8月12日の日本経済新聞(大石格編集委員による記事)によると、日本は、『政治腐敗度』は163か国中、良い方から17番目だそうだ。ベルリンに本部を置く国際団体「トランスペアレンシー・インターナショナル」が毎年行う調査の結果だ。上位には北欧諸国が並ぶらしい。
大石氏の記事によると北欧諸国は「中立的な市民が政府を監視するオンブズマン制が充実している」ことで情報公開度が高く、不正を防止しているとしている。確かにその通りである。
さらに言うと、北欧諸国は『高負担・高福祉』の国家である(北欧諸国と一口に言っても、一律ではなく、各国程度の差はある)。高負担であるが故に国民の税金の使い道への関心は非常に高い。日本は、圧倒的な多数を占めるサラリーマンが源泉徴収で税金を納める。また、日本のように所得に対する税負担割合が世界の福祉国家と比べて決して高くない国は、どうしても税金の使い道に無頓着になってしまうのだろうか(その一方で、ネットカフェ生活者が5,000人を超え、おにぎりが食べたいと言って死んでいく人もいる。これで経済大国なのか)。
デンマーク(コペンハーゲン)とノルウェー(オスロ)の議事堂を見学したことがある。衛視がいない。さすがに中に入れば数人の衛視が議事堂の中にはいたが、玄関にはいない。議事堂は国民の税金で運営されている。それ故、最低のセキュリティー・チェックを受ければ、自由に出入りできるのが当たり前という発想であるとのこと。議事堂の写真撮影も自由。国会議事堂は国民のモノなのである。
納税者意識が高いから、政治への参加意識も高い。オスロでは、最近日本で言う県議選と市議選があった。選挙の際、議事堂の前の通りに各政党のブース(2〜3メートル四方)が設置され、そこには政党の政策を書いた冊子やリーフレットが置かれる。風船や飴がもらえる。あきらかに外国人でもプログラム(いわゆる、マニフェスト)をもらうことができる。市民がそのブースに立ち寄って、政党の担当者と党の政策について質問し、議論する。騒音となる遊説カーはない。対話型の選挙活動だ。議論をする中で自分がどの政党の誰に投票するかを決める。面白いことに、選挙日までに複数回投票ができるようだ。最後の投票がその有権者の有効投票となる。つまり、自分の意見が途中で変わっても、前言撤回を認めている。投票用紙を郵便で送ることもできる。国民が選挙により参加しやすい仕組みを講じている。
北欧諸国の特徴は、参加と情報公開である。日本では考えられないほどの意識の違いである。政治が、給付と負担の関係が見える工夫を積極的に取り入れているからこそ、国民のコンセンサスとして税負担意識や税金に対する哲学が出来上がったのであろう。
一方、日本では、政治家が政治資金の流れを極力隠そうとする。自民党には、5万円以上の領収書を添付すると自由な政治活動ができないと抵抗する政治家がいる。領収書を二重計上、五重計上しても事務的なミスだとうそぶく。5,000万件もの年金記録が消えても内閣支持率が4割を超えている。年金記録が消えていたら、北欧では大暴動が起きて、時の政権は完全に崩壊しているはずだ。
意識の違いを国民性の違いと安易に解釈してはいけない。我々政治家は“参加”と“情報公開”を徹底する仕組みを取り入れていかなければならない。情報公開によって、給付と負担の関係をわかりやすくすることが重要だ。そうすれば、必ず政治家の質と民度は高まるだろう。
(2007年9月4日)
2007年09月04日
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