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2007年06月22日

vol.084 国民の立場にたった議論とは

 安倍首相は、しばしば「国民の立場にたって考えなければならない」と言う。当たり前のことだ。では、国民の立場にたった議論とはどんな議論だろうか。

 年金を例に取ると、自分の年金記録がきちんと管理され、受給年齢に達した際に正確に受給を受けることができるか、すでに受給年齢に達している方々は、正しい年金額を受け取っているのかが、大きな関心事であろう。また、自分の年金記録が万一間違っていたら訂正してもらえるのか、訂正にはどんな手続きが必要か、さらには、自分の個人情報が外に漏れないかなどが気になるところだと思う。これらへの対応策を具体的に示して国民が安心できるようにすることが重要である。では、今政府・与党が示した方策で、果たして国民が不安に感じなくなったのか。

 このような観点から、私は19日、厚生労働委員会で質問した。領収証などの支払い証明を提出できない人はどうするのか。また、病気や高齢のため社会保険庁に行けない人はどうすれば良いのか。政府案では、社会保険庁とは別に各都道府県に「年金記録確認第三者委員会」を設置して、申請者の言い分を聞き、言い分を認めると判断した場合には社会保険庁にあっせんすると言う。しかし、第三者委員会は全国で50ヶ所程度というから、おそらく県庁所在地に設置される程度だろう。

 静岡県下田市に住む方の場合、1日かけて静岡まで行って帰ってこなければならない。仕事を休まなければならないかもしれない。交通費も往復1万円を超える。費用弁償してくれるのか。それとも自己負担するのか。委員会では、「交通費の負担等はまだ検討していない。」という答弁だった。ただ、総務副大臣は、「各市町村の行政指導委員を自宅に訪問させる」とも答弁した。もし、それができれば国民の負担は減る。しかし、年金の仕組みはとても複雑であり、しかも年金記録はオンラインのコンピューター以外では確認できない。紙台帳も外部に持ち出すことはできない。となると、その行政相談委員は何度も何度も相談された方の自宅を訪問しなければならなくない。相当の労力と時間がかかってしまう。

 口で言うほど簡単ではない。これで、皆さんが納得できるだろうか。電話相談も、電話をかけてもつながらずあきらめた方もいただろう。第三者委員会も行政相談の訪問も、体制がきちんと整わないで行うとかえって不満と不安は増大するだろう。ここは、拙速な対応ではなく、準備に多少時間がかかってもきちんとした現実的な対応策を示すことが大切である。国民のそれぞれが明確にイメージできる具体策こそが必要である。
 と、まあ、こんな質問を19日に行い、一部の新聞が私の質問と政府答弁を取り上げてくれた。

 ところで皆さん、安倍首相が本当に国民の皆さんの立場に立って物事を考えられると思いますか?自分自身が、国民と同じ境遇になったと想定して、考え、行動することができると思いますか。首相は、そんな嘘っぽいことを言わない方が良い。むしろ、正直に「私は国民の気持ちは良くわからない」と開き直って、小泉前首相のように「だから国民の意見を聞いてみたい」と衆議院を解散すべきだと私は考える。郵政民営化よりも年金の方がよっぽど国民の生活に直接影響がある問題だと思うが、皆さんは如何考えるでしょうか。(2007年6月22日)
posted by 藤本祐司事務所 at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ
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