事務所費問題が“また”起こった。今度は、故松岡利勝農林水産大臣の後任の赤城徳彦大臣である。事の詳細は、報道等でご存知だと思うのでここでは省くが、安倍内閣になって同じことの繰り返しに国民の皆さんは、「もう、うんざり」「またか」という感想をお持ちのことだろうと。しかも、安倍総理はこれまでと同じように「本人の説明で十分理解して頂けると思う」とかばい続けている。当の本人も故松岡大臣と同じように「法律にのっとって適正に処理しているから、領収証等を公開するつもりはない」と答え、本日さっさと欧州へ旅立ってしまった。「国民を馬鹿にするのもいい加減にしろ」と言いたい。
先般の通常国会で「改正政治資金法」が成立した。その改正法は、相次ぐ閣僚の不透明な事務所費問題に対応した中味だったはずだ。しかも、自民党と公明党の与党は強引にその法案を採決して成立させた。それなのに、何故、赤城農水大臣は事務所費の内訳を明らかにしなくても良いのか。
それは、その改正された政治資金法が、いわゆる“ザル法”だからだ。つまり、領収証添付が義務付けられているのは資金管理団体のみ。今回の赤城大臣の後援会ケースのような『その他の政治団体』は対象外。民主党をはじめとする野党は、『その他の政治団体』にも領収証の添付を義務付ける法律にしなければ意味がないと主張したが、与党が断固として聞き入れなかった。結局、赤城大臣のケースで改正政治資金規正法が“ザル法”であることが、法律成立から1ヶ月も経たないうちに証明された結果となった。
安倍総理は、必要であれば再改正すればよいといった、とんちんかんな発言をしている。何をいまさらという感じだ。民主党の対案を尊重していたら、こんな馬鹿げた安倍総理の発言はありえなかった。
与党の対応は、一事が万事だ。国会を12日間延長し、参院選を1週間延期してまで成立させた『国家公務員制度改革法』も、与党は「これで天下りがなくなる」とうそぶいた。安倍総理は「国民の求める法律が成立した」と胸を張った。これも“ザル法”である。天下りがなくなるどころか、今までよりも天下りが促進される可能性が高い。何しろ内閣が運営する“天下りバンク”を設置する法律なのだから。
このように、外見や法律名だけ見ると一見改革をしているかのように思えるが、実際の中味は改革と程遠い中味になっている法案や政策が余りにも多すぎる。安倍総理はしきりに「改革を止めてはいけない。民主党に任せると逆行する」と叫んでいる。でも、中味をみると改革に逆行しているのは、紛れもなく与党の方である。
今回の赤城大臣の事務所費の問題は、単なる「政治とカネ」の問題ではない。安倍内閣誕生後、事務所費の問題や大臣の不用意な発言が相次いだ。この危うさは尋常ではない。常識を持ったリーダーであれば、故松岡大臣の後任であればなおさら慎重に身辺調査をして、問題のない大臣を任命するはずだ。安倍総理には危機管理の意味がわかっていないようだ。自分の内閣の危機管理に対してこんなにお粗末な総理大臣に、危なっかしくて国家の危機管理を任せることはできるはずがない。
参議院議員選挙が、明後日の12日(木)に公示される。私は、もし国民がここまで危うい安倍内閣をまだ続けさせるという選択をするとしたら、もはや日本の政治に明日は来ないとさえ思っている。甘い言葉に騙されず、本質を見て、国民の皆さんはきっと賢い選択をしてくれると私は信じている。
(2007年7月10日)
2007年07月10日
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