきません。しかしながら、頑張っている地域についてはそれなりの成果を上げて地域活性化に大いに貢献しているものと、こういうふうに見ている次第でございます。
○藤本祐司君 分かりました。これからの話だろうというふうに思いますが。
冬柴大臣のこの発言の中で、ビジット・ジャパン・キャンペーンの強化、高度化という言葉があるんですよね。これ強化と、ちょっと別に揚げ足取るわけじゃないんですけれども、強化、高度化って何か使い分けをされているんですか。強化というのと高度化というのはどう違うものかなという、どちらでもいいのかなと思ったんですけれども、何か意図があるのであれば教えていただきたい。別に意図がなくて気分で書いたというんであれば、それはそれで構わないんですけれども。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 特段立て分ける意味はありませんが、感じを受け取っていただければ有り難いと思います。
○藤本祐司君 分かりました。
それで、ここのところで、先ほど来からも国際会議の誘致というのをしきりにおっしゃっていて、五割増しだという話があるんですが、これなぜ国際会議というのを、国際会議という定義が多分あるんだろうと思うんですが、もうちょっと広い意味での国際コンベンションだとか、そういうことではないという何かそこの理由があるのか、もしあれば教えていただきたいなと思うんですが。
○政府参考人(柴田耕介君) 私ども、ビジット・ジャパン・キャンペーンをやる中で、一般の旅行客以外にビジネス客を含めた外国人旅行者の誘致を図るというのが大変重要だなということで、今年の三月から検討会を設けまして、関係省庁それから関係団体を集めまして議論を進めてまいりました。この十月十三日に連絡協議会というのを設けて、これを強力に推進していこうというふうにしております。
その中には、国際会議だけではなくて、国際的にはMICEという言葉がございます。ミーティング、インセンティブツアー、そしてCがコンベンション、コングレス、そしてエキシビションと、展示会ですね、こういうものを含んだ概念でございますが、こういうものを強化していくべきだというふうに考えてございますが、数値目標で国際比較が簡単にできるのが大規模な国際会議ということでございまして、そういう意味でその代表的なものとして国際会議というのを言っているわけでございまして、私どもとしては、先ほど先生がおっしゃったようなことも含めまして幅広く取組を進めていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
○藤本祐司君 分かりました。国際会議等ということになるんでしょうね、そういう意味ではね。多分、メッセとかインセンティブツアーとか、そういうものも含めたりという、スポーツイベントとか文化イベントとか、それなんかも全部入ってくるかなと思いますが、国際観光についてまだまだ聞きたいんですが、ひとつ最後にします。
都市再生、地域再生の方もいらっしゃっていただいて準備をされていると思いますので、最後にひとつお聞きしたいんですが、物事には光と影がありまして、外国人訪問客をただたくさん来ればいいという、必ずしもメリットだけではないと、デメリットというのも、必ずそこには課題、問題点というのが出てくるんだろうと思いますが。
最近ここ、四百万人ぐらいから、ここ数年間で五百、六百、七百万人に近くなって、まあ今年は恐らく、去年の愛知博があったんで去年がピークで、今年落ちなきゃいいなと思っていたんで、まあ比較的順調な伸びをされているようでして七百万を超え、このまま行けば七百万を超えるという状況なようですが、外国人訪問客が増加することでやはり新たな問題点というのも発生するんじゃないかと、あるいはもう既に発生しているんではないかなというふうに思うんですが、そこに関してどういう課題が発生して、それに対してどういう対応をお考えになっているのか、大臣の御所見いただきたいと思いますが。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 正にお説のとおりでございまして、地域の活性化に寄与するという面はもちろんあるわけですけれども、例えばごみの問題というようなものを一つとらえますと、そういう面でのマイナスがあることはもう確かでございます。しかし、そういうようなものを解消を図りながら観光振興を進めるということが重要だというふうな認識でいるわけであります。
例えば、世界遺産登録されている屋久島でございますが、そういうところの山岳地域利用の課題の一つとして、登山者というのか来訪者のし尿の処理ということが非常な重要な問題になっております。これについては、観光協会が中心となりまして、屋久島の山岳トイレにおいて、人力、背中に背負ってし尿を試験的に外へ排出して、自然を壊さないようにするという努力がされているわけでございます。
これは、人が来れば、当然の生理現象でございますから、そういうことにも取り組んでいかなきゃならない。こういう振興策を百取りまとめまして、そして全国の他の地域にも広めるために、インターネットで広くそういう内容、努力の内容とかその負の面をどう克服していったかというような、そういうものを公表しているところでございます。
和歌山県の田辺市では、世界遺産観光の負の部分を解消して熊野古道というものを美しくしようということで、地元のボランティアが熊野川流域に植栽をする、木を植えるとか、あるいは景観整備にいろんな面で努めるというようなこと、マイナス面を取り除くとともにプラスの面を付け加えて、歴史的、文化的遺産の保存や維持に向けて積極的に取り組んでいこうというものについてもこれは支援していかなきゃいけないというふうに思っています。
引き続き、観光が地域に与えるおそれのある環境への負荷、マイナス面ですね、適切に配慮しながら、観光ルネサンス、地域の再生ということの事業の一層の活用を図るとともに、市町村によるまちづくり交付金というのがあります、こういうものを利用、活用しながら、関係省庁とも連携しつつ、地域の活性化というものを目指して、官民一体となって、魅力のある観光づくり、そしてその負の部分の処理、こういうことを併せてやっていきたい、このように考えております。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
そろそろ、今の世界遺産のお話もありましたし、今、望月副大臣もいらっしゃいますが、富士山、私も静岡県でございます、その富士山の問題も、ごみの問題とかし尿処理の問題とかもういろいろあろうかと思いまして、なかなか難しい問題が多いなというふうには思っておりますが、そろそろ、人をただ単にたくさん呼んでくるということだけではなくて、エコツーリズムなんかに代表されるように、ある程度これは規制を掛けていくという部分というのも、本来の質の高い観光地づくり、あるいは質の高い観光行動といいますか、そういうものをやるためには必要なんじゃないかなと、そういう時期がそろそろ来ているんではないかなというふうに思っています。
車の乗り入れ規制なんかも、あえてやってしまった方がかえって、こういう言い方してはいけないのかもしれない、人は減ったけれどもごみも減ってコストパフォーマンスは高くなったというような例もあるわけですので、そこは我慢してでもそういう規制をしていく、景観もやっぱり規制をしていく、そういうごみの問題もそう、落書きの問題もいろいろあろうかと思います。その辺りをトータルに規制をしていくというのが、国際観光に限らず、国内の観光についても必要な時期に来ているんではないかなというふうに私は思っております。
ちょっと時間が足りなくなってしまいましたが、先ほどまちづくり交付金のお話なんかもありますので、ちょっと地域再生とか都市再生の方に、これは非常に観光とも関連することですので移りたいなというふうに思いますが。
都市再生とか地域再生の中で、先ほど来から、安倍総理なんかも何度も言っていますが、頑張る地域を応援するんだという話がありますが、頑張る地域と頑張らない地域はどう分けるんでしょうか。どこで評価をして決めていくのか、その辺の評価基準を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 国土形成計画ということで、今までの全総というものに代えて、日本の国全体をどういうふうにしていくのかという考え方で、本州、四国、九州を八つのブロックに分けて、そのブロックごとに自主的に、その歴史や伝統、自然や人の考え方、あるいは地域の特性等を踏まえたそういうものをまずそちらで作ってもらおうと。そして、その中で頑張ってここを、ここを重点的にやりたいというものを出していただいて、そういうものについて我々が、国が一方的に評価をして、そして箇所付けをするというようなことではなしに、そういうものをまず出していただいたその中で、ここを、ここをこういうふうにしてやるんだと。我々もそれが評価できる部分について本当に力を入れて、そこの、それが観光地であったり、あるいは外国と直接連携をしてそこの発展に資していきたいというところもありましょう。そういうことの考え方で進めたいと思っております。
○藤本祐司君 そうですね。済みません、ちょっとあと二問ほどで終わりにしますが。
都市再生の推進ということで、都市再生といっても全国の都市全部を言っていますので三大都市圏だけではないというふうに解釈をして申し上げたいんですが、その説明をいただいたんですが、その中に、都市再生というのは二十世紀の負の遺産の解消であるということと、二十一世紀の新しい都市創造という説明がありました。ここについてちょっと最後お聞きして終わりにしたいと思いますが、二十世紀の負の遺産というのは何だったのかと、また負の遺産を作ってしまった原因というのは何だったのかということをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 地震に危険な市街地が存在していることはもう周知のところでございますし、慢性的な交通渋滞が起こっているということも事実でございます。また、交通事故というものでたくさんの方が亡くなり傷付くということもあります。それからまた、都市生活に過重な負担を強いているという、そういうような、都市に住む人にですね、高い家賃とか子供が産みにくいとか、いろんなものがあります。そういうものを二十世紀の負の遺産というふうに考えた場合に、これは緊急に解消していかなきゃならないと、このように思うわけであります。
安心して暮らせる安全なまちづくりということが、これはもう総理がおっしゃる「美しい国、日本」を形成するために非常に大事でございますので、そのような二十世紀の残した負の遺産、これは、急激に経済が発展したと。あの六十年前に、さきの戦争で灰じんに帰したこの国を、我々の父や母の世代に本当にがむしゃらに働いて、世界第二位、いっときは個人、国民一人当たりGDPは米国を抜いて一位になった瞬間もありますが、それほど発展したということの裏に、この東京という都市に、狭い地域にあらゆる、人口もそうですけれども、政治も経済も金融も文化までも過度に集中したというようなことが、この首都圏における過密、そして地方の過疎というようなことを生んで、非常にそれがやはり大きな問題を生じているんではないかと思います。
私は、今御指摘の二十世紀の負の遺産ということになれば、そういうことが挙げられるんではないかと思います。そういうものを脱却して、もう一度日本をよみがえらせるというのが大切な政治の視点だろうと思っております。
○藤本祐司君 ありがとうございました。
今のその負の遺産というのも結構放置していた部分があって、だれがどういう責任があるのかなという部分を思いながらも、先ほど港湾の話も、もっと早く手を打てた部分もあったのかなというふうに思っておりますが、そうはいっても前へ進まないといけないということで、それは、必要なものは必要なように整備をしていく、機能アップしていくということが必要なんだろうと思います。
観光の点で今日はちょっと重点的にお聞きしましたけれども、観光も、住んでよし、訪れてよしと言いますが、まずはやっぱり住んでいる方々が、うちがいいところだぞと、ここに是非来てくださいと言えるような町をつくっていかないと、ただ単に来てくださいと言ってもやはり来てもらえないし、来ても一回こっきりでリピーターが付かないということになろうかと思いますので、まず基本は、今の過密な都市というお話もありましたし、里山とか農村とかいろんないいものがあるわけですので、そこに住んでいる人たちが誇りを持つ、そういう町をつくるというのがまず第一、重要であって、その結果としていろんな方に来ていただいて喜んでいただくという、そういうのが理想的な姿なんだろうというふうに思っております。
これは国土交通全般の行政に関する仕事、全般そうだと思っておりますので、そういうことでこれからもまた理解を深めるための議論をさせていただければというふうに思います。
どうもありがとうございました。
2006年10月26日
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