○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。
午前中に吉田先生と櫻井先生の質疑を聞いておりまして、重なった部分につきましては省略をさせていただいて質問をさせていただこうというふうに思っておりますが、最初にこの改正の背景と目的をお聞きしようと思ったんですが、大体吉田先生と櫻井さんの中でいろんな課題とか問題点というのは指摘ありましたので、それは省略いたしまして、ただ、この今回の改正によってタクシー事業を取り巻くいわゆるタクシーの事業者、それとタクシーの運転者、そしてそのタクシーを利用する利用者に対してそれぞれ具体的にどういうようなメリットがここで、この改正で発生するのかと、それぞれのメリットについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(岩崎貞二君) まず、事業者でございますが、今回運転者の質を上げていきたいと、このように思っておりますので、事業者にとっては雇用する運転者の一定の質を確保され、タクシーサービスの水準の向上が図られるという直接的な効果のほかに、やっぱりこうした法律を作るということによっていいタクシー運転者を育てていく、雇っていくというような意識がさらに高まればいいなと、このように思っておるところでございます。
運転者につきましては、直接の対象でございますが、安全性や利用者利便についての自覚が高まり、当該地域の運転者全体の質の確保、向上を図られるということを期待をしております。
それから、利用者にとりましては何よりも大切な安全、安心、より質の高い輸送サービス、これを提供する直接の主体は運転者でございますので、そうした運転者の質の向上によってこうしたことが実現できるというふうに考えているところでございます。
○藤本祐司君 突き詰めて言えば、タクシーの運転手さんの質が高まっていくことによって事業者もメリットあるし、運転手もメリットあるし、利用者もメリットあるんだというようなお話なんですが、質が高まることによって、当然利用客にとってはとても有り難いことだというふうに思うんですが、質が高まるということ自体に関して運転手には、それが直接運転の質が高まるわけであって、運転手さんにそれがメリットということではないですよね。特に、だから改正をすることによって運転手自身にメリットがあるのかなというところなんですが、ちょっとそこのところ分かりにくかったので、もう一度御説明いただけますか。
○政府参考人(岩崎貞二君) 運転者の方にも講習等を受けていただくことによって、大変まじめにちゃんとやっていただく運転手さん、あるいは向上意欲のある運転手さんにとってはいい制度だと思っております。
それから、残念ながら、やっぱりタクシーの運転手さんの中にも質の悪い方、ルールの守らない方もおられることは残念ながら事実でございますので、そうした方について、ひどい方にはタクシー運転手の登録を認めない、あるいは拒否をするというようなことによりまして、これは逆にマイナスの方のペナルティーを科すことになるわけでございますけど、逆にそうした質の悪い方が排除されることによってタクシーのドライバーというものに対しての評価というのが、間接的ではありますけれども、高まっていくものだと、このようなことも考えております。
○藤本祐司君 分かりました。
午前中からいろいろな話、需給規制の撤廃の問題とか出ていたわけなんですが、規制撤廃後、基本的にはタクシーの台数が増加をしたと、約全国で二万台ほど増加をしたと。新規参入とか営業区域の拡大、あるいはいわゆる増車届出によって二万台ぐらいが増えてきたということで、過当競争が激化をしたということでありますけれども、この賃金が基本的にこれは歩合制を取っているということで、むしろ賃金を上げるために長時間労働というのが当たり前になってしまったということで、労働環境が悪化をしたということがいろいろなところで指摘をされているわけなんですが、その労働環境が悪化して、そして一生懸命長時間働いた割にはなかなか賃金が上がんない、むしろ賃金が下がっているというところが非常に大きい問題でありまして、全産業の平均年収と比べると大変このタクシーの運転手さんの年収というのがどんどん格差が拡大しているというように認識をすることができるのかなというふうに思うんですが。
ここで厚生労働省にお聞きしたいんですが、規制撤廃後、前後で、最近までですね、このタクシーの運転手さんの収入がどのように推移をしているのか、そしてもう一つ、都道府県ごとによってこの格差というのが拡大をしているというふうに見ていいのかどうか、ちょっとその点についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(森山寛君) お答えを申し上げます。
タクシー運転者の労働実態でございますけれども、賃金構造基本統計調査によりますと、平成十八年では年間の平均賃金は、先ほど先生も御指摘ございましたけれども、三百二十八万円でございまして、全産業と比べまして百六十一万円少ないという状況でございます。
それからまた、年間の総実労働時間でございますけれども、二千四百十二時間でございまして、これも全産業と比べまして二百四十時間長いという状況になってございます。
ちょっと各県のものにつきましては今手元にございませんので、そういう状況でございます。
○藤本祐司君 直近の数字はいただいたんですが、これ規制撤廃後の数年間で、平成十四年以降、この傾向がどのようになっているのかということも併せてお願いします。
○政府参考人(森山寛君) 年間の賃金でございますけれども、平成十三年と比べますと、平成十三年は三百三十三万円でございまして、平成十八年は先ほど申し上げましたように三百二十八万円ということで、五万円の減少でございます。
それから、年間の労働時間でございますけれども、これは大体横ばいでございまして、平成十三年二千四百二十四時間、それから先ほど平成十八年は二千四百十二時間という状況でございます。
○藤本祐司君 午前中の櫻井先生の質問の中でもいろいろ地域性があるんじゃないかというようなお話がありましたけれども、地域間格差というものですね、その格差が拡大しているところと、いや、格差の拡大じゃなくて、規制撤廃後、年収が横ばいのところと下がっているところと、そういうところがいろいろあるんだろうと思いますが、これ都道府県ごとで考えてみた場合にはどういう傾向になっているか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(森山寛君) 都道府県ごとにつきましては現在手元にございませんので、先ほど申し上げました全体の調査しか現在ないというところでございます。
○藤本祐司君 いや、都道府県ごとはこれは当然出ているわけでありまして、東京が一番高くて沖縄が一番低いとか、その辺りのことはこれは別に統計がないわけじゃなくて、多分今は持ち合わせていないというだけの話だというふうに思いますけれども、これは昨日通告で規制撤廃後の収入の話というのは質問しますよということはお聞きしていますので、ちょっとそこのところはちゃんと準備をしていただきたいというふうに思うんですが。
具体的な数字でなくて結構なんですが、やはりこの規制撤廃後の格差の拡大があったところ、そうでないところはやっぱり地域ごとによって明確になっているかどうか、その点だけで結構ですのでお答えいただけますか。
○政府参考人(森山寛君) これはちょっと今手元に、申し訳ございませんけどそういう実態の数字を持っておりませんけれども、先生御指摘になりましたように、地域によりましてやはりその差というものはあるというふうに認識をしておるところでございます。
○藤本祐司君 とても基本的な質問なものですから、これ一々細かくすべて質問を、どこの県がどのぐらいですかということは聞いておりませんけれども、基本的なことだと、その辺りが多分、厚生労働省は認識をしているんだろうということでお聞きしたんですが。
もう一つ、じゃ、ちょっと関連してお聞きしたいんですが、タクシー運転手の賃金というのは基本的に歩合制を取っているということで、それでさっき長時間労働になってしまいますよということも御指摘をさせていただいたんですが、この辺りの構造ですよね、賃金構造というか、なぜこういう状況になってきているのか、あるいは歩合制を取るとどういうことが影響があるのか、あるいは運転手の年齢構成の雇用実態どうなっているのかという、そういういわゆる傾向としてタクシー事業者の賃金構造がどうなっているのかということぐらいは多分把握できているんだろうと思いますけど、お答えいただけますか。
○政府参考人(森山寛君) タクシー運転手の賃金構造でございますけれども、特に問題になっておりますのが先生今御指摘あった歩合制の中でも累進歩合制度でございまして、これにつきましては私どもも、累進歩合制といいますのは非連続的に逓増していくものでございますので、労働時間の長時間労働、あるいはスピード違反を極端に誘発するおそれがあるというふうに認識をしておりまして、これにつきましては望ましくないものとして廃止するように指導をしているところでございます。
具体的には、この指導状況でございますけれども、平成十七年におきまして九百十一件の事業場の監督をしておりますけれども、そのうち累進歩合制度が八十七件ということで、約一〇%程度がこういう歩合制度を取っているということでございまして、これにつきましては廃止をしていくように指導を行っているところでございます。
○藤本祐司君 廃止を行うように多分通達で出されているんだろうと思うんですけれども、まだ依然として八十七件ですか、というのがあるということでございますが、これをどのような形で指導していく予定でございますか。
○政府参考人(森山寛君) これにつきましては、平成元年に自動車運転者の労働時間等の改善のための基準ということで通達を出しておりまして、今申し上げましたように、これは廃止をしていくということで監督省といたしましても粘り強く指導しているところでございます。廃止をしていくように指導していくということでございます。
○藤本祐司君 具体的には、それは労働基準監督署がそれぞれのタクシー事業者に対して実態を把握して、そしてそれを指導していくということなんでしょうか。
○政府参考人(森山寛君) これは、毎年タクシー事業所についていろんな労働基準法上の違反等ございますので、これを監督指導強めているところでございまして、先ほど申し上げましたように、大体年間千件程度このタクシー会社の指導をやっておりますけれども、その段階で特にこの累進歩合制度を取っているところにつきましては廃止をしていくように具体的に監督官、監督署がその事業場に行きまして指導しているというものでございます。
○藤本祐司君 毎年毎年、一年に一回ずつきちっとこれは定期的に指導されていると、実態を把握して指導しているんだと、それで今後もそうしていくんだということで解釈でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(森山寛君) 事業場につきましてはこれは大体千件程度でございますけれども、これは同じ事業場ということではなくて、これは大体千件程度選出いたしましてやっていますけれども、いったんこういう違反が認められた場合につきましては、これは粘り強くその事業場について指導しているという状況でございます。
○藤本祐司君 国土交通省にお聞きしたいんですが、今の答弁のように、ある意味ほかの産業では見られないような構造というのがこのタクシーの事業にはございまして、台数が大幅に増えたと、それによって一台当たり、あるいは一人当たりの営業収入が減った分というのは、基本的に運転者の方にわっとしわ寄せが来ているような構造になっているんですね。基本的には歩合制という、あるいは累進歩合制という形を取っているということになると、ちょっとほかの産業なんかとはまた少し違った、要するに売上げが減少しても、リスクというのが経営者のところには直接行かずに、むしろそこで運転手の方々のところに行っているというような構造になっているということであるわけなんで、ちょっとそこのところにつきましては、今後どういう方向になるのかというのは大変難しい問題だろうとは思いますけれども、その辺の原因に対する御認識、そしてその構造に対してどのような考え方を持っていらっしゃるのかという御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) タクシー業というのは事業場外労働というのが主流を占めまして、特に流し営業をやってられる運転手さんは、始業時に車庫から車を出せば十五、六時間働いて、最後納車するまで事業場外で働かれるわけですね。食事も外食と、トイレも公衆のところを使ってられますが。
そういう、要するに営業主が親しく働いている従業員を指揮監督する、具体的にするという関係がありませんので、売上げが減ったとかということについて、従業員が一部そのリスクを負担するという歩合給というものは、この業界としてある程度そういうものを取られるということについては私も理解ができるわけです。そして、しかもこれは恐らく、古いことは分かりませんけれども、少なくとも終戦後今日まで六十年間、このような業界でほとんど例外なく取られている、そのような労使間の協定だろうと思うわけです。
したがいまして、このような自由主義経済の中で労使が協議をして、そしてその賃金をどのように決めるかということは自由のはずでございます。ですから、我々がそれに対して、先ほど厚生労働省も指導という言葉を使われました。違反したらそれを罰則をもって臨むという、命令とかいう関係ではなしに、やはり指導だろうと思うんですね。
私どもも、今回運賃改定、要するに増額でございますが、申請がたくさん出ております。これを認めるということのときに、我々は、その申請の理由自身が労働条件をもっと改善しなきゃならない事情があるということをひとしく書いていらっしゃるわけです。したがいまして、私どもはこれをきちっと値上げした分が労働者に多く均てんできるようにしてほしいという私は強い指導をしたいと思いますし、守ってもらいたいと思います。
したがいまして、定時にそれは報告を後にしていただいて、その結果を公表して、みんなの目で、ガラス張りの中で、やはり値上げした部分については、事業主が取ってしまうんではなしに、労働者の方に多く配分されるというふうな、私どもの指導でございますけれども、これは指導を強め、そしてまたみんなの目で見ていただくようにその結果は公表しなきゃならないというふうに思っています。
○藤本祐司君 今大臣から運賃の話が出されましたので、またちょっとそれは後ほどお聞きするといたしまして、その前に一点、タクシーという業務は、一回会社から外へ出て、外で仕事をするということで、お昼の時間とか夜の時間という、そういう夕食の時間なんかも、要するに自分で自己管理をしなきゃならない部分があるんだろうというお話もありましたけれども、正に運行管理とか労務管理というのも運転手任せになるような部分というのも大変強いのかなというふうに思うんですけれどもね。
更に言ってみれば、いわゆる企業内個人タクシーというか、リース制でやられているタクシーが規制緩和後増えたというふうには言われているわけなんですが、このリース制が増えると、更に言えば、一定のリース料を支払うと運行管理とかいわゆる労務管理はもう完全に運転手任せという形になってしまうわけなんですが、いわゆる企業内個人タクシーについての管理とかあるいは規制についてはどのようにお考えになりますでしょうか。
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、リース制とか企業内個人とかというのは幾つかあるというのは我々も聞いておるところでございます。
ただ、リース制であるとか企業内個人という形態自体が直ちに違法なものではないだろうと、こんなふうに思っておりまして、しかし、御指摘のとおり、こうしたリース制とか企業内個人みたいな形になりますと、安全管理がどうしても運転者任せになる傾向がある、運行管理が適切に行われない傾向にあるということは問題だと思っております。
このため、私ども、特に監査とかをやるときに、こうしたリース制でありますとか企業内個人をやっているんじゃないかというようなところにつきましても特に重点的に、これまでもやってきているつもりでございますけれども、今後、そうした違反行為のおそれの多い事業者については重点的に厳正に対処してまいりたいと、こんなように思っているところでございます。
○藤本祐司君 運転手さんのいわゆる労務管理というか、そこのところが大変難しいことは分かっているんですが、労働環境は大変良くないというふうにも指摘されておりますので、そこのところはやはりきちっと監督指導をしていただきたいというふうに思うんですが。
それに直結して、先ほど冬柴大臣からもお話がありましたとおり、運賃のところなんですが、午前中に吉田先生も運賃の話をされました。長野と大分で先行して運賃改定がされたわけなんですが、去る五月三十一日に内閣府の物価安定政策会議で東京地区のタクシー料金について議論がされている。東京地区のタクシー運賃というのが大変その他全国への影響力が高いということで、そこを中心に議論されているんですけれども、その中で、料金改定というのが先送りされるのではないかというような報道等々があるわけなんですけれども、この先送りする、まあいつまで先送りするのかというところは明確ではないと思っていますが、運賃値上げに関して懸念をしている、あるいはもう少し延ばした方がいいだろうということを言っている、その主な理由というのはどういうことがあったのかを教えていただきたいと思うんですが。
○政府参考人(岩崎貞二君) 四月の十九日と五月の三十一日に物価安定政策会議というのが開催されまして、そこで、今先生御指摘のように、運賃改定について慎重、否定的な意見もありましたが、一定理解を示すという意見もございました。
慎重にやるべき、否定的な意見というのは、主に申し上げますと、一つは、全体の物価が上がっていない中でタクシーの運賃だけ上げるのはどうかというような議論、それから、もっと経営努力をすべきではないかというような議論、それから、先ほどの議論でも出ておりましたけれども、需要が減っている中で供給が増えている、それで収入が下がったからといって消費者に転嫁するのはどうか、もう少し構造的な問題を解決してからやるべきではないかといったようなことが主に慎重あるいは否定的な意見をおっしゃる方の論旨だったと理解しております。
○藤本祐司君 その中で、私もちょっとこの議事録等を読ませていただいて、もっと市場メカニズムに任せるべきであるというような意見があったかというふうに思うんですが、そのような意見はやっぱりあったんですか。市場原理にもっと任せておくべきであるということを言われている意見があったというふうに認識しているんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおり、市場メカニズムに任せるべきではないかという意見もございました。
今、需要が減っている中で供給が増えているということについては、市場メカニズムの調整過程なんで、もう少しすれば、供給は減っている中で収入が減っていけば退出も進んでいくのではないか、だから市場メカニズムに任せておけばいいんじゃないかと、こういう意見もあったのも事実でございます。
○藤本祐司君 ちょっとここで相関関係をいろいろお聞かせいただきたいと思うんですが、運賃を上げると、今のお話だと、それを、エンドユーザーというか利用者に不利になるんじゃないかというようなお話があったわけなんですが、運賃を上げると利用者が減るというのは、一般的にはそのように考えがちなんだと思うんですが、料金のこと、運賃ですね、それと利用者数とのいわゆる相関関係というのはどうなっているのか、ちょっと教えていただきたいんですが。
○政府参考人(岩崎貞二君) 景気の動向にもタクシーの需要というのは左右されますので、必ずしもきっちりしたことは言えないという状況でございますが、昭和五十六年以降七回の運賃改定をやっております。七回の運賃改定、平均いたしますと約九%弱の改定率でございました。それから、改定後一年間の需要を見ますと、需要の減少率が二・三%程度でございます。九%ぐらい上げるとやっぱり二、三%はお客さんが逃げていくと、こういう傾向でございます。
したがいまして、改定した率そのものの増収になるわけではございませんが、過去の傾向からいきますと、改定した増収の約六、七割ぐらい、これぐらいは増収と結び付いているという結果になっているところでございます。
○藤本祐司君 ざっくり言ってしまうと、料金を一割とかそのぐらい上げると、利用者数は減るけれども、いわゆる営業収入というのはそれと同じように減るわけではなくて、ある一定の割合だけは戻ってくるということだというふうに今のお答えで理解できるかと思うんですが、そういうことでよろしいわけですよね。
○政府参考人(岩崎貞二君) 御指摘のとおりでございます。
○藤本祐司君 そうなってくると、運賃の値上げということで先ほどの労働環境というのが必ずしも悪くなるわけではなくて、やはりいい方向に動くということを考えると、ちょっと特殊な構造であるということを考えると、そこのところはやっぱり慎重に前向きに考えていただいた方がいいのかなという部分もあろうかと思います。
ただ、これは多分、運賃値上げと利用者の関係というのは相当経済状況にも影響してくる、関係が出てくるのかなというふうに思いますので、その地域の経済状況によってもやっぱりそこのところの相関関係というのは微妙に違ってくるのかなというふうには思っているんですね。東京と先ほど櫻井さんが言った仙台と私の静岡とか、そういったところとの、あるいはもっと、収入が一番今低い沖縄とか、その辺りによって若干相関が変わってくるのかなというふうに思いますので、そこのところはやはり地域事情というところを全面にやっぱり考えながら決定をしていっていただくのがいいのかなと。全国一律で考えるのではなくて、地域事情を考えていただくのがいいのかなというふうには思っております。
ちょっと時間も足りないので次の質問に移りますが、流し運転、いわゆるタクシー運送の引受けが専ら営業所以外の場所で行われるという流し運転についてなんですが、今回の法律の改正で流し運転比率というのが、流し比率が五〇%以上をめどとして指定地域の要件としているということでございますが、この流し比率というのはそもそもある特定の地域、例えば東京なら東京、政令市なら政令市の中で大体これ一定しているものなんでしょうか。あるいは、割とデータを取るときによって流し比率というのは私は変わるのかなというふうに思うんですが、その辺の一定で推移するものなのかどうなのか、その傾向を教えていただきたいと思うんですが。
○政府参考人(岩崎貞二君) 過去の例を見ますと、基本的にそう大きな変動はないんだろうと思っております。ただ、タクシーの需要構造なり都市化の進み具合なり、そうしたことで若干の変更はあると思っておりますが、大きな変動はないんだろうと、このように理解をしております。
○藤本祐司君 若干というのはどの程度のものなのかということもちょっとあいまいなんですけれども、流し率五〇%以上で指定地域の要件としているわけなんですが、今回、主な政令指定都市ということで私の静岡が抜けております。除外されておりまして、その静岡の流し比率というのが、もちろん駅待ちとかそういうのも含めるわけなんですが、四九・三%という非常に微妙な、五〇%に〇・七ポイント足りないということで除外されておるわけなんですが、先ほどの若干の変動があるということを考えると、〇・七%というのはその若干に入るんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩崎貞二君) まだ詰めているわけではございませんが、その〇・何%は確かに若干の範囲だろうと、このように思っております。
指定地域の考え方でございますが、法律にもございますとおり、流しの営業が中心の地域であって、過労運転や乗車拒否等の行為の状況に照らして、こうしたことの措置が必要な地域というのを政令で定めることになっております。先生御指摘の静岡辺り、あるいは新潟、浜松、この辺りについては微妙な数字になっております。
全体の傾向で申しますと、いわゆる以前からの政令指定都市、この辺りは大体七〇%を超しているのが普通でございます、流し比率が。最近政令指定都市になりました新潟、浜松、静岡はそれを下回るということでございますので、その辺りどうするかというのはこれからの検討課題であろうと思っておりますが、今後、施行までに、法案通していただければ、その施行までに検討していきたいと思っておりますけれども、現時点では、これも一つの規制でございますので、その規制を掛けるほどの必要性がないのかなというふうには思っておりますが、いずれにしろ勉強させていただきます。
○藤本祐司君 流し比率だけではなくて、乗車比率とか勤務時間とか、その辺りのところを勘案してということであるということであれば、静岡はその辺りはちゃんとクリアしているというふうに解釈できるのかもしれませんが。
昨年の教育基本法改正のときに、静岡にハイヤーがなくて東京からハイヤーを飛ばしてタウンミーティングをやって、仕様書で行くと十一万円で済むものが五十三万円も掛かったという静岡市の状況があって、あのときタクシー事業者が、いや、静岡だってタクシーやハイヤーあるぞというふうに私も言われまして、何かハイヤーが静岡にはないかのようにあのとき内閣府から答弁をされまして、静岡のタクシー事業者が大変怒っておりましたが、これで今、静岡はその辺り、乗車拒否とかそれがないということでお墨付きをいただいたのかもしれませんが。
今、その中で浜松と新潟も微妙なところだというふうに言っていますが、質問通告のときにお聞きしたら、この流しのデータというのは去年の六月、七月のデータであって、浜松と新潟はまだ政令市になっていなかったと。そのときに、浜松と新潟のデータはまだ取っておりませんという回答をいただいていたんですけれども、それは、その通告での回答は違って、新しく、私がそう申し上げたので調べた結果、浜松も新潟もやはり流し比率は五〇%以下だったのかどうか、ちょっとお答えください。
○政府参考人(岩崎貞二君) 十七年に実施しました調査は、各個別都市について細かくサンプルを取ったやつではございませんで、大都市でどうだった、旧政令指定都市で大都市でどうだったか、中核都市でどうだったかと、こうした一定のサンプルの数字でございます。中核都市で、この中核都市には新潟等も含んでおりますが、そうした地域での数字で見ますと、旧政令指定都市ほど高い比率ではなかったと、こういうことでございます。
繰り返しになりますけれども、新潟、浜松、静岡等につきましては、現時点ではまだ詳しい調査、これから詳しい調査をいたしますけれども、我々つかんでいる感触からいたしますと、そんなに流し比率は高くないんじゃないか。それから、苦情とか事故とか、こうしたものを見ますと、新しい規制を掛けるほどのことではないのではないかというふうに思っておりますけれども、今後、施行までに調査をした上で適切な判断をしていきたいと、このように思っているところでございます。
○藤本祐司君 じゃ、ちょっとごめんなさい、浜松と新潟は確かに今年の四月から、ちょっと余り細かいことに突っ込んでもしようがないんですが、四月に政令市になったからそれの理由は分かるんですが、静岡はそうでなかったので、どうしてこういう、都市ごとではないと言っていながら静岡は四九・三と出ているのかどうか、ちょっとそこがつじつま合わないんですけれども。
○政府参考人(岩崎貞二君) 失礼いたしました。
そのとき、中核都市についてはざっくりやりましたけれども、いわゆる政令指定都市、当時の政令指定都市については都市ごとにデータを取りましたので、静岡も当時のデータとして四九・七%という数字があったということでございます。
○藤本祐司君 今回の法律の改正によってこういう指定地域を拡大していくという方針が出ているわけなんですけれども、であるならば、これは毎年毎年、大体定期的にその流し比率というのは、これ多分、さっきは若干変動があるというふうにお話がありましたけれども、その若干の変動がどうなっているのかということはやはり定期的にデータを取っていく、そういう予定なんでしょうか。
○政府参考人(岩崎貞二君) 変動がございますので調査はしたいと思います。ただ、毎年毎年かと言われますと、そこまでやる必要性があるのかどうかというのは少し検討していきたいと思いますが。一定期間ごとに適切にそうした流し比率のデータがどうであったか、あるいは事故のデータ、苦情のデータ、こうしたものについて分析をしていきたいと思っておりまして、指定地域につきましても一回指定したら指定しっ放しということではなくて、見直しをする必要がないかどうかというのは検討してまいりたいと、このように思っておるところでございます。
○藤本祐司君 そこの流しのことにつきましてのデータはやっぱりある程度定期的に取って、一年がいいのか二年がいいのか分かりませんけれども、それは随時ということではなくて、やっぱり定期的に取っていった方がいいのかなというふうに思いますので、是非そこは考えていただきたいと思います。
もう一つ、この法律の改正で特定指定地域というのを設けたということと指定地域を拡大したということがあろうかと思いますが、今回の改正で東京と大阪は特定指定地域として、先ほど来午前中からいろいろ出てきているタクシー事業の課題、問題点というものが解決するんでしょうか。
そもそも交通事故とか地理不案内というのは、指摘はもう圧倒的に東京とか、グラフを見せていただくと圧倒的に東京とか大阪が多いわけであって、今回の改正によって東京と大阪で事故が減少して地理不案内者が減少することにつながるかというと、そういう改正ではないかのように思えるんですが、その課題、問題点を解決することに、良くなることにつながるかどうか、それについてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(岩崎貞二君) 少し古い話になりますけれども、東京、大阪でタクシーセンターをつくって、地理の試験をやったり、あるいはいろんな苦情に対して処理をするというようなシステムをつくったのは昭和四十年代だったと記憶をしております。そのころ非常に神風タクシーというような言葉がございまして、乗車拒否でありますとか、非常に乱暴な運転というのが横行していった時代でございます。それから比べますと、この東京、大阪のタクシーの、今回提案させていただいていますタクシー業務適正化法の前身の法律でこの制度でき上がったわけでございますけれども、そういう意味で随分東京のタクシーの質が上がってきたと、このように思っているところでございます。
地理の試験も東京、大阪はやっておりまして、東京ですと今合格率は大体四割弱ぐらいの厳しい試験をやっている我々はつもりでございますけれども、今先生御指摘のとおり、やっぱり地理の不案内が多い、主な場所を言っても全然知らないというようなことはあちこちで聞いております。私ども何とかしたいとは思っておりまして、例えば地理の試験の在り方なんかにつきましてもいろいろ工夫はしておるところでございますが、更に一工夫できないかどうかよく考えてまいりたいと、このように思っているところでございます。
○藤本祐司君 ちょっと今のあれでもうちょっとお聞きしたいことがあるんですが、ちょっと時間もないので、どうしても確認したい点が二点あるので、そちらに行ってしまいますが。
登録要件の見直しで、今後、いわゆる利用者利便に関する講習の修了を追加するということで、タクシー協会へ委託してその講習をやるわけなんですが、講習はこれ受ければ済むということになるのか、やはり講習後何らかの試験をやるのか、そこのところを明確にお答えいただきたいと思うんですが。
これは、衆議院の方でのこれいろいろ答弁が、質問があって、ちょっとこれ読んでいても私も余り明確に分からなくて、講習の最後に効果測定を行うという話、テストをやるというけれども試験ではないと言っているんですが、効果測定とテストと試験のどれがどのような区別なのかがちょっと分からない。テストはやるけど、テストといいましょうか、それは試験ではありませんと言っていて、ちょっとそこまた分からないので、分かりやすく御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(岩崎貞二君) 講習を受けっ放しということではなくて、講習修了後の効果測定をやっていきたいと思っておりますし、それをテストという形を取るのも一つの方法だと、このように答弁させていただいたところでございます。
語感の問題かもしれませんけれども、試験というのは私どもやっぱり相当厳しい水準で、どちらかというと落とすためというか、いわゆる入試みたいな割合厳しいものだと、このように思っております。東京、大阪ではやっぱり地理について相当苦情がございますので、やはり厳しいものをやっていかなければいけないと、このように思っておるところでございます。その他の地域につきましては、地理の苦情も多いわけではございますが、相対的に東京、大阪と比べますとそこまでではないと、こういうことでございますので、講習の修了、効果測定というような言葉を使わさせていただいたということでございます。
○藤本祐司君 落とすためのものが試験で、合格させるためのものがテストなんですか、ちょっとその辺のところ、全く分からないです。じゃ具体的に、講習の最後の効果測定というのはどうやってやるんですか。
○政府参考人(岩崎貞二君) 我々もテストと言っておるんですけれども、やはり単に受けてもらって、講習を受けてもらっただけでは困りますので、やっぱり幾つかの問題を出してその解答状況をチェックするということだろうと思っておりますけれども、そうしたもののやり方を含めまして効果のあるものにしていきたいと、このように思っておるところでございます。
○藤本祐司君 じゃ、幾つか問題を出して、クイズみたいなものを出して答えてもらってもし全部間違えたらどうなるんですか、その場合は。
○政府参考人(岩崎貞二君) 再講習なりを受けていただくということになろうかと思います。
○藤本祐司君 それを試験と言わないで何を試験と言うのかよく分かりませんが、きっと試験というのは落とすためのことが試験なんだろうなという、今の御答弁からなるわけですが、これやっぱり講習を受けて、落とすわけではなくて、ちゃんとそれを理解をしていただくというための何らかのチェックをするということなんだろうと思いますけれども、それで駄目だったらもう一回再講習を受けて、再講習を受けてもう一回チェックをするということで、そういう何度も繰り返しながらきちっとその質を確保するという、そういうことでまあちょっと無理やり解釈をしておりますけれども、それでよろしいわけですね。
○政府参考人(岩崎貞二君) そういう形で運用していきたいと思っております。
○藤本祐司君 本当はちょっとここでもっと突っ込みたいなと思いますが、ちょっと時間もありませんので、あと一つだけお聞きしたいと思いますが、指定地域というのを定めるということは、その指定地域の運転手にとっては、あるいは利用者にとってはよろしいんですが、そこで講習を受けたくないとか、あるいは講習で今言ったように再講習、再講習でもうこれ以上やってられないよといって講習を受けなくなってしまった方々が隣の町に行くということは十分考えられると思うんですね。その政令市の隣の地区へ行って今度そこでやれば、ある意味質の悪いと言っていいのか悪いのか分かりませんが、そういう人たちがほかのところへ逃げていって、ほかのところが悪くなる可能性というのがあるんじゃないかと思うんですが、その辺りについての防御策とか予防策とか、その辺りは御検討なさっているんでしょうか。
○政府参考人(岩崎貞二君) 指定地域でございますけれども、例えば今大阪市を指定地域にしておりますけれども、大阪市だけではなくて周辺の市町村も含めて一定のエリアではやっております。今回の指定に当たりましても、例えば千葉市も政令指定都市でございますし、流し比率が高うございますので指定をするつもりでございますが、東京と千葉の間の京葉間の船橋とかいろんな諸都市もございますので、ある程度そうした近接のエリアも含んだ形でやっていきたいと思っております。
ただ、どうしてもある種のエリアを設定をいたしますので、そのエリアから外れたところについては、午前中、白地地域ということがございましたけれども、そのことについては否定をいたしません。そういうところでは、先生御指摘のような質の悪い運転手さんがそちらの方に流れていくという可能性はあるんだろうと思っております。私どもそちらに対しては事業者に対して、やはり安全とかこういうものについて、繰り返しになりますけれども、監査、指導等を強化していくということだろうと思っておりまして、そうしたものについても今後充実を図っていきたいと思っているところでございます。
○藤本祐司君 時間が来ましたのでこれで終わりにしますけれども、そういうことで静岡、浜松が指定されませんので、静岡、浜松へ流れてこないことを祈っておるわけなんですが。
先ほど午前中には櫻井先生がおっしゃったように、規制緩和ということに関しては、やっぱり規制緩和は、していい分野としない方がいい分野、してはいけない分野とすべき分野というのがやっぱりきちっとあるんだろうというふうに思いまして、このタクシー事業なんかに関して言えば、市場メカニズムは働かないわけですよ、完全には。みんながタクシーを予約して運転手を指定するあるいは事業者を指定するだけではなくて、流しであるとか駅待ちであっても順番で乗っていくわけですから、自分が五台目の乗りたいなと思ってもなかなかそういうことはできないということで、完全にこの市場原理に乗ってこないような分野であるわけですね。
そうなってくると、やっぱりその規制緩和ということが悪い方向に悪い方向に行く部分というのがこの分野についてはやっぱりあるんじゃないかなというふうに私は思っておりますので、規制緩和すべてそれがバラ色だというような考え方はやっぱり間違っているんだろうというふうに思いまして、それを最後に付け加えまして、私の質問を終わりにします。
ありがとうございました。
2007年06月07日
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