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2007年07月04日

vol.086  “私の内閣”はお粗末な内閣!!

 7月3日、久間防衛大臣が辞任した。6月30日の柏市での講演のことである。米国の原爆投下に関し「あれで戦争が終わったんだという頭の整理で、しょうがないと思っている。それに対して米国を恨むつもりはない」と述べたのだ。
 
 日本の政治家として絶対に言ってはならない、いや、思ってはならないことを言ってしまったのではないだろうか。戦争を終結するために原爆投下はしょうがないということは、核兵器使用を是認することになる。戦争が始まってすぐに原爆を投下し、「戦争を長引かせないために原爆を落とした」という理屈が通用することになってしまう。ましてや、世界唯一の被爆国である日本の政治家が言ったことはたいへん重大だ。外国からすれば「自国の国民の生命を守らなければならない政治家が原爆を容認する程度だから、核兵器使用は問題はない」と考えてもおかしくない。

 この久間発言に対して、安倍首相はさほど重要ではないかのように振舞った。民主党小沢代表との党首討論でも久間大臣をかばっていた。日本国民よりも自分の内閣、安倍首相流に言えば“私の内閣”の方が大事なのだろう。安倍首相は、久間発言直後に罷免するべきだった。また、対応が後手に回った。
 本間税制調査会長、故松岡前農水大臣と言い、罷免するのが遅すぎた。このことは、国民誰もが感じていたことだ。今回は、その時の学習効果が発揮されるべきだった。なんとも情けない首相である。こんな首相に国を託していたかと思うと嘆かわしい。

 さて、久間大臣辞任は、自民党や公明党に参議院議員選挙で迷惑がかかるからという理由だったようだ。この発言にも恐れいってしまう。選挙で不利になるから辞める。裏を返せば、選挙がなければ辞めないということだ。自分の発言が間違っていたから、国民の皆様、特に被爆者やその遺族の方々に深く謝罪しなければならず、防衛大臣として責任を取って辞めるというのが筋だと思うし、それが常識だと思う。

 某政治評論家が朝のワイドショーでこんなことを言っていた。「参議院議員選挙の前に大臣がこのような発言をするのは、センスがない。何年政治家をやっていたんだ。政治家としての資質が問われる。」と。私に言わせると、この政治評論家もセンスがないし、頭が古い。政治家としての資質は、選挙前に言ったかどうかではなく、日本の防衛大臣が「原爆投下はしょうがない」と発言をしたことにある。

 とかく、政治家や政治評論家は選挙にとって得になるか損になるかを言動の判断基準にするようだ。サラリーマンを20年以上経験してきた私としては、“選挙に得か損か”は後から付いてくるものだと思っている。まず、政治家の発言や行動が、『正しいか正しくないか』『公平か公平でないか』を基準とすべきである。その点からも、久間大臣の辞任の理由は、「しょうがない」発言に勝るとも劣らない永田町の常識、すなわち、国民からみて非常識な発言だ。

 米国の原爆投下を容認した久間大臣が辞任した翌日は、米国の独立記念日である。なんとも皮肉なタイミングでの辞任劇だったことか。
(2007年7月4日)
posted by 藤本祐司事務所 at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ

2007年06月27日

vol.085 みのポリティックスの功罪

 毎日、朝から「みのもんた」氏がテレビで政治や社会問題を取り上げて、コメントしている。日経新聞は、みの氏の政治的影響力を“みのポリティックス”と称し、記事を掲載していた。

 みのもんた氏は、政治とお茶の間の距離を縮めた点は、一定の評価に値するかもしれない。多くの国民が、みのもんた氏の発言に耳を傾ける。テレビへの街頭インタビューを受けた時も、みの氏の発言をあたかも自分の考えであるかのように発言する。それだけ、みの氏の政治的な影響力は大きいことが伺える。

 最近、そのみの氏の言動には首を傾げざるを得ないことが増えた。安倍総理と友人といわれるみの氏が、本当に中立客観的な発言をしているとは思えない場面が多くなってきた。まるで自民党の広報担当責任者のような発言が目立つ。

 例えば、年金問題に関する発言。みの氏は「この問題で与野党が対立している場合ではない。与野党協力して国民のことを考えるべきだ。」といった趣旨の発言をする。この発言を聞くと、たいていの方は「その通り」と思うだろう。確かに間違ったことは言ってはいない。しかし、同時に与野党が対立しているのは、あたかも野党のせいだといった印象も与える。安倍総理が自分たちの責任逃れのために、同じような発言を繰り返しているから、余計に「野党が悪い」という印象を強くする。表面的に捉えれば、みの氏の発言は正しい。しかし、よく事実関係を考えると、みの氏の発言は国民に誤解を与え、間違った世論を形成している。

 年金の問題は、民主党の長妻議員を中心に党を挙げて3年以上かけて丹念に調べてきた成果である。しかも、今年の初めに長妻議員が国会で質問した際に、安倍総理は「国民の不安をあおるだけだ」と一蹴し、何の対応策も講じないまま、時が過ぎた。民主党は業を煮やして、5月7日に自民党に先んじて『消えた年金を取り戻すための法案』を提出した。
 その後、マスコミが大きく報道をし始めたことをあせった与党が、僅か2日で法案を作り、衆院では僅か4時間で採決した。しかも、先に提出していた民主党案を審議対象とせず、一夜漬けで作成した政府案のみを審議対象とした。

 与野党が協力すべきというのであれば、野党案も一緒に審議すべきだ。与党のせいで与野党対立といった構図になっていることを棚に上げて、安倍総理のお友達の「みのもんた」氏は、野党が悪いという印象を国民に与え続けている。しかも公共の電波を使って。
 
 みの氏のラジオ番組に安倍総理が出演して、自民党のPRをしていたこともご記憶のことだろう。先日、自民党の鴻池参議院議員が、ご自身のブログにチーム安倍の面々を「仲良し官邸団」と呼んで批判していた。みの氏もその「仲良し官邸団」の一員なのかなと疑いたくなる。公共性の高いテレビやラジオでの偏った政治的影響力は“悪”である。
(2007年6月27日)
posted by 藤本祐司事務所 at 15:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ

2007年06月22日

vol.084 国民の立場にたった議論とは

 安倍首相は、しばしば「国民の立場にたって考えなければならない」と言う。当たり前のことだ。では、国民の立場にたった議論とはどんな議論だろうか。

 年金を例に取ると、自分の年金記録がきちんと管理され、受給年齢に達した際に正確に受給を受けることができるか、すでに受給年齢に達している方々は、正しい年金額を受け取っているのかが、大きな関心事であろう。また、自分の年金記録が万一間違っていたら訂正してもらえるのか、訂正にはどんな手続きが必要か、さらには、自分の個人情報が外に漏れないかなどが気になるところだと思う。これらへの対応策を具体的に示して国民が安心できるようにすることが重要である。では、今政府・与党が示した方策で、果たして国民が不安に感じなくなったのか。

 このような観点から、私は19日、厚生労働委員会で質問した。領収証などの支払い証明を提出できない人はどうするのか。また、病気や高齢のため社会保険庁に行けない人はどうすれば良いのか。政府案では、社会保険庁とは別に各都道府県に「年金記録確認第三者委員会」を設置して、申請者の言い分を聞き、言い分を認めると判断した場合には社会保険庁にあっせんすると言う。しかし、第三者委員会は全国で50ヶ所程度というから、おそらく県庁所在地に設置される程度だろう。

 静岡県下田市に住む方の場合、1日かけて静岡まで行って帰ってこなければならない。仕事を休まなければならないかもしれない。交通費も往復1万円を超える。費用弁償してくれるのか。それとも自己負担するのか。委員会では、「交通費の負担等はまだ検討していない。」という答弁だった。ただ、総務副大臣は、「各市町村の行政指導委員を自宅に訪問させる」とも答弁した。もし、それができれば国民の負担は減る。しかし、年金の仕組みはとても複雑であり、しかも年金記録はオンラインのコンピューター以外では確認できない。紙台帳も外部に持ち出すことはできない。となると、その行政相談委員は何度も何度も相談された方の自宅を訪問しなければならなくない。相当の労力と時間がかかってしまう。

 口で言うほど簡単ではない。これで、皆さんが納得できるだろうか。電話相談も、電話をかけてもつながらずあきらめた方もいただろう。第三者委員会も行政相談の訪問も、体制がきちんと整わないで行うとかえって不満と不安は増大するだろう。ここは、拙速な対応ではなく、準備に多少時間がかかってもきちんとした現実的な対応策を示すことが大切である。国民のそれぞれが明確にイメージできる具体策こそが必要である。
 と、まあ、こんな質問を19日に行い、一部の新聞が私の質問と政府答弁を取り上げてくれた。

 ところで皆さん、安倍首相が本当に国民の皆さんの立場に立って物事を考えられると思いますか?自分自身が、国民と同じ境遇になったと想定して、考え、行動することができると思いますか。首相は、そんな嘘っぽいことを言わない方が良い。むしろ、正直に「私は国民の気持ちは良くわからない」と開き直って、小泉前首相のように「だから国民の意見を聞いてみたい」と衆議院を解散すべきだと私は考える。郵政民営化よりも年金の方がよっぽど国民の生活に直接影響がある問題だと思うが、皆さんは如何考えるでしょうか。(2007年6月22日)
posted by 藤本祐司事務所 at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ

2007年06月21日

vol.083  「恐ろしい国、日本。」

 ハチャメチャな国会運営である。ご承知の通り、昨日(6月20日)、参議院本会議で「イラク復興支援特別措置法」と「教育関連3法」が与党の多数で可決成立した。
「イラク復興支援特措法」は、航空自衛隊が輸送・支援活動をさらに2年間できるようにする法律である。諸外国では軍の撤退が進んでいるにもかかわらず、日本は期限を延長した。しかも、参議院の外交防衛委員会で、たった11時間35分の審議時間しかかけずにこんなにも大事な法案をいとも簡単に強行採決した。
一方、「教育関連3法」も同様に総理入りで審議後、理事会の合意なしで、強行採決してしまった。なんと恐ろしいことであろう。

 さて、この2つの法律の委員会採決に際し、大きな問題があった。なんと、この採決に国会議員ではない“自民党職員”がかかわっていたことだ。新聞にも書かれていないことであるが、その概要を簡単に説明しよう。

 委員会室には、許可された者だけしか入れない。我々国会議員でさえ、委員会メンバーでなければ、傍聴席とその回りにしか立ち入ることはできない。しかし、その両採決の際、“自民党職員”がちゃっかり委員長席の横に居た。何をしていたか。採決を行うタイミングについて委員長に指示を出し、起立採決の際も大きな身振り手振りで与党議員に立ち上がるように促すジェスチャーをしていたのだ。私もこの様子を現場の委員会室でしっかり見ていた。疑いようのない事実である。つまり、委員長も与党議員も“自民党職員”の指示ですべて動いていたのだ。しかも、聞くところによると(これは確かめたわけではないが)、委員長のマイクのボリュームを上げていたのも、この自民党職員だったという話しもあるようだ。

 こんなことがあって良いはずがない。自民党国会議員は従順な『操り人形』である。質問は官僚が作り、採決は自民党職員が指示を出す。普段の行動は派閥に支配される。全く自分の意思がないようだ。こんな与党に本当に国政を任せて良いのか。こんな堕落した国会を変えるためには、やはり政権を変えてみることが早道だ。民主党が参院選に勝利することが、初めの一歩である。数さえ揃えばなんでもありの「恐ろしい国、日本」を作らないためにも、今度の参院選は本当に大切だ。(2007年6月21日)
posted by 藤本祐司事務所 at 12:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ

2007年06月14日

vol.082 対案提出の難しさ

 新聞報道によると、政府は“消えた年金”記録問題を受けて、公的年金保険料の納付記録や将来受け取る年金額などを把握できる「年金カード」を発行する方向で検討しているようだ。それは良いアイデアだ。でも、はて、どこかで聞いた話だぞ。

 実は、民主党はすでに同じような仕組みを提示している。民主党は、すべての納付記録を記載する「年金通帳」の導入を参院マニフェストに記載する予定ですでに明らかにしていた。銀行の預金通帳と同じように、年金記録を簡単に把握できるようにしようというシステムにするという制度である。

 本件は、政府よりも早く民主党が提示したが、政府に真似された格好になってしまった。民主党は、これまで対案路線を進めてきた。しかし、ここ数年、当初は民主党が提案した内容を否定していた政府が、少し経った後で少しだけ姿を変えて、あたかも政府・自民党が独自で作成したかのように大々的に提案することが、何度なく繰り返されてきた。

 報道や世論は、民主党が対案を出さないと「民主党は対案を出して、国会の場で堂々と議論すべきだ」と言う。しかし、民主党が対案を出しても、国会での議論の遡上にも載せてもらえない。この段階で数の論理が先行する。これでは、いくら良い対案を出しても国民の皆様に伝わらない。新聞等の報道も多少は記事にしてくれるが、申し訳程度である。

 政府・与党は、民主党案を国会の場で審議しないだけでなく、民主党案をパクる。そんなことの繰り返しの中で、本当に民主党が対案を出す必要があるのかは、大いに疑問である。誤解を恐れずにホンネをいうと、今のように議席数の差が大きい時は、対案を出さない方が良い場合もある。どうせ手柄は自民党が持っていってしまう。一方、議席数が拮抗する場合は、対案を出す意味は大いにある。

 ただ、国民の皆様に民主党の政策を理解して頂き、与党とどちらが良い案かを比較し、判断して頂くためには対案を提示することは重要である。たとえ、与党が民主党案を審議しなくても、民主党の考えを示すことは大切であるからだ。ただ、その場合もマスコミ等報道が取り上げてくれなければ、その効果も薄くなる。

 つまり、闇雲に対案を提示するのではなく、対案を出す方法、出すタイミング等を今一度考え直し、戦略的に効果的に提示することが必要だ。こうした戦略的な政治判断が重要である。ただ、明らかなことは、今年の参議院議員選挙で民主党が勝利し、参院で与野党逆転、あるいは民主党が第一党になれば、参議院で対案を出していくことは絶対的な必要条件になる。
(2007年6月14日)
posted by 藤本祐司事務所 at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ