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2007年06月08日

vol.081 内閣支持率は“ハナ”の差!?

安倍内閣は何をやってくるかわからない。松岡前農林水産大臣の自殺と『消えた年金』問題で、安倍内閣の支持率は軒並み低下し、周りを何も見ることができなくなっているようだ。猪にはたいへん申し訳ないが、まさに今年の干支のように“猪突猛進”している。

確かに『消えた年金』については、早急に対応策を講じなければいけない。しかし、それだからと言ってたった2日で法案を作って、僅か4時間で衆院を通してよいはずはない。対応策に不備があれば、別の問題が生じる危険性がある。そうなると2度手間、3度手間になり、問題を余計に複雑にしてしまう恐れがある。実際、参院厚生労働委員会では毎日新たな問題や数字が明らかになるくらいだから、対応策をじっくり練って検討すべきだ。民主党は与党よりも早く、連休明けに1ヶ月以上練り上げた緊急対策を国会に提出した。にもかかわらず、民主党案は審議されずに、与党案だけを審議している。
安倍総理が「この問題を政争の具にしてはいけない」と心底考えているのであれば、先に提出した民主党案も審議するように指示するはずだ。真に国民のことを考えているのであれば、与野党が修正のテーブルに着くはずだ。それもしないで、民主党を批判し、挙句の果てに自民党のビラや演説で民主党の菅代表代行の責任にしてしまおうとすることを見るにつけ、安倍総理が日本のトップであることを情けなく思う。

自民党のビラと言えば、来年5月に名寄せが終わって5,000万件がゼロになるというグラフを堂々と作成して、配布した。実際は、1年後には名寄せが終わるだけで、該当者不明の記録がすべて判明するわけではない。氏名、年齢、住所等で結局該当者がわからないまま残る年金が存在したままである。自民党の広報には、こんな単純な素人のようなミスを犯してビラを作ってしまう程度の理解度しかない。政策通で通っている自民党の広報責任者(国会議員)がこの程度であることから推察すると、実は安倍総理も全く理解していないのではないかと勘ぐってしまう。

民主党の長妻昭衆議院議員が、昨年6月16日にこの『消えた年金』を指摘してから1年が経つ。その時、政府が事の重大さに気がつき、真摯な対応さえしていれば、自民党が1年で名寄せを完了すると主張していることから考えると、今頃5,000万件の名寄せだけは完了していたことになる。
安倍総理も、昨年から「いたずらに不安をあおるだけだ」と民主党の質問と対応要請を批判してきた。病気であることを隠して手遅れにすることと、早くから治療を施すことと、どちらが適切かは明らかだ。数学はよくできるが国語が苦手な子どもの親に対して、正直に伝える教師と見てみぬ振りをする教師と、どちらが親にとって有難いか。
間違いは早く認めて公表する。この対応ができなった点は、安倍内閣の大きなミスである。最近の安倍総理の発言を聞いていると、自分のミスを他人のせい(今回は民主党が指摘しているから国民が不安になるんだと、あたかも『消えた年金』の問題は民主党の指摘が原因だと言わんばかりだった)にして、自分の手柄でもないことを「私の判断で決定した」とか「私の法案をよく読んで頂ければ理解してもらえる」などと、“自分”を過度に強調する。

こんな話がある。「小泉前総理には華がある。安倍総理は鼻につく。」ハナの差が、内閣支持率に如実に表れている。
(2007年6月8日)
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2007年05月30日

vol.080 迅速と拙速の違い

 50,951,103件、18,667,317件、301,841件。さて、この数字が何かわかりますか。それぞれ、「年金支給に結びついていない、いわゆる『宙に浮いた年金』保険納付記録の件数(平成18年6月1日現在)」「受給年齢でなおかつ存命の可能性が高い方の記録の件数」「生年月日不明の記録の件数」である。
 これらが、今国会で大問題になっている「消えた年金」の実態を表した数字である。自民党は、あわてて年金救済法案なるものを議員立法で国会に提出した。今なお実態が全てはっきりしていない段階で、大慌てで作った法案である。
 しかし、不思議なこともあるものだ。実態がまだ完全にはわかっていない段階で、どうして対策を講じることができるのだろうか。解決しなければならない課題が全て明確になっていないのに、課題の対応策を決めてしまうということがありうるのだろうか。
 政府は、きちんと年金を支払ってきた方に少しでも早く安心して頂くために急いで救済策を練ったと言う。しかし、その救済策なるものがいい加減だったり、結局年金保険料を納付してきた方の納得を得られなかったり、あるいは納付に不公平が生じたりしたら、その対策はむしろ害になってしまう可能性もある。そもそも、社会保険庁がミスをしておいて、“救済”とは何事か。

 確かに急いで対応策を示すことが、国民に安心感を与えることにつながる。だからと言って、またろくに議論もしないで決めてしまっては、かえって問題を大きくするだけだ。この「消えた年金」の問題は、事が事だけに、より慎重に対応しなければならない。

 安倍総理は、「国民にとって大きな問題であるので、与野党が結束して迅速に対応しなければならない。」という趣旨の、さも当たり前のような発言をしている。しかし、政府の対応を見ていると、「政府・与党にとって大きな問題なので、参議院議員選挙前に、拙速でも何でも良いから出してしまわなければならない。」と思っているとしか思えない。
 “迅速”と“拙速”は全く意味が違う。この政府の年金救済法案は、実質的には「安倍内閣を一時的に救済するためのみせかけ法案」である。国民の皆さん、「人は見た目が9割」と言う本もある、みせかけだけの安倍内閣に騙されないようにしてください。
2007年5月30日
posted by 藤本祐司事務所 at 17:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ

2007年05月29日

vol.079 松岡前農林水産大臣の自殺の衝撃と責任

5月28日(月)の決算委員会。午後の審議が始まった矢先の13時5分ごろ、同僚の尾立議員(大阪府選挙区選出)が、私に隣の席から話かけてきた。尾立議員の携帯電話にメール配信されたニュースによると「松岡大臣が議員宿舎で自殺。重体」という内容だった。実は、その決算委員会で、尾立議員が松岡大臣に緑資源機構の談合の件で質問する予定であった。委員会の事務局が、決算委員会理事の間を駆け回って状況説明と対応を検討しているようだった。結局、尾立議員は、答弁者不在の農水省への質問は止めて、その他の省庁への質問で持ち時間を終えた。
 私は、決算委員会の間、同僚議員の質問に耳を傾けつつ、自分の事務所や決算委員会のメンバー以外の同僚議員から情報収集をしていた。14時過ぎ、松岡大臣の死亡の情報が入ってきた。決算委員会は、何事も無かったように淡々と進んでいたが、委員会室の外では大変な騒ぎになっていることは想像できた。

 さて、本件に関しては、テレビ・ラジオ、新聞等の報道で多くの議員や政治評論家等がコメントしているので、私がここでコメントしても、目新しさはないだろう。しかし、国会議員として自分の考えを述べておく必要はあると思い、あえて本音でコメントしようと思う。

 正直、ニュースを聞いた最初の私の印象は、「松岡さんは、事件の首謀者でありながら、犠牲者でもある」というものである。つまり、「ナントカ還元水」という光熱水費に始まり、松岡大臣の出身官庁である林野庁所管の独立行政法人緑資源機構の天下りと談合、そして緑資源機構の発注先からの政治献金を受け取っていた等、多くの疑惑が報道を賑わし、国会で度々質問を受けていた。その疑惑に明確に答えなかったという点では、疑惑の首謀者である。ただ、説明責任も果たさず、疑惑を背負ったまま大臣を続けていることを、終始守り続けた安倍内閣が、自殺という最悪の事態を避けることを妨げたという点では、松岡大臣は犠牲者であるとも言えると思った。

確かに松岡大臣が言うように、最低限、法律に従って行動していたかもしれない。しかし、政治倫理から考えれば、政治家は疑いを掛けられた場合、自ら説明をしてその嫌疑を晴らすべきである。消えた年金5,000万件に対して、「支払ったことを証明するのは国民である」と開き直っている安倍総理であるが、一方で「疑惑が真実でないことを証明するのは政治家本人だ」とは決して言わない。安倍総理の言うことは、矛盾だらけである。日本のリーダーとしての安倍総理の判断は間違っていたと批判されて然るべきだと思う。もしかすると、松岡大臣に明らかにされると困るのは、安倍総理かもしれないと疑われても仕方がないかもしれない。

驚いたことに、政治評論家の中に、野党が追及したから松岡大臣が自殺したという方がいる。我々は、説明責任を求めただけである。政治倫理にのっとって、自らが疑惑を晴らす努力をしてくださいと言っただけである。それを「追求したことが悪かった」と言われたら、“正直者が馬鹿を見て、隠れて悪さをする人が得をする世の中”になってしまう。警察も裁判所も犯人を逮捕して罪を裁くことができなくなってしまう。国会でも審議ができなくなってしまい、税金が無駄に使われても、見て見ぬ振りをしなければならなくなる。やはり、追及すべきことは追及し、間違いを改めていかなければいけない。

松岡大臣の自殺の直接的原因は、明らかにならないかもしれない。しかし、だからと言って、緑資源機構を取り巻く問題を明らかにしないということだけは避けなくてもいけない。この際、与党も一緒になって、この緑資源機構の件を中心に、天下り、談合、政治献金の問題を明らかにしていかなければ、いつまで経っても国民の政治(家)不信を払拭できない。

前週には松岡大臣の事務所関係者が自殺し、緑資源機構の前身の元公団理事も自殺したとの報道もある。人としてよろしくない行為をした可能性があった方々といえ、命を絶ったことは事実である。
松岡大臣を含む、3名の方々に対して心からお悔やみを申し上げ、また、ご家族の皆様のお気持ちをお察し申し上げる。
2007年5月29日
posted by 藤本祐司事務所 at 12:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ

2007年04月13日

vol.078 緊張感と自覚のない国会議員の行動と発言

 本日4月13日(金)、朝7:30から民主党国土交通部門会議を開催した。民主党では珍しくサンドイッチを出したからではないだろうが、ほとんど全員が出席した。今日の部門会議では参院選挙のマニフェストに掲げる政策を議論した。なかなか熱心な議論だった。私が、それらの意見を取りまとめて、再度会議を開く予定である。

 さて、こんな熱心な民主党の会議とは対照的なのは、昨日の参院外交防衛委員会。中国から温家宝首相が来日して交通規制があるとは言え、麻生外務大臣や副大臣、政務官が遅刻した。それに加え、自民党の議員は、理事を含めてわずか3名(委員長を含めると4名)しか出席していなかった。欠席した委員は、必ずしも交通規制が理由ではない。一方で、民主党は全員が揃っていた。自民党は、法案審査を急がせているにもかかわらず委員会には出席しない。結局、委員会開催定数に満たず、委員会を開くことができず、『流会』となった。
 普通、出席者が少ない場合は、事務局が委員会開催の15分程度前に委員の事務所に電話をして出席を確認する。ところが、昨日は連絡をしてもこの有様だった。地元に戻っていた等、国会の周辺にいなかったのだろう。つまり、確信犯である。春の珍事であった。

 ところ変わって、本日の参院本会議。こちらも自民党席に欠席が目立つ。議員全員が出席すれば238名(欠員2名と議長・副議長をカウントしない)のはずだが、開会時は174名、閉会時は185名しか出席していなかった。4分の1に近い議員が本会議を欠席している。こんな緊張感のない国会で良いはずがない。私は、国会(本会議と委員会)に誰が出席して、誰が欠席しているかを公表して、国民のチェックを受けた方が良いのではないかと考えている。

 さて、話は変わるが、昨日の私のホームページに対して、いくつかのコメントを頂いた(まだ読んでいない方は、藤本祐司のHPまたはヤフーの「みんなの政治」をお読みください)。S議員のフルネームを公表すべきだとか、こんな議員は許すべきでないとか様々な反応があるものの、S議員を擁護する意見は1つもない。今もS議員本人は自分が悪かったと思っていないそうだ。厚生労働省の文書に対して、柳沢大臣が謝罪したにもかかわらず、厚生労働省出身のS議員は悪びれた様子もない。この感覚のズレは如何ともし難い。場合によっては、S議員は、議員にとって最も重い懲罰委員会にかけられる可能性もあるとのことだ。

 今回は国会議員の体たらくについて、事実だけを取り上げて紹介した。ここでマスコミにお願いがある。議員宿舎のことだけでなく、国民には目につきにくい普段の議員の行動や態度、発言を国民に知らせて欲しい。せめて地方紙くらいは、自分の都道府県選出の国会議員の行動や発言を公平に知らせて欲しいと思う。国会議員を“十把ひとからげ”にまとめて批判するのではなく、もう少しきめ細かな情報発信をしてもらうと有権者にとっては、選挙時の選択基準になるのではないかと思う。地元の顔と東京(国会)の顔が違う国会議員もいるということを知ってもらった方が良いのではないか。
 
(2007年4月13日)
posted by 藤本祐司事務所 at 16:17| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ

2007年04月12日

vol.077国会軽視の官僚に与野党議員激怒

 3月29日、参院厚生労働委員会が空転した。その理由は、その日に質疑をして、採決をする予定であった「雇用保険法」について、前日の28日の夜に厚生労働省が以下のような文書を配布したためである。
 「『雇用保険法』は参院において、本日可決、成立した」という文書を厚生労働委員会の委員に配布してしまったのだ。完全なフライングというよりも、国会を軽視したとして野党のみならず与党の議員も激怒した。

 何が問題かというと、厚生労働省は行政機関である。立法機関、つまり、法律を制定するのは、行政ではなく、国会議員から構成される国会である。行政機関が、まだ国会で成立していない法律をすでに成立したと発表したことは、“官僚が国会議員を馬鹿にしている”のと同じ意味である。
 これを許すということは、官僚主権を認めることになる。国民の代表は国民による選挙で選ばれた国会議員であって官僚ではない。これまでの間、官僚主権で政治が動いてきたことを裏付ける事象である。

 問題はそれだけで終わらなかった。某S参議院議員(女性)は、4月10日の厚生労働委員会で次のような発言をした。「雇用保険法の成立が遅れたのは、厚生労働省の不手際であることは問題だが、国会そのものの責任でもある」と発言した。これには野党のみならず、与党も憤慨し、厚生労働委員会が止まってしまった。要するに、S議員は、法案が成立しないのは、国会に責任があり、そのために現場が混乱しているというのだ。

 一読すると、なにが間違っているかわからないかもしれない。しかし、小学校で習ったように、国会こそが唯一の立法機関である。S議員に国会議員としての自覚さえあれば、厚生労働省が国会を軽く見ていることを怒らなければおかしい。S議員は官僚の目線で発言しており、国会議員の意識に欠けていることは明らかである。S議員は、官僚(省庁)が法律を作っているという強い意識があるのだろう。官僚主導の国会に疑問を持っていない。本人は、自分が間違ったことを言ってしまったという意識すらないと聞く。困ったものだ。

 S議員は、厚生労働省の局長を辞めて参議院議員になった官僚出身者である。こんな議員は、ずっと官僚をやっているべきであり、国会議員としての資格はないと言う批判の声が議員の間から上がっている。長い間、官僚機構にどっぷり浸かっていると、このような意識と体質になってしまうのだろうか。参院の厚生労働委員会は、S議員が委員会で謝罪するまで開催しない可能性が高いようだ。この混乱を招いたS議員の責任はとても重い。
 (2007年4月12日)
posted by 藤本祐司事務所 at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ