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2007年05月29日

vol.079 松岡前農林水産大臣の自殺の衝撃と責任

5月28日(月)の決算委員会。午後の審議が始まった矢先の13時5分ごろ、同僚の尾立議員(大阪府選挙区選出)が、私に隣の席から話かけてきた。尾立議員の携帯電話にメール配信されたニュースによると「松岡大臣が議員宿舎で自殺。重体」という内容だった。実は、その決算委員会で、尾立議員が松岡大臣に緑資源機構の談合の件で質問する予定であった。委員会の事務局が、決算委員会理事の間を駆け回って状況説明と対応を検討しているようだった。結局、尾立議員は、答弁者不在の農水省への質問は止めて、その他の省庁への質問で持ち時間を終えた。
 私は、決算委員会の間、同僚議員の質問に耳を傾けつつ、自分の事務所や決算委員会のメンバー以外の同僚議員から情報収集をしていた。14時過ぎ、松岡大臣の死亡の情報が入ってきた。決算委員会は、何事も無かったように淡々と進んでいたが、委員会室の外では大変な騒ぎになっていることは想像できた。

 さて、本件に関しては、テレビ・ラジオ、新聞等の報道で多くの議員や政治評論家等がコメントしているので、私がここでコメントしても、目新しさはないだろう。しかし、国会議員として自分の考えを述べておく必要はあると思い、あえて本音でコメントしようと思う。

 正直、ニュースを聞いた最初の私の印象は、「松岡さんは、事件の首謀者でありながら、犠牲者でもある」というものである。つまり、「ナントカ還元水」という光熱水費に始まり、松岡大臣の出身官庁である林野庁所管の独立行政法人緑資源機構の天下りと談合、そして緑資源機構の発注先からの政治献金を受け取っていた等、多くの疑惑が報道を賑わし、国会で度々質問を受けていた。その疑惑に明確に答えなかったという点では、疑惑の首謀者である。ただ、説明責任も果たさず、疑惑を背負ったまま大臣を続けていることを、終始守り続けた安倍内閣が、自殺という最悪の事態を避けることを妨げたという点では、松岡大臣は犠牲者であるとも言えると思った。

確かに松岡大臣が言うように、最低限、法律に従って行動していたかもしれない。しかし、政治倫理から考えれば、政治家は疑いを掛けられた場合、自ら説明をしてその嫌疑を晴らすべきである。消えた年金5,000万件に対して、「支払ったことを証明するのは国民である」と開き直っている安倍総理であるが、一方で「疑惑が真実でないことを証明するのは政治家本人だ」とは決して言わない。安倍総理の言うことは、矛盾だらけである。日本のリーダーとしての安倍総理の判断は間違っていたと批判されて然るべきだと思う。もしかすると、松岡大臣に明らかにされると困るのは、安倍総理かもしれないと疑われても仕方がないかもしれない。

驚いたことに、政治評論家の中に、野党が追及したから松岡大臣が自殺したという方がいる。我々は、説明責任を求めただけである。政治倫理にのっとって、自らが疑惑を晴らす努力をしてくださいと言っただけである。それを「追求したことが悪かった」と言われたら、“正直者が馬鹿を見て、隠れて悪さをする人が得をする世の中”になってしまう。警察も裁判所も犯人を逮捕して罪を裁くことができなくなってしまう。国会でも審議ができなくなってしまい、税金が無駄に使われても、見て見ぬ振りをしなければならなくなる。やはり、追及すべきことは追及し、間違いを改めていかなければいけない。

松岡大臣の自殺の直接的原因は、明らかにならないかもしれない。しかし、だからと言って、緑資源機構を取り巻く問題を明らかにしないということだけは避けなくてもいけない。この際、与党も一緒になって、この緑資源機構の件を中心に、天下り、談合、政治献金の問題を明らかにしていかなければ、いつまで経っても国民の政治(家)不信を払拭できない。

前週には松岡大臣の事務所関係者が自殺し、緑資源機構の前身の元公団理事も自殺したとの報道もある。人としてよろしくない行為をした可能性があった方々といえ、命を絶ったことは事実である。
松岡大臣を含む、3名の方々に対して心からお悔やみを申し上げ、また、ご家族の皆様のお気持ちをお察し申し上げる。
2007年5月29日
posted by 藤本祐司事務所 at 12:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ
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