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2007年03月09日

vol.076 またしても「不都合な真実」

 松岡農水大臣の資金管理団体は、衆議院議員会館だけを事務所として登録し、年間約500万円、5年で約3,000万円の光熱水費を計上していた。家賃や水道光熱費が無料の議員会館の経費として計上していたのだ。

 5日の予算委員会で松岡大臣は「なんとか還元水等」の費用だと答弁した。確認のため、某マスコミの記者が松岡大臣の事務所を訪問したが、還元水はなかったようだ。もっとも光熱水費とは、水道、電気、ガス料金等を言い、還元水の器具は備品・消耗品費とするのが普通である。
 我々は、マスコミが言っていることを鵜呑みにして、それだけを根拠に質問を続けるわけにはいかない。昨年の偽メール事件の二の舞は避けなければいけない。そこで、自らの目で確かめようということになって、芝議員を筆頭に松岡大臣事務所を訪問することになった。

 松岡大臣は当然不在。結局、松岡大臣の秘書からも明確な回答を頂けなかった。目視で確認したところでは、大臣がおっしゃる“なんとか還元水”はない。しかも議員会館には個別にメーターはついていない。そもそも無料なので、わざわざメーターを付ける必要がないからだ。それなのに、何故費用がわかるのだろうか。誰が考えてもおかしい。

 その“なんとか還元水”がなければ、松岡大臣は国会の予算委員会で虚をついたことになる。こんな出鱈目を許しておくことが出来るだろうか。つまるところ、政治資金規正法違反の疑いとともに、国会で虚偽発言をしたということになり、国会軽視につながる。この松岡大臣の発言は、実は年間500万円という嘘の経費以上に大きな問題なのである。
 
(2007年3月9日)
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2007年03月02日

vol.075 世界中に存在する様々な”不都合な真実”

 2月があまりにも暖かだったので、ついうっかりしていたら、すでに3月に入っていた。まさに、今年は地球温暖化を実感できる年である。花粉も飛び始め、あちらこちらで鼻をぐちゅぐちゅしている人や目を赤くしている人を見かけるようになった。マスクをしている人も増え、風邪なのか花粉症なのか、わからない人が増える時期がやってきた。

 タイミング良くと言おうか、悪くと言おうか、元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏の「不都合な真実」が長編ドキュメンタリー部門でアカデミー賞を獲得した。本、または映画をご覧になった方も多いと思う。
 専門家の中には、ゴア氏の主張は極端であると言う方々もいる。しかし、ここ数年、特に昨年から今年にかけての気候変動を体感している我々地球人は、ゴア氏の言っていることに真剣に耳を傾けなくてはいけないと私は思う。地球温暖化の問題は、日本だけで解決する問題ではなく、全世界的な取組みが必要である。EUは防止策に積極的だが、アメリカ合衆国は自動車業界や石油業界の声が強く、未だに京都議定書に調印していない。

 ゴア氏は言う。地球温暖化の問題は、政治の問題であり、個人のモラルの問題であると。大きな意味では政治が解決策を講じることが必要である一方で、個人個人のモラル(道徳)の問題として捉え、身の回りのできることから始めて欲しいと言っている。
 「ゴミを出さない」「省エネ電化製品を使用する」「できるだけ鉄道・バスなどの公共交通機関に乗る。近いところは徒歩か自転車に乗る」など、身近な努力も必要だ。
 皆さんも「不都合な真実」の本を読むか、映画を見てはいかがだろうか。見ないで批判してはいけないし、見ないでわかったふりをしてはいけない。もちろん、この本や映画が全てではないので、見なければいけないというつもりはない。ただ、地球温暖化の問題は、深刻であることだけは認識して、関心を持って欲しいと私は思う。

 さてさて、”不都合な真実”というタイトルはなかなか意味深である。真実が明らかになると不都合なので目をつむってしまうことは、地球温暖化問題以外にも沢山ある。談合、プール金、政治家の不祥事、耐震構造偽造など。

 政治や行政においては、積極的な情報公開こそが、真実を明らかにする第一歩である。首長選挙などでも、情報公開をまず一番に挙げる候補者は信用できるという見方があるほどだ。自分たちの都合で、真実を公開するかしないかを決めることがないようにしていくために、皆さんも選挙での投票に臨んで欲しい。
(2007年3月2日)
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2007年02月16日

vol.074 お粗末な資料と納得できない言い訳

 2月15日と16日、北朝鮮で国をあげての祝賀会が開かれていたようだ。それは、金正日総書記の65歳の誕生日のためである。実は、2月16日は私の50歳の誕生日でもある。私と金正日総書記の誕生日が同じであることは、笑いを取るネタにはなるが、正直うれしくないネタではある。
 昨年までは誕生日を迎えても、つまり、48歳から49歳になってもさほど気にならなかった。しかし、今回は40歳代から50歳代へ移る誕生日だけに少し気になる。といっても、昨日と今日は連続しているから、特段変化があるわけではない。東京都内の映画館が割引になる程度かな。

 閑話休題。本日朝8:00〜9:20ごろまで、民主党「官製談合追求・公共調達適正化対策本部および国土交通部門」の合同会議が開催された。私が、民主党国土交通副大臣ということもあり、突然の指名で進行役を仰せつかった。この会議体は、いわば、頻繁に起こる官製談合など不適切な税金の使途を追及し、適正にすることを検討するためのものである。
 官製談合があまりにも頻繁に発生するため、国民の皆さんはうんざりしているかと思う。今回は、数ある談合事件から「水門工事」に関わる件を中心に、工事の発注者である国土交通省、農林水産省、水資源機構とチェック側である公正取引委員会からヒアリングした。
 
 ヒアリングの内容は省くが、事前要請していた各省提出資料がお粗末であった。要するに、書類保存期間が5年と定められているという理由で、直近5年の資料しか提出してこない。6年以上前の書類は自動的に廃棄してしまって存在していないという。しかし、よくよく聞いてみると、5年以内で終了する工事ばかりではなく、多くの工事は10年とか15年とか工期は5年以上である。つまり、国土交通省や農林水産省の説明によると、現在工事中であるにもかかわらず、工事発注の契約を結んでから5年経ったという理由だけで書類を廃棄処分にしていることになる。

 突っ込んだところ、設計図書はあるが契約書はないという。契約書なしで工事を続けていたとしたら、工事代金の支払いはどうなっているのか。一括前払いなのだろうか。納得できない回答しか返ってこない。
 都合が悪いことは表に出さず、都合の良いことだけ公表する。これこそがお役所体質といわれる所以である。お役所全てが同じ体質だとは言わないが、公共事業の8割を担う国土交通省がこの体質であることを考えると、ほぼ全てで同じような情報隠しが行われていることは疑いのないことだと思う。国だけでなく、地方も同様だろう。

 4月には統一地方自治体選挙が行われる。首長や議員を選ぶ選挙である。是非、正直に全てを公表することを約束してくれる候補者を選んで欲しい。また、納得できないことは徹底的に追求する議員を選ぶべきである。透明性の高い制度や積極的な情報公開こそが、国と地方の政治や行政を変革する基本である。マニフェストを読んで、“情報公開”の文字がないものは、行政改革や政治改革をやる気がないと思っても良いのではないだろうか。
(2007年2月16日)
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2007年02月08日

vol.073 宮崎県副知事人事への注目集まる

 宮崎県知事選挙の結果、東国原英夫(そのまんま東)知事が当選した。就任後の様子は、連日のテレビ報道によって宮崎県民以外の方々も知るところだ。ある意味、異常な過熱報道だ。もう少し、落ち着いて執務に取り組ませてあげて欲しいと思う。
 
 報道の中で副知事人事が大きく取り上げられている。選挙で対立して戦った持永氏を副知事に任命するという話が出ているからである。賛否両論ある。賛成意見の多くは、東国原新知事には政治、行政経験がないから、補佐役である副知事には行政経験のある持永氏を起用することが、県政のスムーズな運営につながるという意見だ。
 反対意見は、そもそも東国原知事は、しがらみのない県政を進めることを訴え、賛同した有権者が投票した結果当選した。補佐役といえども、しがらみがあるであろう元官僚を副知事に任命することは、有権者への裏切りであるという意見である。

 それぞれの意見には一理あると考えるが、どちらの意見も説得性に欠ける。県政をスムーズに運営することを重視して、持永氏の副知事就任を認めることは、県政を変えないと言っているにほぼ等しい。議会や地方官僚との関係を最重要と考えることは、むしろ議会と官僚にのみ込まれることを是認することにつながる。
 県政のトップはあくまでも知事であって、その知事に従わない副知事は、知事の権限で変えることもできる。そのため、知事にやる気があれば、しがらみのない県政を実現することは可能ではあるため、持永氏が副知事に就任しても問題はないという反論もある。
 ここで気をつけなくてはいけないことは、両意見ともに内向きの論理であることだ。視点が県議会と県庁内に注がれていて、そこには“県民のために”という視点が欠けている。

 東国原知事は、ローカル・マニフェストを示して当選した。ローカル・マニフェストを通じて政策遂行を県民と約束をしたのだ。つまり、知事は、県民と契約を結んだのだ。知事には、その契約書(ローカル・マニフェスト)に従って政治を遂行する権利と義務がある。ここで、知事が考えるべきことは、議会や行政と上手くやることではなく、政策を遂行することであり、その後ろ盾はあくまでも県民である。

 政策を進めるには議会と県庁(行政)の協力が不可欠であることは、衆知のことだ。しかし、政策を実行するために知事が議会と行政と議論をする前から手を組むというのでは、何のためのローカル・マニフェストだったのかわからなくなる。県民と約束した政策を盾に頑張ってこそ、新知事を誕生させた県民への期待に応える唯一かつ最善の方策である。
 東国原知事とは異なった政策で戦った官僚出身の持永氏を副知事に任命することは、知事の政策と信念の一貫性に影を落とすことにつながる。官僚はしたたかであり、東国原知事が考えるほど甘くはない。もっとも、持永氏が落選した途端に自らの政策と信念を完全に放棄するほどの割り切りがあれば良いが、それでは逆に持永氏の政治家としての資質が問われる。

 地方分権、地域主権の時代である。決めるのは、県民の代表者である県知事本人である。私たちが外野からとやかく言う問題ではないかもしれない。ただ、ローカル・マニフェストを武器に県民の後押しで当選した東国原知事である。内向きの論理ではなく、政策中心に外向きの論理で県民に対して説明ができる基準で人選して欲しい。(2007年2月8日)
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2007年02月02日

vol.072  柳沢大臣発言の2つの問題点

 安倍内閣の緊張感が緩み放しだ。本間正明前税制調査会長と佐田前行革担当大臣の辞任、伊吹文部科学大臣と松岡農林水産大臣の政治資金問題等、大多数の議席を持つ政権政党の驕りを端的に表す行動が頻発している。これらに加え、柳沢厚生労働大臣の軽い発言が、またまた社会問題、政治問題となっている。

 柳沢厚生労働大臣は、1月27日、松江市での講演で少子化問題に触れ、「女性は子どもを産む機械」と発言した。さすがに「まずい」と思い、その場で言い直したものの、後の祭り。発言の前後を聞くと、すぐさま陳謝しているし、機械を役目と言い直している。ただ、ここで問題なのは、その発言(表現)の問題だけではないことを読み取らなければいけない。

 某テレビ番組で某弁護士は、「柳沢大臣の真意は、別にあり、それを読み取れない理解力が問題である」といった趣旨の発言をしていた。それも一理あるとは思うが、柳沢大臣が厚生労働大臣であることを忘れてはならない。女性を機械に喩えたこと自体、考え方が古く、「産めよ増やせよ」の時代の遺物ともいえる発想を潜在的に抱えているからこその発言である。話しの中で「うむ機械」と言ったのを新聞が性善説にたって「産む機械」と書いたが、ご本人は「生む機械」という意識だったのではと疑ってしまう。それに加え、自分の大臣としての役割を認識していないことも大きな問題である。

 柳沢大臣は、少子化対策を担当する大臣である。その大臣が、「女性に頑張ってもらうしかない」と発言をした点が重い。自ら、厚生労働省は無策であり、皆さんに任せるしかないと言っているのだ。それでは大臣や厚生労働省は不要ということになってしまう。さらに問題なのは、都市部、地方部を問わず、今や医師不足が大きな社会的課題になっている。つまり、子どもを産みたくても、安心して出産する安全な環境が整っていないのだ。厚生労働大臣は、直面する医師(特に産婦人科、小児科)不足に対す早急な対策を講じなければならない重要な役目であるにもかかわらず、「女性に頑張ってもらうしかない」と他人事のような発言をしたのだ。

 要するに、柳沢大臣は、“人”として、女性を“機械”に喩えた点で人間(特に女性)の尊厳を損ねたこと、“厚生労働大臣”として自分の役割を認識していないことと時代の流れについていけなくなっていることの2点で、大きな問題を犯したのである。柳沢議員にこのまま厚生労働大臣を続けて頂くと、少子化対策と医師不足対策(医療制度改革)が頓挫するリスクがあることがわかった。(2007年2月2日)
posted by 藤本祐司事務所 at 15:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ::: 藤本ゆうじのホンネ