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2006年12月06日

教育特静岡公聴会

165-参-教育基本法に関する特別…-9号 平成18年12月07日

○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。

 今日は本当に急な要請にもかかわりませずこのようにお集まりいただきましたこと、まず感謝をしたいと思います。ありがとうございます。

 一つ宣伝といいますか、もあるんですが、今回の教育基本法の改正というのは政府案だけではございませんで、民主党も案を出しておりますので、ちょっとそこの辺り、民主党案そして政府案、その違う面も含めまして幾つかお聞きしたいなというふうに思っております。

 今日は教育基本法に関することでございますが、いろんな教育については幅広い御意見をいただきたいところではございますが、まずはその法案につきましての質問を中心にやらせていただきたいと思います。

 まず、皆さんには態度を明らかにしていただいております。岡本公述人は教育基本法の改正案に賛成だということを冒頭おっしゃっていただきましたが、これは政府案に賛成だということであって、民主党案には賛成ではないと、そういう感じ、それはどういうふうに解釈したらよろしいんでしょうか。



○公述人(岡本肇君) これ、残念ながら、私もこの民主党案というのは一度新聞に掲載されたのを見て、それだけで、民主党がいわゆる国を愛する心ということをうたっていて、自民党の方がこっちの方がいいじゃないかと言う方もいたというぐらいのところを認識しているところで、大変申し訳ないんですけれども、多分これで、国会で通っていくのはこちらの改正案の方だろうということで改正案の方を見ておりました。

 実はこのお話があって、インターネットでこのニホン国教育基本法案というんですか、これも見せていただきましたけれども、私としては特に抵抗はありません、この内容について。

 以上です。



○藤本祐司君 まあ我々のPR不足だったのか、あるいはタウンミーティング等々でやるのはやはり政府広報ですから、あれは。そちらの方がどうしても報道においても圧倒的に多くなるというところの差もあるのかなと思いますが。ニホン国ではなくて、これニッポン国教育基本法でございますので、一応そのことだけ申し上げておきたいと思います。

 それで、じゃ一点だけ、岡本公述人、先ほど幼児教育とか家庭教育とか、そういう項目が、条項が入ったことに関しては非常にいいことであると。これは我々の方も入ってございます。

 具体的に言いますと、民主党案の第六条と政府案の第十一条に幼児教育の項目を入れておるんですけれども、一つだけ特徴の違いがございまして、我々民主党案の方は少子化ということをやはり意識をしてございまして、単に幼児教育が大事だよということ以上に、それはもっともっと幼児教育をしやすい環境をつくるんだということで、第二項の方に「幼児期の子どもに対する無償教育」ということを明確にうたっております。これにつきましては我々の特徴だというふうに考えておるんですけれども、その点につきまして、岡本公述人、どのようにお考えになりますでしょうか。



○公述人(岡本肇君) 私の学校でも中学一年生から高校三年生までお預かりしていますけれども、やっぱり中学一年生のときのお父さんって本当若いんですね。まだ係長ぐらい。高校ぐらいになるとある程度余裕が出てくるんで、これが小学校、幼稚園のお父さんぐらいになると多分この教育費の負担というのはかなり大変じゃないのかなというふうに思います。そういう意味ではこれは一つの見識だと私は思います。

 以上です。



○藤本祐司君 ありがとうございます。

 やはり先ほど来からいろんな教育の格差とかいう話がありますけれども、この格差というのがいわゆる希望格差という、要するに希望を持てるか持てないかという、例えば無償化をすることによってやはり多少なりともそれが、負担が軽減できるんじゃないかということから、少子化にも一つの影響を及ぼすことができるんではないかというそういう意図もございまして、こういうところが入っているわけでございます。

 皆さんに順番にまず行って、一回りしたらまた戻らせていただきたいと思いますが。

 嶺井公述人にお聞きしたいと思うんですが、先ほどいわゆる個人の権利というところをやはりもっともっとしっかり見ていかないといけないんだというお話がありました。公述人、最近、日本と海外、いわゆる障害者の教育であるとか、あるいはイギリスあるいはイタリア、フィンランド、いろんなところでの障害者に対する教育ということも日本との差があるんではないかというようなことがいろんなところで言われておりますけれども、公述人といたしまして、日本といわゆる海外、どこでも代表的なところで結構なんですけれども、障害者に対する教育といいますか、その仕組みなど、支援策など、どの点が大きく違っているかということをちょっと御説明いただければと思います。



○公述人(嶺井正也君) 私はイタリアの教育を専門にしておりますが、イタリアでは一九七六年に特殊学級を廃止いたしております。それから、就学先の決定に当たりましては、地域の学校をまず指定して、そこでの教育が不十分であるといえば特別学校を選べるという、そういうシステムに変わって、徐々に地域の学校での教育が主流になって特別学校が少なくなってきております。

 その関係で障害児教育の充実がないかということになりますと、そんなことはございません。一学級当たりの定員が障害のある子供が入りますと二十人になりますし、支援教師が付きますし、サポートが付きます。それから、子供一人一人のための個別の教育計画も作られます。

 そういう障害のない子供たちとの中でその子のニーズに合った教育をどうするかというシステムをやっておりますので、私はそういう方向を望みたいと思っております。それが国連が求めるインクルーシブ教育だというふうに考えております。



○藤本祐司君 我々民主党案の方には、第十三条で「特別な状況に応じた教育」ということで、障害を有する子供たちに対しての教育のところを明確にうたっております。政府案の方は、これは教育機会の均等ということで、その中の第二項で「障害のある者が、」ということでうたってはあるんですけれども、やはり我々としては、子どもの権利条約などをうたわれていることをやはりきちっととらえて明確なその精神を明記をしているということも是非御理解をいただきたいと思うんですけれども、その点につきましては、嶺井公述人、いかが評価していただけますでしょうか。



○公述人(嶺井正也君) ここの中では、障害のある子供たちがともに学ぶ機会を確保するというふうなことがございます。これは障害者基本法改正のときの参議院での附帯決議の中にも設けられてございますし、今回の学校教育法改正等についてもいろいろ議論をされたところでございます。

 こういうベースがあって、その上で一人一人の子供たちにニーズに合った教育をするという、こういう視点につきましては評価したいと考えております。



○藤本祐司君 ありがとうございます。

 それでは、松永公述人にお聞きしたいと思います。

 先ほど松永公述人も教育基本法改正には賛成であるという立場だというふうに明確におっしゃっていただいたんですが、教育基本法改正に賛成であるのかということと、先ほど私、岡本公述人に同じ質問をさせていただきましたが、民主党案あるいは政府案、それに関して改正するということに賛成であって政府案だけに賛成するというものではないのかあるのか、ちょっとそこのところをお聞きしたいと思います。



○公述人(松永由弥子君) 基本的には政府案に賛成という立場です。

 私も余り民主党さんの案をよく見たことがないので申し訳なかったですが、見させていただいて、私は生涯学習が専門だものですから、やはり生涯学習に関する条項が載っているという点で政府案の方に賛成したいと考えました。



○藤本祐司君 我々の案の特徴の一つに、先ほど松永公述人が懸念をされていたいわゆる情報の問題、これは私が小学校であった四十年前と比較してということ以上に、もうこの五年、六年あるいは二年、三年の間に大きく通信という部分に関しては変化があります。その環境が全く変化をしてしまったと。放送と通信が完全にもう融合して、放送と通信の境目がなくなってきてしまった。そして、我々、先ほどフィルタリングの話がありましたが、フィルタリングを掛けようとしても難しいというお話がありました。確かに、家庭で掛けるのも難しいのかもしれませんが、家のパソコンに掛けたとしても、これ、いろんなところで全部いろんな情報が入り込んでくる。これはもうイタチごっこでして、いろんな規制というものは、通信の自由、通信の秘密性というところを考えますと、これは規制をすることというのはほとんど不可能に近いと。その中で、やはり情報というものに対しての接し方ということを小さなころから、小学校ぐらいのころからやはりそれはきちっと教えていかなければいけないんではないかという問題意識がありまして、いわゆるメディアリテラシーというところがやはりそれを考えていく、活用できる能力というのを考えていかなければいけないということで、我々はそれを「情報文化社会に関する教育」というのを改めて単独の条項としてうたっております。

 これは政府案に関して言うと、第二条の「教育の目標」の中でインクルードできるんではないかという、つまり第二条というのはすべての教育に当てはまるという、そういう解釈になるわけなんですが、ということで、一つだけ我々として、一つだけというか、ここは一つ大きな特徴として出しておるんですが、それにつきまして、現実に非常にいろんな有害サイトが当たり前のように出てきているし、大人に対しても問題多いサイトがいとも簡単に入手できると。こういう現実を見たときに、この条文というのを入れた我々なんですが、それにつきましては公述人、どのようにお考えになりますでしょうか。



○公述人(松永由弥子君) 今おっしゃられるように、現状では本当にこれは解決しなければならない切迫した問題だと思います。ですので、この点について御指摘をなさっている民主党さんの案は評価はしたいと思うんですけれども、ただ、私がこれを出した理由というのは、多分これ以外にもこれから社会が変化したときにはもっと違う問題が出てきて、そのときにもまた大人も学び子供も学んで解決していかなければならないだろうというふうに私考えておりますので、この情報のことだけを取り上げることで基本法としていいかどうかというところがちょっと私としては逆に心配というんですかね、もっといろんなものを取り上げられるような条文の方が基本法としては無難ではないのかなというふうに考えております。



○藤本祐司君 粕谷公述人にお聞きしたいと思いますが、基本的には教育基本法を変えることには反対であると、生かすことを考えていくべきだというふうにおっしゃっておりますが、社会の変化というのは非常に著しくて、今の情報の話だけではなくて、グローバル化であるとか少子化、高齢化、いろんなところで出てきていると思いますし、昔と違っていわゆる職業との密接性というのが、ちょっとつなぎ目が広くなってしまって、努力した人が必ずしも報われるわけではないという社会になってきているという、そういう現実的な対応を考えたときでさえも、やはりこれは変えるべきではないと、精神は残してもやはり条文すら変えるべきではないと、新しい条項を入れるべきではないというお考えであるのかどうか、ちょっとそこを教えていただきたいと思います。



○公述人(粕谷たか子君) 基本的には現行の教育基本法で対応できるのではないかと思います。

 ただ、具体的に私もほかの法体系のことを学んできたわけではございませんのでそのようなことしか申し上げられませんけれども、対応できるのではないかと思っております。



○藤本祐司君 先ほど、学校の現場で非常に過度なストレスが、労働時間も含めてなんですが掛かっているというお話がありまして、私もいろんなところからお話を聞くと、大学を卒業して教職に就いたばかりの方が担任を持ってクラブ活動もやって、本当に休む時間も非常に少ない、そういう中で非常にストレスがたまってじっくり考えることもなかなかできにくい状況になってきているというような話はいろんなところでお聞きするんですけれども、その学校の現場でそういうことが起きたときにどういう対応の仕方が今の段階ではあるのかなという、ちょっと一つ心配ではあるものですから、現実的にはどのような対応をされているのかということを教えていただきたいと思います。



○公述人(粕谷たか子君) 管理職も含めて、学校の職員、同僚たちがまずきちっと話を聞いてあげる。それで、どうしてそういう問題が出てきたのか。御本人の対応、どのようなふうに取ってきてそれがどういう結果を招いたのか。やはり事実に即してきちっと話を聞く。それで、単にその問題への表面的な対処じゃなくて、根本的なところをじっくり考え、それへの対策を考え探っていくという、そのことがまず大切だと思います。

 それから、やはり何か問題が起きた場合に外部に対してどう説明しようかという、そういうことが先立つかもしれませんが、共感的な気持ちでもって職員に対していただきたいと。それが特に管理職、それから行政に対してはそういうふうに思っております。



○藤本祐司君 岡本公述人と松永公述人にちょっとお聞きしたいんですが、先ほど民主党案が余りしっかり見たことがないという、我々のPR不足というところもあるのかもしれないとは思うんですが、そういう意味で考えた場合に、やはり同じところ、非常に共通する部分もありますし、実際に条項として入っているもの入っていないもの、あるいは違う記述をしているものというところが多数あるわけですので、賛成というお立場だとは思いますけれども、これは例えば、もう少しその辺りも含めて慎重な、あるいは民主党案を含めて検討をするべきだというふうにはお考えになりますでしょうか、お二人にお聞きしたいと思います。



○公述人(岡本肇君) 私は本当に、先ほど申し上げたように、民主党案を細かく見ているわけではありませんので、ちょっと何とも申し上げられませんけれども、今度の改正案が五月ですか六月ですか、一回延期になって、そして今度また上程されているので、これをやっぱり、こういう問題をいつまでも延ばしていくというのは、多分これ民主党案と並列して検討していくと今度の会期では間に合わないわけですよね。だからまた次の国会ということになっていくと思うんですけれども、私の気持ちとしては、やっぱりこの教育基本法の問題は早く決着を付けて、そして次の問題へ移っていただきたいなという気持ちを持っております。

 以上です。



○公述人(松永由弥子君) ちょっとうまく言えないかもしれませんけれども、見ていなかったわけではないので、民主党さんの案を。若干の感想は、私法律については素人ですけれども、何というのかな、基本法としてのいでたちというか成り立ちとしては、やはり政府案の方が完成度が高いような感じはいたします。

 それから、十分な論議をという点では、今、岡本公述人がおっしゃったように、随分長い期間を検討なさっていると思いますので、やはり私も早い決着で実践に移していただける方が、そしてまた基本法ですけれども、悪いところは見直していくというような形の方が、現状がどんどん進んでいってしまいますので、いいかなというふうに感じております。



○藤本祐司君 時間がなくなりましたので、最後に嶺井公述人に同じような質問でございますけれども、公述人は慎重かつ、何といいますか、徹底審議を求めたいということでございます。これ百年の大計と言われている教育の問題でございますので、時間を、とにかく期間までにやるということがどれほどの価値があるのかという、そういう問題意識もあるんだろうと思いますけれども、慎重かつ徹底した審議を求めるという、その一番根本的な理由というのは、先ほどいろんな課題がまだ山積されているじゃないかと、解決していないじゃないかというふうに理解をしておりますけれども、いかがでございますでしょうか。



○公述人(嶺井正也君) それが一番大きな私の観点でございます。

 ただ、御指摘もありましたように、民主党案がほとんど審議されていないというのもまたこれ不思議なものでありまして、だれも知らない中で公述人の委員会が開かれるのもいいのかなと思うぐらいでありますので、乗ったんであればやっぱり突き合わせて議論をするのが筋ではないかなと、そういう意味での時間が足りないのではないかと思っております。



○藤本祐司君 どうもありがとうございました。

posted by 藤本祐司事務所 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 国会会議録
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