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2011年12月28日

Vol.143 待ったなしの3つの問題

 今、政府・与党が議論している「社会保障改革」と「財政立て直し」と「税」の3つの問題は切り離せない課題である。これら3つの問題は一体であって、どれかをやればどれかをやらなくても済むという次元ではない。
 よく「まず公務員給与の引き下げと国会議員定数を削減してからでなければ消費税を上げるべきではない」という意見を主張する方々がいる。確かに国民の納得性という点では、この意見はわかりやすいし、多くの方に理解してもらえやすい。しかし、これは、あくまでも国民の納得性の優劣の議論である。国民が納得しにくいことであってもやるべきことであればその理由を説明する責任が国会議員にはある。「国民が納得しないからやるべきでない」と言っているのは、「国民に納得してもらうだけの説明能力が自分たちにはありません」と言っているのと同じである。
これら3つの問題は、どちらが先でどちらが後という話ではなく、一体的に進めるべきことである。たとえ、社会保障制度改革や財政健全化策(ムダを無くす、あるいは国会議員や公務員が痛みを負うなど)が中途半端だとしても、それが理由で消費税に手をつけないという理由にはならないのだろうと思う。正直、私個人として言えば、政府の社会保障改革と行財政改革は手ぬるいと感じている。まだまだ将来世代への負担は重く、世代間格差は縮まらない。ムダと思われる事業も減らせる余地がある。民主党は岡田克也議員を筆頭に独立行政法人や特別会計などの行政改革に取り組んでいるが、実際の成果を出せるのは来年以降となる。いずれにしても、実際の消費税増税は来年度のことではなく、2013年度以降のことである。今議論をして結論を得ておかなければ2013年には間に合わなくなる。

 目先のメリットを優先すると、後々苦労するのは現役世代や将来世代である。本来は10年あるいは15年前に着手しておかなければならなかった課題に今取り組むから負担や苦労が膨れあがってしまったという現実を考えると、これ以上先送りはできない。これ以上先送りすると、さらに将来世代の負担と苦労が大きくなってしまう。
 大事なことは、ここで自公政権がしてきたように結論を先送りして曖昧な姿でお茶を濁すのではなく、明確に将来の姿(できれば最終形)を示すことである。そのためにも、消費税増税の時期と率を今のうちに示しておくことが、政権与党の責任だと思うのだが、皆さんはどのようにお考えになるだろうか。(2011年12月28日)
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2011年09月07日

Vol.142  リーダー像は変化する

 私は2004年末の自身のウェブサイトで「今後のリーダー像」について記述したことがある。その年は、カリスマ経営者と言われた方がトップを勤めていた大手企業が軒並み合併、売却、産業再生機構からの支援を受けた年である。私はその中で「強いリーダーシップだけに依存する体質が風通しの悪さを招き、リーダーは裸の王様化してしまい、マーケットに最も近い現場の声がトップに届かなくなってしまった。」と書いた。
 政治も企業と同じことが言えると思う。「政治に強いリーダーを求める」という声をよく耳にするが、強ければ良いのか。また、強さとは何を意味するのか。おそらく答はバラバラだろう。
 リーダーシップに関する本を何冊か読むと、リーダーをカリスマ的か否かに分類する方法が目につく。広辞苑によると、カリスマとはギリシア語で「神の賜物」を意味する。カリスマは、個人が持つ、人を引きつける強い力を表現した漠然とした言葉ではあるが、個人的特質だけから生まれるのではなく、リーダーとフォロワー(リーダーに従う人)との関係から生まれるようだ。
 カリスマ性が強くなればなるほどフォロワーはリーダーを称え、忠誠を誓うようになる。そうなると早晩“盲目的追従”、つまり「リーダーの言動はすべて正しい」という判断に陥ってしまう。特に社会や組織が危機的状況に陥った時、あるいは知識と情報が欠如して判断力がないフォロワーが集まっている時に、リーダーにカリスマ性を求める。例えば、ヒトラーは意図的に危機を煽ってカリスマ性をもったリーダーになった例かもしれない。
 求められるリーダー像は状況に応じて変化する。特に情報革命が、大きくリーダーシップ像を変えた。情報社会になると、リーダーとフォロワーの情報量の差が小さくなり、トップダウンでリーダーがフォロワーを指揮・管理することができにくくなる。また、時としてフォロワーの方が知識や情報が豊富なケースが生まれ、組織はフラット化する。組織がフラット化すると、リーダーがフォロワーに知識や判断材料を与える機会は減り、フォロワーは自力で情報を入手し、判断することができるようになり、権威に対して敬意を払わなくなる。
 そのため、カリスマ性あるリーダーの待望論は少なくなり、リーダーには「大局的に全体を見渡して重要度や優先順位をつける総合的能力」「危機が来ても動じない胆力」「人をうまく使いこなす人心掌握力」等が必要になる。そして、リーダーには何よりもフォロワーのお手本(規範)になることが求められる。金や女性のスキャンダルがあるような倫理感が欠如した人は、真のリーダーにはなれない。
 さて、野田首相がどんなリーダーシップを発揮するかも重要だが、私たちには民主党と日本の政治に信頼を取り戻すためのリーダーを支えるフォロワーシップが必要であることを認識しておかなければならない。フォロワーあってのリーダーであり、リーダーあってのフォロワーである。(2011年9月7日)
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2011年08月04日

Vol.141  名を取るか実を取るか

 今日の朝刊に「来年度、子ども手当廃止・児童手当復活」の言葉が踊っていた。しかし、民自公の合意内容をみると、必ずしも子ども手当が廃止されるとは読み取れない。気分(印象)だけで表現すると「子ども手当廃止」と報道が書きたくなるのもわからないではないが、実態は違う。

 合意した内容は、支給額が旧児童手当よりも増えたことに加え、児童手当では支給されていなかった中学生にも支給することになっている。つまり、支給年齢は民主党政権で実施していた子ども手当と同じ。支給額は民主党政権下で実施していた13,000円が変更になったが、3歳未満と3〜12歳の第3子には15,000円を支給する。つまり、子ども手当よりも支給額が2,000円増える。もっとも中学生には10,000円を支給することになるため、現行よりも3,000円減額される。最終的に26,000円を支給するとしていたことは現時点では実行できない。この点は申し訳なく感じている。
 次に民主党は所得制限を設けないとしていたが、来年度からは所得基準を年収960万円とし、所得制限を設けることで合意した。ただ、今回の合意で、税制上、財政上の措置を施すことを検討するとして、結局は所得制限世帯に配慮することとしている。つまり、手当で配慮するか、税制、財政上の措置で配慮するかの違いであって、極めて技術的である。
 世論には所得制限には賛否両論あることは知っているが、私は所得制限を設けるべきでないと考えている。子どもを社会全体で育てるという理念があるからこそ、税金で支援しましょうということになる。では、その税金は誰が払っているかと言えば、より所得が高い人がより多く税金を払っている。つまり、所得が高い人がいなければこの制度は成り立たない。そうであれば、より多額の税金を支払っている高額所得世帯であっても、税金を払っていないあるいは税額が少ない世帯とせめて平等に手当の支給を受けてもおかしくないのではないかと思う。平等で公平な社会を創りたければ、せめて同額の支給は当然であろうと思う。「税金は払ってください。でも手当は差し上げません。」というのでは不公平ではないか。そんなことをしたら納税意識がどんどん薄れてしまうだろうし、1人の人間である以上、所得が高かろうが低かろうが法の下の平等は守られるべきである。感情的にはわからないでもないが、そもそも人間を所得の多寡だけで区別するというのも随分と一面的である。
 要するに、今回の子ども手当の見直しの結果、高額所得者には配慮した上で中学生までは支給をそのまま残し、年齢によっては従来の子ども手当より多額の手当を支給するという見直しである。
 ただ、見直しの結果、制度が複雑になること、児童手当の制度の拡充となれば地方の財政的負担が増えること、所得制限を設けたことによって地方行政の事務負担(コスト)が増える可能性があることなど、マイナス面の側面も否定できない。最終的に精査しないと結論づけられないが、総合的にみて従来の民主党の子ども手当と今回合意した手当を比較すると、大騒ぎした割にはさほど内容的にも金額的にも変わらないような気がする。
 「名を捨てて実を取った民主党」と「実を捨てて名を取った自民党・公明党」と、どちらを評価するか、是非国民の皆さんと報道各社の冷静な分析に期待したい。(2011年8月4日)
posted by 藤本祐司事務所 at 18:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月26日

Vol.140   マニフェスト検証批判の原因は、悪意か無知か。

 去る7月21日、岡田幹事長は定例会見でマニフェスト検証に関して発言をした。その発言に対して報道や野党のみならず、与党の一部からも批判の声があがっている。
 岡田幹事長の発言は、「2009年マニフェスト(政権交代時の総選挙マニフェスト)において概ね実現したものが多数ある。ただ、残念ながらいまだ実現していないものがあり、その理由としては実現の見通しについて検討不十分なところがあった。その見通しの甘さについて国民の皆様に率直にお詫びを申し上げる。」という趣旨であった。
 つまり、一部の報道や野党が言うように、マニフェストを撤回するとか、見直すという話ではなく、あくまでも政権交代から2年の折り返し点で検証している途中経過を述べたに過ぎない。また、マニフェストは4年の任期中に実行する政策である。そもそも2年で全ての結果を出すことは想定していない。
 考えてもらえればわかることだが、マニフェストは“総選挙の前”に国民に提示する政策集である。総選挙が決まっていない現時点で“見直す”という話はあり得ない。見直す時は総選挙の前である。折り返し点の今ではない。
 また、マニフェストを全面的に撤回しろという野党からの意見もあるが、岡田幹事長が言ったように、概ね実現した政策が多数ある中で全面的に“撤回する”ということもあり得ない。ほとんどの政策が実現できていないのであれば撤回という批判もあり得るかもしれないが、検証して概ね実現しているとなれば撤回はありえない。幹事長は、実現できていない政策がいくつかあることは認めた上で、その個別の政策についてはマニフェスト作成段階での見通しが甘かったと言ったにすぎない。

 ところで、マニフェスト先進国である英国の場合、選挙に敗れた野党は、与党がマニフェストで掲げた主要政策については原則反対しない。つまり、選挙の時点で国民がそのマニフェストを良としたことを尊重し、野党はその政策には抵抗をしない。国民の選択を尊重するのが民主主義だからだ。
 一方、日本の場合、野党は与党民主党が掲げた主要政策、例えば子ども手当などを撤回しなければ公債特例法を通さないと抵抗している。国民が選択したマニフェストの主要政策を盾に取って与党を攻めている。政治成熟国ではあまり聞かない話である。
 マニフェストの本来の意味を考えて批判するのであれば良いが、現状をみていると悪意か無知かどちらか一方での批判のような気がしてならない。なんとかしなくては・・・。(2011年7月26日)。
posted by 藤本祐司事務所 at 17:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月12日

Vol.139  ニュースの読み方・聞き方

 昨晩(7月11日)、その日の党役員会で岡田幹事長が8月初旬の代表選の可能性を示したというデマというか噂が報道各社の間に飛び交ったようだ。昨晩の夜10時から11時の間に5人の新聞記者から私に電話が入った。つまり、岡田幹事長の発言が事実かどうかを聞くために、私に電話で確認しようということだった。今朝も数社から確認の電話が入っている。

 事の発端は、NHKが「岡田幹事長が8月初旬にも代表選を実施することに言及した」というニュースを流すという情報が報道各社に入ったことにあったようだ。実際に岡田幹事長は、役員会でその趣旨の発言は全くしていない。誓っても良いが一切“代表選”の“だ”の字も発言していない。NHKに問い合わせてみると「役員会で発言したなんてことはNHKは一言も言っていません。」とのことだった。確かに12日の朝のニュースでも“役員会”の3文字はどこにも出てこなかった。
 各報道も正確な情報ではなく、伝聞したことに反応して私にも確認してきたのだろう。記者が確認しようとした(裏を取ろうとした)ことは評価できる。ただ、私が確認の電話に対して事実を話したにもかかわらず、某新聞は「党役員会で岡田幹事長が8月早々にも代表選を実施したいと強調した」という記事が掲載された。悪意があるのではないかと疑ってしまう。あるいは取材方法に問題があるのではないかと思う。

 この手のことは多々あって、かなり噂や見込みが先行して報道されることがある。また、マイクを向けられると、事実と想像(というか自説)をごちゃ混ぜにして答える政治家もいる。誤解が誤解を呼び、憶測が憶測を呼んで事実とは全く異なる記事が新聞やテレビで発せられる場合もあるようだ。読者が、何が真実かを見分けることは容易ではない。となれば、“話半分”としてニュースを見たり聞いたりして丁度良いのかもしれない。(2011年7月12日)
posted by 藤本祐司事務所 at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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