先週予告しました通り、今回は「質問取り」についてです。「質問取り」は、省庁側の言葉です。議員は「質問通告」と言います。つまり、委員会で質問する場合、前もって、「委員会ではこんな質問をしますよ」ということを教える仕組みです。
例えば、私の場合、沖縄・北方特別委員会では、「沖縄振興、特に観光振興にとって、小池大臣は沖縄の魅力を何ととらえているか」という総論的な質問や「防衛施設庁が実施している辺野古地区の環境事前調査に対して、いつ、どのような指導をしたか」といったやや具体的な質問をすることを事前に内閣府に教えました。また、総務委員会では、「審議会の実態」や「NHKの経営委員会の情報公開」について、質問する旨通告しました。
まずは、書面で質問書を提出します。その後、各省庁がその質問の趣旨を想定して、担当部局の官僚が議員の国会内事務所に来て、こと細かに質問の趣旨や具体的質問項目を聞き出そうとします。本来は、政務官と議員とでやりとりを行うはずですが、実際は、省庁の役人と議員との間でやりとりをします。当然、官僚は詳細に質問項目を知りたがります。詳細がわかれば、委員会での答弁は簡単です。あらかじめ答えを用意できるからです。一方、詳細がわからないと、答弁書を作成することもできないため、官僚としては相当困ります。それじゃ、議員も質問項目を具体的に教えなければいいじゃないかと思われるでしょう。それはごもっともです。ただ、あまりにも抽象的にしか教えないと、いざ委員会で議論が全くかみ合わない、あるいは議論ができなくなる可能性もあります。私も、仕方がなしに、ある程度具体的に教えましたが、その程度は質問趣旨や議員によって様々だと思います。
議事録を丹念に読むとわかるのですが、大臣が、先に次の質問に答弁をしてしまっているケースもあります。つまり、質問項目を知っている大臣は、一個飛ばして、次の質問に答弁してしまうケースです。実は、私の場合も、どの大臣とは言いませんが、1回このようなケースがありました。その時は、そのまま流してしまいましたが、次回は、「大臣、それは次の質問ですよ」とでも指摘しようかと考えています。
政府参考人が委員会室に同行できますので、質問通告は文書だけにとどめ、あとは委員会の場で議論する方が、委員会に緊張感が出て、活性化すると思います。大臣ももっと一所懸命勉強もするでしょう。民間企業に在籍していた私にとって、「質問取り」は不可思議な仕組です。
最後に余談です。私は前職がシンクタンクでしたので、省庁に大勢の知り合いがいます。官僚の複数の知り合いに同じことを聞かれました。それは、「藤本さんは、自分で質問を作ったの?」です。つまり、官僚が質問を作り、その答弁も同じ官僚が作る、いわば自作自演が日常的に行われているということです。全員とは言いませんが、長きに渡り政権を担ってきた政党の方の場合、同じ官僚が“質問”と“答弁”を同時に作成するということが行われているようです。これは私が言っているのではなく、当の官僚本人が言っていることです。民主党はお陰さまで、官僚は助けてくれませんので、自分で質問を作ります。当然のことなので、羨ましいとは思いません。皆さん、自作自演の委員会だったら、開会しない方がましだと思いませんか。
2004年12月24日
2004年12月13日
vol.005
先週に引き続き、国会議員になって初めて気がついたことを紹介します。
国会では本会議や各委員会が開会されます。私は、「総務委員会」、「沖縄及び北方問題に関する特別委員会」、「議院運営委員会」に所属しています。12月3日に閉会した臨時国会では、沖縄・北方特別委員会で30分、総務委員会では1時間の質問に立ちました。
委員会での質疑は、質問者と答弁者が交互に答えるスタイルをとります。一方、本会議では質疑者が複数まとめて一気に質問をし、各答弁者が順に登場して回答するというスタイルをとります。参議院本会議で、私ども民主党・新緑風会の大塚耕平議員が、ご自身の経験から答弁者のタイプを次ぎの3つに分類しました。
1つ目は、質問に対して明確かつ具体的な回答がある方です。この答弁者の場合は、明快な回答をしてくれるため、たとえ、意見が私と食い違っていても、心地良さを感じます。これが本来の答弁者のあるべき姿です。
2つ目は、詳細は未定、現在検討中ですという回答です。曖昧な回答によって、その場を逃れてしまうという方です。お蕎麦屋さんには申し訳ありませんが、いわゆる、蕎麦屋の出前が催促の電話に対して「たった今、出ました〜」というようなものです。検討中というよりは、質問されたので仕方がないからこれから検討しようという感じでしょうか。
3つ目は、無意味な回答を平然とする方です。「特に繰り返したからといって何の意味も明瞭さも付け加えないような同じ言葉の繰り返し」をする方です。例えば、「プール金があるということを踏まえ、どのような予防策を検討しているのでしょうか」という質問に対して、答弁者が「プール金という問題がなくなるように予防策を講じます」と回答するケース等です。何も回答していないのと同じです。つまり、「AがBである理由をお聞かせください」と聞くと「それはAがBだからです」と回答するような答弁です。実際にこのような答弁は、よくあります。信じられないでしょうが・・。
ここまでが、大塚議員の分析です。
実は、私は、これらの3つのタイプ以外にも、もう一つのタイプがあると思います。それは、全く質問の趣旨と違う回答、つまり時間稼ぎを目的に、「そんなことは聞いていないよ」と誰もが思う答弁をするタイプです。例えば、「これからの外交政策はアメリカ追従型でなく、国連を主体として展開すべきかと思いますが如何でしょうか」という質問に対して「そうです。やはり、フランスは大切です」と答弁するようなケースです。ちょっと極端な例かもしれませんが、これに似た話はいくらでもあります。つまり、「AはBですね」に対して「はい。CはDです」と答えるような場合です。
小泉首相の「人生いろいろ発言」や「自衛隊が派遣されている地域が非戦闘地域だ」という答弁がどのタイプに当てはまるでしょうか。小泉首相の場合は、プロトタイプには当てはまらないかもしれません・・・。予想を超えた答弁をして下さいますから。
次回は、質問取りという不思議な慣習(?!)について紹介します。
国会では本会議や各委員会が開会されます。私は、「総務委員会」、「沖縄及び北方問題に関する特別委員会」、「議院運営委員会」に所属しています。12月3日に閉会した臨時国会では、沖縄・北方特別委員会で30分、総務委員会では1時間の質問に立ちました。
委員会での質疑は、質問者と答弁者が交互に答えるスタイルをとります。一方、本会議では質疑者が複数まとめて一気に質問をし、各答弁者が順に登場して回答するというスタイルをとります。参議院本会議で、私ども民主党・新緑風会の大塚耕平議員が、ご自身の経験から答弁者のタイプを次ぎの3つに分類しました。
1つ目は、質問に対して明確かつ具体的な回答がある方です。この答弁者の場合は、明快な回答をしてくれるため、たとえ、意見が私と食い違っていても、心地良さを感じます。これが本来の答弁者のあるべき姿です。
2つ目は、詳細は未定、現在検討中ですという回答です。曖昧な回答によって、その場を逃れてしまうという方です。お蕎麦屋さんには申し訳ありませんが、いわゆる、蕎麦屋の出前が催促の電話に対して「たった今、出ました〜」というようなものです。検討中というよりは、質問されたので仕方がないからこれから検討しようという感じでしょうか。
3つ目は、無意味な回答を平然とする方です。「特に繰り返したからといって何の意味も明瞭さも付け加えないような同じ言葉の繰り返し」をする方です。例えば、「プール金があるということを踏まえ、どのような予防策を検討しているのでしょうか」という質問に対して、答弁者が「プール金という問題がなくなるように予防策を講じます」と回答するケース等です。何も回答していないのと同じです。つまり、「AがBである理由をお聞かせください」と聞くと「それはAがBだからです」と回答するような答弁です。実際にこのような答弁は、よくあります。信じられないでしょうが・・。
ここまでが、大塚議員の分析です。
実は、私は、これらの3つのタイプ以外にも、もう一つのタイプがあると思います。それは、全く質問の趣旨と違う回答、つまり時間稼ぎを目的に、「そんなことは聞いていないよ」と誰もが思う答弁をするタイプです。例えば、「これからの外交政策はアメリカ追従型でなく、国連を主体として展開すべきかと思いますが如何でしょうか」という質問に対して「そうです。やはり、フランスは大切です」と答弁するようなケースです。ちょっと極端な例かもしれませんが、これに似た話はいくらでもあります。つまり、「AはBですね」に対して「はい。CはDです」と答えるような場合です。
小泉首相の「人生いろいろ発言」や「自衛隊が派遣されている地域が非戦闘地域だ」という答弁がどのタイプに当てはまるでしょうか。小泉首相の場合は、プロトタイプには当てはまらないかもしれません・・・。予想を超えた答弁をして下さいますから。
次回は、質問取りという不思議な慣習(?!)について紹介します。
2004年12月03日
vol.004
最近、よくこんな質問をされます。それは、「国会議員になって生活が激変しましたか」とか「国会議員は、普段どのように時間を過ごしているんですか」という質問です。そんなわけで、国会議員になって不思議に思ったことや国会議員になって経験したことを数回にわたり、綴ってみようと思います。
まず、今回は、国会議員の一日を具体的にお教えします。といっても、各国会議員によって違います。また、日によっても相当行動が変わります。それをご理解のうえ、お読みください。例えば、私は12月1日、どんな活動をしたかをお知らせします(原稿を書いているのが、2日の夜、新幹線の中なので、今日がまだ終わっていないこともあり、例を1日としました。それ以外の意図はありません)。
■08:00〜
民主党の総務部門会議・地方分権WTの合同会議に出席しました。通常、部会は1時間ですが、今回はヒアリング先が2箇所だったため、2時間程度の会議となりました。衆参の総務委員会所属議員が中心ではありますが、もちろんそれ以外の方々も参加しています。議論の中心は、政府・与党が11月26日に合意した『国と地方の税財政改革』について、内閣官房、内閣府、総務省などから状況をお聞きして、質疑をしました。ただ、参議院では当日本会議が開会されるため、政策秘書を残して、私は09:15には退席しました。なお、私ができる限り出席しようとしている部会は、週3日程度です。他の部会を含め、全体としては、平日は朝8時から何らかの部会が開催されます。ちなみに、閉会中も開催される部会があります。
■09:30〜
1日は、本会議が開会されました。その本会議が開会される30分前には必ず参議院議員総会が開催されます。ちなみに、衆議院の代議士会に当たるのが、参議院の議員総会です。私は、本会議前の9:40から必ず開催される議院運営委員会に出席し、休憩に入った後、再度議員総会に出席します(つまり、議院運営委員会のメンバーは議員総会を途中退席して、再度戻るという行動パターンになります)。
■10:00〜
本会議が開かれ、所要20分で散会しました。今回は6つの法案を採決しましたが、すべて押しボタンでの採決でした。
■10:30〜
本会議散会後、13時までの約2時間半、総務委員会が開会されました。審議内容を極々簡単に紹介すると、郵便局の窓口で証券投資信託を販売できるようにするための特例に関する法律案です。民主党は、民業圧迫になることと証券の知識などが満足ではない郵便局窓口で投資信託を販売することは市場の混乱を招く危険がある等の理由で反対しました。結局、自民党と公明党の賛成で可決しました。これが次回の本会議の採決にかけられ、可決多数の場合、法として成立します。余談ですが、本会議で可決されると「法案」の案の文字がとれて、めでたく?「法」となります。今回の委員会は、2時間半程度でしたが、3時間以上となることも多々あります。長いときは、朝10時から夕方5時までというケースもあります。重要法案のときなどは、こんなケースも頻繁するようです。正直、“MAX2の原則”といって、会議に集中できるのは最大2時間までというのが、ビジネス社会の一つの通念です。それから考えると、ただ長ければ良いというものでもないような気もします。
■13:00〜
総務委員会散会後、12時からすでに開催されていた「情報公開法の改正を求める議院集会」に出席しました。私は、民主党の「情報公開法改正PT」の事務局次長を務めているため、この集会に参加し、弁護士や各種の市民団体の方々から情報未公開の実態についての具体的な事例を伺いました。ここでは、一言激励の挨拶をしました。この集会が14時に終わって、やっと昼食にありつけました。
■16:00〜
昼食後、自分の部屋に戻って書類の整理をしていたら、来客(マスコミ)があり、30分程度話をして、16時からの情報公開法PTの会議に出席するために、衆議院議員会館へ向かいました。会議は1時間ほど。部屋に戻ったのが、17時30分。ここから20時過ぎまで勉強、政策秘書との打ち合わせやHPの更新などをして帰宅。一昨日は、久しぶりに夜の会合がなかったので、早めに帰宅できました。
ま、こんな感じです。冒頭書いたように、日によって全く行動が異なりますので、一概には言えませんが、自分自身で自由になる時間は、ほんのわずかです。時間の使い方を上手くやらないと、無駄な時間だらけになってしまいます。ここがなかなか難しいところです。夜、地元に戻り、その日のうちに東京にトンボ帰りなんてことはしょっちゅうです。また、週末は、地元(静岡県)での活動で大概埋まります。政策を勉強する時間をどう生み出すかが、直近の課題といったところでしょうか・・・。
あくまでも例ですが、私が普段どのような行動をしているか多少はおわかり頂けたでしょうか。12月13日には、テレビ静岡で今年当選した参議院議員を取材してテレビ放映するそうです。その番組を観て頂ければ、もう少し詳しくわかるかもしれません。
まず、今回は、国会議員の一日を具体的にお教えします。といっても、各国会議員によって違います。また、日によっても相当行動が変わります。それをご理解のうえ、お読みください。例えば、私は12月1日、どんな活動をしたかをお知らせします(原稿を書いているのが、2日の夜、新幹線の中なので、今日がまだ終わっていないこともあり、例を1日としました。それ以外の意図はありません)。
■08:00〜
民主党の総務部門会議・地方分権WTの合同会議に出席しました。通常、部会は1時間ですが、今回はヒアリング先が2箇所だったため、2時間程度の会議となりました。衆参の総務委員会所属議員が中心ではありますが、もちろんそれ以外の方々も参加しています。議論の中心は、政府・与党が11月26日に合意した『国と地方の税財政改革』について、内閣官房、内閣府、総務省などから状況をお聞きして、質疑をしました。ただ、参議院では当日本会議が開会されるため、政策秘書を残して、私は09:15には退席しました。なお、私ができる限り出席しようとしている部会は、週3日程度です。他の部会を含め、全体としては、平日は朝8時から何らかの部会が開催されます。ちなみに、閉会中も開催される部会があります。
■09:30〜
1日は、本会議が開会されました。その本会議が開会される30分前には必ず参議院議員総会が開催されます。ちなみに、衆議院の代議士会に当たるのが、参議院の議員総会です。私は、本会議前の9:40から必ず開催される議院運営委員会に出席し、休憩に入った後、再度議員総会に出席します(つまり、議院運営委員会のメンバーは議員総会を途中退席して、再度戻るという行動パターンになります)。
■10:00〜
本会議が開かれ、所要20分で散会しました。今回は6つの法案を採決しましたが、すべて押しボタンでの採決でした。
■10:30〜
本会議散会後、13時までの約2時間半、総務委員会が開会されました。審議内容を極々簡単に紹介すると、郵便局の窓口で証券投資信託を販売できるようにするための特例に関する法律案です。民主党は、民業圧迫になることと証券の知識などが満足ではない郵便局窓口で投資信託を販売することは市場の混乱を招く危険がある等の理由で反対しました。結局、自民党と公明党の賛成で可決しました。これが次回の本会議の採決にかけられ、可決多数の場合、法として成立します。余談ですが、本会議で可決されると「法案」の案の文字がとれて、めでたく?「法」となります。今回の委員会は、2時間半程度でしたが、3時間以上となることも多々あります。長いときは、朝10時から夕方5時までというケースもあります。重要法案のときなどは、こんなケースも頻繁するようです。正直、“MAX2の原則”といって、会議に集中できるのは最大2時間までというのが、ビジネス社会の一つの通念です。それから考えると、ただ長ければ良いというものでもないような気もします。
■13:00〜
総務委員会散会後、12時からすでに開催されていた「情報公開法の改正を求める議院集会」に出席しました。私は、民主党の「情報公開法改正PT」の事務局次長を務めているため、この集会に参加し、弁護士や各種の市民団体の方々から情報未公開の実態についての具体的な事例を伺いました。ここでは、一言激励の挨拶をしました。この集会が14時に終わって、やっと昼食にありつけました。
■16:00〜
昼食後、自分の部屋に戻って書類の整理をしていたら、来客(マスコミ)があり、30分程度話をして、16時からの情報公開法PTの会議に出席するために、衆議院議員会館へ向かいました。会議は1時間ほど。部屋に戻ったのが、17時30分。ここから20時過ぎまで勉強、政策秘書との打ち合わせやHPの更新などをして帰宅。一昨日は、久しぶりに夜の会合がなかったので、早めに帰宅できました。
ま、こんな感じです。冒頭書いたように、日によって全く行動が異なりますので、一概には言えませんが、自分自身で自由になる時間は、ほんのわずかです。時間の使い方を上手くやらないと、無駄な時間だらけになってしまいます。ここがなかなか難しいところです。夜、地元に戻り、その日のうちに東京にトンボ帰りなんてことはしょっちゅうです。また、週末は、地元(静岡県)での活動で大概埋まります。政策を勉強する時間をどう生み出すかが、直近の課題といったところでしょうか・・・。
あくまでも例ですが、私が普段どのような行動をしているか多少はおわかり頂けたでしょうか。12月13日には、テレビ静岡で今年当選した参議院議員を取材してテレビ放映するそうです。その番組を観て頂ければ、もう少し詳しくわかるかもしれません。
2004年11月27日
vol.003
<またもや、名ばかりの小泉改革>
国と地方の税財政改革、いわゆる「三位一体改革」のことです。実は、この件は、郵政民営化と合わせて民主号外12月号に掲載しようと考えていたテーマですが、26日にその概要が明らかになったことを受けてコメントすることにしました。
本来は、政策を推進する権限を地方に移譲し、地方が自由裁量のもとで責任をもって自治体経営をして、地方の自立を確立しようというのが、地方分権の目的です(ちなみに、私は「地方主権」と言い続けています)。権限だけを地方に移しても、実際にその政策を推進する財源やその分配方法などが国にコントロールされているのでは、地方は手も足も出せません。そこで、使い方が限定された補助金を削減し、その代わりに地方が自らの裁量と自己責任のもとで自由に使える財源を持ち(税源を移譲し)、地方交付税の見直しを図り、地方に自助努力をしてもらおうということが、三位一体改革なのです。これまでは、大雑把にいえば、国が、使い方を限定した補助金を地方に与えるとともに、そもそも財政力の小さい自治体に交付税を渡してきました。その結果、財源を分配する権限をもつ省庁が地方に対して権限を握ってきたのです。
26日の最終案は、地方主権の本来の目的とはほど遠い結論でした。政府・与党が、改革を先送りしたことは歴然です。地方、各省庁、与党の利害が対立する構造を打破できず、すべてを1年後に先送りしました。例えば、1年だけの暫定措置として4,250億円の義務教育費の国庫負担削減を決め(地方6団体案では、8,500億円)、最終的には来年秋の中央教育審議会の結論を待つこととしました。生活保護関連の補助金については、今回は見送り、やはり新設する国と地方の協議会に結論を委ねました。また、国民健康保険の補助率を下げ、7000億円を削減しました。こうして、結局は数字合わせに終始しました。もともとは2005年の予算で実施するはずでしたが、これを2005年と2006年の2年間で行うという結論にしたことが、調整を可能にした理由です。すなわち、1年後への「先送り」がキーワードとなり、合意が形成されたのです。
この最終案を小泉首相は自画自賛していますが、これでは改革ではなく、単なる政策調整です。小泉首相が考える三位一体改革はこの程度だったのかとがっかりしました。全国知事会会長の梶原岐阜県知事は、今回の最終案を60点と評価しましたが、私は、全く評価に値しないと思います。それは、この最終案では、当初の目的である地方の自己責任に裏打ちされた自由裁量権はほとんど拡大しないからです。それに加え、補助金を全額削減するのでなく、補助率を下げるという手法では、中央政府は小さな政府になりません。権限と業務はそのまま中央省庁に残るからです。実のところは、政府には地方主権を進めようという意欲や熱意はないとしか考えられません。またもや、名ばかりの小泉パフォーマンス改革でした。
国と地方の税財政改革、いわゆる「三位一体改革」のことです。実は、この件は、郵政民営化と合わせて民主号外12月号に掲載しようと考えていたテーマですが、26日にその概要が明らかになったことを受けてコメントすることにしました。
本来は、政策を推進する権限を地方に移譲し、地方が自由裁量のもとで責任をもって自治体経営をして、地方の自立を確立しようというのが、地方分権の目的です(ちなみに、私は「地方主権」と言い続けています)。権限だけを地方に移しても、実際にその政策を推進する財源やその分配方法などが国にコントロールされているのでは、地方は手も足も出せません。そこで、使い方が限定された補助金を削減し、その代わりに地方が自らの裁量と自己責任のもとで自由に使える財源を持ち(税源を移譲し)、地方交付税の見直しを図り、地方に自助努力をしてもらおうということが、三位一体改革なのです。これまでは、大雑把にいえば、国が、使い方を限定した補助金を地方に与えるとともに、そもそも財政力の小さい自治体に交付税を渡してきました。その結果、財源を分配する権限をもつ省庁が地方に対して権限を握ってきたのです。
26日の最終案は、地方主権の本来の目的とはほど遠い結論でした。政府・与党が、改革を先送りしたことは歴然です。地方、各省庁、与党の利害が対立する構造を打破できず、すべてを1年後に先送りしました。例えば、1年だけの暫定措置として4,250億円の義務教育費の国庫負担削減を決め(地方6団体案では、8,500億円)、最終的には来年秋の中央教育審議会の結論を待つこととしました。生活保護関連の補助金については、今回は見送り、やはり新設する国と地方の協議会に結論を委ねました。また、国民健康保険の補助率を下げ、7000億円を削減しました。こうして、結局は数字合わせに終始しました。もともとは2005年の予算で実施するはずでしたが、これを2005年と2006年の2年間で行うという結論にしたことが、調整を可能にした理由です。すなわち、1年後への「先送り」がキーワードとなり、合意が形成されたのです。
この最終案を小泉首相は自画自賛していますが、これでは改革ではなく、単なる政策調整です。小泉首相が考える三位一体改革はこの程度だったのかとがっかりしました。全国知事会会長の梶原岐阜県知事は、今回の最終案を60点と評価しましたが、私は、全く評価に値しないと思います。それは、この最終案では、当初の目的である地方の自己責任に裏打ちされた自由裁量権はほとんど拡大しないからです。それに加え、補助金を全額削減するのでなく、補助率を下げるという手法では、中央政府は小さな政府になりません。権限と業務はそのまま中央省庁に残るからです。実のところは、政府には地方主権を進めようという意欲や熱意はないとしか考えられません。またもや、名ばかりの小泉パフォーマンス改革でした。
2004年11月18日
vol.002
<2度目の質問が無事?終了しました>
本日、総務委員会で質問に立ちました。10月29日に「沖縄・北方問題に関する特別委員会」で初質問に立って以来、2度目の質問でした。昨日は、政策秘書の釜我君と夜10時過ぎまで国会の事務所で質問原稿を作っており、準備はそれなりにしていたつもりですが、やはり反省点はいっぱい残りました。
今回の持ち時間は1時間。朝10時から開会した総務委員会ですが、自民党の議員が持ち時間30分のところ17分で切り上げてしまったので、予定より13分早いスタートでした。今回は、2度目ということもあり、それほど緊張しませんでしたが、時間配分の難しさは解消されませんでした。総務委員会の答弁者は、麻生総務大臣を中心として、その他の政府関係者(いわゆる中央省庁の局長以上クラスの方々)です。
今回の法案は、「特別職職員の給与引き下げ」と「公務員の災害補償に係る障害の等級の改定」です。これだけ聞いてもなんのことかはわからないと思いますので、すっごく大雑把に説明します。要するに、何種類か審議会が存在しているのですが、そのうち、国会の同意が必要な重要案件を審議する審議会の委員の給与を引き下げるという法案が「特別職職員の給与引き下げ」です(本当はもっと長〜い名前の法案です)。そして、もう一つの法案は、公務員が業務上の災害で指をなくした場合、それぞれの等級を改定しようという法案です。要するに、災害には等級があって、それぞれ補償が違います。一つだけ例を挙げると、いままで手の小指を失ってもそれほどの補償がなかったのですが、パソコンを打つことが日常化したため、小指の重要性が比較的増したということで今回等級を挙げようじゃないかという改定です。わかって頂けたでしょうか。
この程度の法案で、その中身について1時間質問するというのは、なかなか至難の業です。そこで、私は、審議会制度の構造と内容、およびそれに掛けて、NHKの不祥事絡みでの経営委員会(これも国会同意人事機関)の情報公開等について質問しました。関心がある方は、詳細を後日掲載する議事録を読んでみてください。要するに、審議会と言われているものは、現在全省庁で109あって、委員数は延べ1773名です。審議会の人事には、いくつかのルールが閣議決定されていますが、あくまでも原則であるため、その原則を逸脱しているケースが沢山あるのです。お得意の「特段の事情がある場合は、この限りではない」というフレーズです。今回は、この点を追求した訳です。最も大きな問題は審議会を掛け持ちしている兼職者の問題と各省庁出身者(官僚OB)が委員に就いていると言うことです。兼職が多いということは、複数の審議会を掛け持ちしているため、審議に集中出来ない可能性が高いという問題点があります。また、出身官僚が委員を務めると、その省庁の利益になるような結論に誘導されることが開催する前から決まっているのと同じになり、審議会を開催する意味がなくなってしまうことになります。兼職以外は、各省庁の自己判断であり、各省庁の調整をする役目を持つはずの総務省も内閣府も、自分たちの業務ではないというような結論でした。時間切れで、それ以上の追求を断念し、別の質問に入ってしまいました。
今回も、冒頭書いた通り、1時間の時間配分が難しく、点数を付けるとすると、せいぜい65点くらいだったかなと思います。途中から時間を気にしすぎて、追求をやめて、次の質問に移ってしまったことが2〜3度あったことが大きなマイナス点です。場数を踏むことが肝心だと再度痛感しました。今臨時国会は、突発的なことがないかぎり、質問に立つことはなさそうです。来年の総務委員会は重要案件がいっぱい出てきそうですので、基礎体力を付けて、備えなければなりません。
本日、総務委員会で質問に立ちました。10月29日に「沖縄・北方問題に関する特別委員会」で初質問に立って以来、2度目の質問でした。昨日は、政策秘書の釜我君と夜10時過ぎまで国会の事務所で質問原稿を作っており、準備はそれなりにしていたつもりですが、やはり反省点はいっぱい残りました。
今回の持ち時間は1時間。朝10時から開会した総務委員会ですが、自民党の議員が持ち時間30分のところ17分で切り上げてしまったので、予定より13分早いスタートでした。今回は、2度目ということもあり、それほど緊張しませんでしたが、時間配分の難しさは解消されませんでした。総務委員会の答弁者は、麻生総務大臣を中心として、その他の政府関係者(いわゆる中央省庁の局長以上クラスの方々)です。
今回の法案は、「特別職職員の給与引き下げ」と「公務員の災害補償に係る障害の等級の改定」です。これだけ聞いてもなんのことかはわからないと思いますので、すっごく大雑把に説明します。要するに、何種類か審議会が存在しているのですが、そのうち、国会の同意が必要な重要案件を審議する審議会の委員の給与を引き下げるという法案が「特別職職員の給与引き下げ」です(本当はもっと長〜い名前の法案です)。そして、もう一つの法案は、公務員が業務上の災害で指をなくした場合、それぞれの等級を改定しようという法案です。要するに、災害には等級があって、それぞれ補償が違います。一つだけ例を挙げると、いままで手の小指を失ってもそれほどの補償がなかったのですが、パソコンを打つことが日常化したため、小指の重要性が比較的増したということで今回等級を挙げようじゃないかという改定です。わかって頂けたでしょうか。
この程度の法案で、その中身について1時間質問するというのは、なかなか至難の業です。そこで、私は、審議会制度の構造と内容、およびそれに掛けて、NHKの不祥事絡みでの経営委員会(これも国会同意人事機関)の情報公開等について質問しました。関心がある方は、詳細を後日掲載する議事録を読んでみてください。要するに、審議会と言われているものは、現在全省庁で109あって、委員数は延べ1773名です。審議会の人事には、いくつかのルールが閣議決定されていますが、あくまでも原則であるため、その原則を逸脱しているケースが沢山あるのです。お得意の「特段の事情がある場合は、この限りではない」というフレーズです。今回は、この点を追求した訳です。最も大きな問題は審議会を掛け持ちしている兼職者の問題と各省庁出身者(官僚OB)が委員に就いていると言うことです。兼職が多いということは、複数の審議会を掛け持ちしているため、審議に集中出来ない可能性が高いという問題点があります。また、出身官僚が委員を務めると、その省庁の利益になるような結論に誘導されることが開催する前から決まっているのと同じになり、審議会を開催する意味がなくなってしまうことになります。兼職以外は、各省庁の自己判断であり、各省庁の調整をする役目を持つはずの総務省も内閣府も、自分たちの業務ではないというような結論でした。時間切れで、それ以上の追求を断念し、別の質問に入ってしまいました。
今回も、冒頭書いた通り、1時間の時間配分が難しく、点数を付けるとすると、せいぜい65点くらいだったかなと思います。途中から時間を気にしすぎて、追求をやめて、次の質問に移ってしまったことが2〜3度あったことが大きなマイナス点です。場数を踏むことが肝心だと再度痛感しました。今臨時国会は、突発的なことがないかぎり、質問に立つことはなさそうです。来年の総務委員会は重要案件がいっぱい出てきそうですので、基礎体力を付けて、備えなければなりません。
