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2006年11月02日

国交委員会万景峰号

165-参-国土交通委員会-3号 平成18年11月02日

○藤本祐司君 おはようございます。民主党・新緑風会の藤本でございます。
 先週に引き続きまして、私がこの件につきましても質問をさしていただきたいというふうに思っております。
 この件は、もう御承知のとおり、特定船舶入港の禁止法に関して、万景峰号、ちょっと言いにくい、これなかなか言いにくい、途中時々間違えるかもしれませんがお許しいただきたいんですが、その万景峰号92号の入港禁止の閣議決定の承認案件ということでございますが、御承知のとおり、この問題というのは、正直、国土交通省だけではなくて様々な省庁にわたって関連することでございまして、防衛庁であるとか、外務省であるとか、経産省であるとか、内閣官房とか様々いろいろあるんですが、今日はこの承認案件ということでできるだけ国土交通に絞って聞きたいなという、聞こうかなというふうな努力をしたんですが、なかなかそこだけでは収まり切らなかったものですから、ほかの部分につきましてもお聞きすることになろうかと思います。
 また、万景峰号の承認案件、入港禁止の承認案件ではあるんですが、やはりこれ、その後北朝鮮の核実験の話もあって、追加措置の話ももう出ておるわけでございますので、なかなかこの万景峰号だけのことに絞り込むということも正直難しい。ただ、追加措置につきましてはまた後日承認をするということになろうかと思いますので、その部分についてもできるだけ少なく、少なめにしようかなと思ってはいたんですが、なかなかそこもそれだけでも収まり切らないものですから、多少そちらの方にも入り込まざるを得なくなっているということをまず御理解をいただきたいというふうに思っております。
 まず最初の質問でございますけれども、この閣議決定ですね。つまり、万景峰92号の入港禁止の閣議決定というのは七月の五日に閣議決定されたわけなんですが、結果としてこれ、国会が開催されなかったということで、十月の十三日に国会に提出をされたという経緯があろうかと思います。で、その追加措置の分につきましては、また十月十三日閣議決定に基づいて十月の二十七日に国会に提出されたということで認識をしておるんですけれども。
 国会の承認というのは非常に極めて重要な手続であるということもあって、この法律上は、開会中、国会が開会されている間は二十日以内に付議して、閉会中の場合は開会したら速やかに、次の国会で開会して速やかに承認を得るということになっているわけでありますけれども、これは二十日以内ということで考えても、今回国会が閉会中であったということを考えると、九月二十六日に国会が開会されたわけなんですが、それが十月十三日に国会へ提出されたということは、中これ十八日間あったんですね。元々国会がある間は二十日でということですから、まあ一応十八日というのはその中に収まってはいるんだろうと思うんですけれども、次の国会で速やかに提出すべきだというふうに言っていたにもかかわらず、十八日もこれ間が置かれてしまっているわけなんですね。
 これ、速やかにというと、国会がある間は二十日間という期間があるんですが、速やかにの割には十八日も掛かっているというところがちょっと理解し難いところがございまして、そこに関して何か、十八日掛かったということに関して、どうしてこんなに掛かっちゃったのかなという素朴な疑問がございますので、そこら辺りにつきましてはこれは外務省さんになるんでしょうかね、お答えいただくのは。どうしてこんな十八日も掛かったのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

○政府参考人(梅田邦夫君) お答えいたします。
 今、藤本先生から御指摘があったように、まさしく速やかに国会に提出する必要があるということで、我々の方はその手続の準備を前々から進めておりました。実際には、九月の二十六日の日に臨時国会が召集されたわけでございますけれども、その後、本会議における首班指名、それから総理の所信表明演説と、これに対する代表質問、それから予算委員会におけます総括質疑等がございました。
 いずれにしましても、とにかくできるだけ早く国会の方で御了解をいただく必要があるということで、まさしく十月の十三日の閣議、できるだけ早い閣議で了解を得て提出さしていただいた次第であり、その点は御理解をいただきたいと思います。

○藤本祐司君 まあ国会が始まっていろんな行事が立て込んであったということで十八日掛かったということなんだろうと思うんですけれども、それであるならば、ちょっと追加措置のことも十月十三日から、これかなり緊急的な話だと思いまして、危機管理の問題にかかわってくるんだろうと思うんですけれども、十月十三日に閣議決定した後に、今度は十四日掛かっているんです。
 まあ基本的には二十日以内であれば問題はないということにはなるんでしょう、法律上の解釈としては。ただ、これはもう十月十三日から二十六日、これも十四日も掛かっているという、これもちょっと掛かり過ぎのような気がしてならないんですけれども、もちろん二十日ということで法律上は問題がないだろうということなんだろうと思いますけど、これもちょっと、先ほどの説明、十八日掛かったのは、総理大臣の所信があって、予算があって等々で遅れましたよという、もしそれが正しいとするならば、何で十三日から今度二十六日、ここも十四日も掛かっているということについての説明には多分ならないと思うので、今度そちらの方は何で十四日掛かっているのか。
 普通、法案、まあ例外はあるものの、閣議決定されたら割と速やかに、本当にすぐに、一両日中に国会に提出されているというふうに私は認識をしているんですが、もちろん例外はあるものの。この緊急のことでありながらも十四日掛かったというところもちょっと理解し難いところなものですから、ちょっとそれの説明もお願いしたいと思います。

○政府参考人(梅田邦夫君) お答えいたします。
 この案件は重要であるがゆえに、国会に提出さしていただく閣議を行う前に、各党に相当説明をさしていただいて理解をいただく手続が必要であったのも事実でございます。同時に、いろいろな政府部内の手続も併せてしておりましたけれども、できるだけ早くやるということでしておりましたけれども、結果として十四日掛かったという次第であります。この点も御理解をいただきたいと思います。

○藤本祐司君 それともう一つ、ちょっとここの事後承認というところなんですけれども、これ今回、入港禁止期間は六か月と定めていますね。六か月定めているんですが、別に期間六か月じゃなくても、三か月でも四か月でも多分それなりの効果があるんだろうということで設定することができるんだろうと思いますが、今回の閉会期間中というのが三か月以上にわたっていたということになれば、これは論理的な、現実的にどうなるかというのは別問題。理屈としては、国会が開催されていない間にその禁止期間が終わってしまうということもあり得るんですね。その入港禁止期間を設定を三か月とするとか、あるいは逆に半年としても、臨時国会が開かれないということも起こり得るわけなので、そういう場合の処置としてはやはり国会を早めに召集するということになるのかなというふうに思うんですけれども。
 ここで、なぜその入港禁止期間を六か月と定めたのかということについて、その理由ですね、六か月の意味というか、なぜ三か月じゃなくて一年でもなくて六か月なのかという、その辺の妥当性の問題をちょっとお聞きしたいと思うんですが。

○政府参考人(梅田邦夫君) この措置につきましては、まさしく法律で期間を定めるようにという規定があるわけでございますが、その六か月としました理由としましては、この措置が効果を上げる期間としましてやはり六か月は必要ではないかという判断をした経緯がございます。
 それで、その後どういうそれなら効果が起こったのかということについてはなかなか判断難しいわけでございますけれども、幾つかいろんな情報が入っておりまして、例えば日本の食材が行かなくなって向こうの先方の上の方が困っておられるであろうとか、それから様々な機材の部品等が入らなくなって困っているといったような話も漏れ伝わってきております。
 いずれにしましても、この六か月という期間は、ある程度のやはり長期間を見た上で効果を判断したいという次第でやったことであります。

○藤本祐司君 効果を上げるということですが、効果というのは具体的にはどういう効果を想定されていたのかということと、今回は万景峰92号に限定しているわけなんですけれども、七月五日の閣議決定は、これなぜ万景峰92号に限定をしてそういう効果が上がるとお考えになったのかということ、ちょっと併せてお聞きしたいと思いますが。

○政府参考人(梅田邦夫君) 最大のやはり我々が求めている効果と申しますのは、北朝鮮が核、拉致、ミサイル等について誠実な対応を示すようにするということだと思います。
 それから万景峰号を指定いたしましたのは、御承知のとおり、この船は北朝鮮と日本の間を行き来しています唯一の貨客船でございます。それで、人、物の行き来について非常に象徴的な役割を担っていた船でございます。それに加えまして、過去におきまして万景峰号が様々な不法行為に使われていた疑いもあるという情報もございましたので、この船を初めの措置の対象としまして選定した次第でございます。

○藤本祐司君 今の御説明の中で、核の問題とか拉致の問題とか、そういうものに対して効果が上がるだろうということで半年間の設定をしたと、そして万景峰号については相当、ある意味北朝鮮との行き来、取引というのがどの程度のものかというのは国民の皆さんも含めて余り知らないけれども、万景峰号だけはもういろんな不法行為の問題があったり人を運んでくるとかという問題があって、かなりシンボリックな意味合いがあるという、いわゆる政治的なメッセージというか、日本の国民の人に対する政治的なメッセージも含めて、そういうのがあったから選んだというふうに解釈ができると思うんですけれども、その七月五日以降、効果が上がると想定していた核の問題というのは、逆にむしろ核実験を起こす、これが原因でなったわけではないと思うんですけれども、その二か月半の間に核実験を実施したということになるとなれば、その半年間というのは、逆に言うとその半年間の中にそういう次の行為が起きてしまったということで、ある意味効果があったとも言えるし、逆の意味では効果が余りなかったとも言えるんじゃないかという判断もできるのかなと思うんですが、それに対してはどのようなお考えをお持ちになりますでしょうか。

○政府参考人(梅田邦夫君) お答えいたします。
 北朝鮮が七月にミサイルの発射をした後、相当北朝鮮は国際的な圧力を受ける中でいかなる選択をするかについて非常に悩んだんだと思います。その中で、彼らはその今厳しい状況を打開するために核実験をする選択をしたんだと思いますが、この行為によりまして北朝鮮は自ら更に厳しい状況に自分を追いやったということで、今回、六者会議に復帰するということになりましたけれども、決して先について楽観視するものではございませんけれども、北朝鮮がこういう選択をせざるを得なかったということは、日本だけではなく国際社会全体が一致して様々な圧力を加えた一つの、まあ成果と呼ぶのがいいのかどうかはいろんな議論があろうかと思いますけれども、一つの成果であったというふうに考えることもできるのではないかと思います。

○藤本祐司君 ありがとうございます。
 この問題については多分追加措置等々でまた詳しくやることになると思いますので、当面ちょっとこれはまたの機会におかせていただきたいと思いますが、次は国土交通省の関連でお聞きしたいと思います。
 港湾の管理者というのは、基本的には地方公共団体あるいはその一部事務組合というふうに私は理解をしておりまして、例えば新潟港の場合は新潟県ですよね。小樽なんかの場合は小樽市だし、境港の場合は境港管理組合と。実質的にその組合の管理者が鳥取県知事ですので県知事の判断ということになろうかと思いますし、舞鶴については京都府が港湾管理者ということになろうかと思いますが。
 そこで、ちょっと問題というかお聞きしたいのは、政府の決定、閣議決定をされて入港禁止ということを国が決定をしたという中で、港湾管理者がその入港禁止に対して、いや、うちは禁止しないよと、岸壁使用をしてもいいよというような判断を下すということは理屈としてはあり得る。今回は万景峰号に関してはそれはなかった、一致したんだろうと思いますけれども。理屈としては、港湾管理者が入港禁止に対して違った意見を持っていて、岸壁使用をオッケーするよと、構わないよという話になることも起こり得るんじゃないかと思うんですが、それはどういう解釈ができるのか。必ずしも政府のこの閣議決定に従わなければならないということになるのか、あるいはそれは地方自治の考え方からすればもうその権限というのは港湾管理者にお任せするということになってしまうのか、ちょっとそこの解釈について国土交通大臣にお聞きできればと思いますが。

○政府参考人(中尾成邦君) お答えいたします。
 まず原則でございますけれども、港湾管理者は、港湾管理条例に基づきまして港湾施設の適正な管理運営を行っております。政府が特定船舶入港禁止の閣議決定が行われた場合には、国土交通省から各港湾管理者、地方公共団体等でございますけれども、その内容を周知することにしております。
 したがいまして、港湾管理者は、閣議決定の趣旨を踏まえまして、港湾施設の使用許可に関して適切に対応することとなっております。港湾施設の使用許可というのは岸壁の使用許可が主でございます。

○藤本祐司君 適切に対応するということでありますが、それは普通にこう何となく考えれば一致したような行動になる、行為になるんだろうと思うんですが、必ずしも一致、絶対的にするかどうかというのは、港湾管理者が適切に判断をしたと言い切れば岸壁使用を許可することもあり得るということになるのかなと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
 そういうことは、現実的にあるかどうかは別として、論理的にあるかどうかということです。

○政府参考人(中尾成邦君) お答えします。
 仮に閣議決定に反しまして港湾管理者が港湾施設使用許可をしたとしても、特定船舶につきましては特定船舶入港禁止措置法に基づいて罰則が適用されます。したがいまして、入港することはあり得ないと思っておりますし、実効性はないというふうに考えております。

○藤本祐司君 罰則というのは船長に対する罰則規定ですよね。
 これ多分法律見ますと、港湾管理者に対してどうのこうのというのは多分余りなくて、船長に対して入港しない、それに背いた場合は罰則をするということですので、今の解釈は、要するに船長に対して罰則規定があるので入港禁止の実効が図られるよという解釈であって、港湾管理者に対しての話ではないというふうに今ちょっと聞けたんですけれども、その点はいかがでしょうか。

○政府参考人(中尾成邦君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、この法律、特定船舶入港禁止特別措置法においては、港湾管理者に対する罰則の規定はございません。国土交通省といたしましては、港湾管理者に対して特定船舶入港禁止措置法の趣旨を御理解いただくように今後とも適切に対処してまいります。

○藤本祐司君 じゃ、今度逆のことを考えて、逆のことなんですけれども、特に入港禁止を決定しなかった、政府の方から決定しなかった場合で、今度港湾管理者の方が独自に入港禁止をするということは、それは可能なんでしょうか。
 例えば、港湾法だとかいろんな法律の中で、その辺の権限というのは港湾管理者に認められているものなのかどうかということをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(中尾成邦君) 港湾管理者は、施設の管理というものを主にやっております。したがいまして、施設の使用に関しまして許可を与えるということでございまして、特定の船舶、国に対しての不平等な扱いというのはできないようになっております。
 しかしながら、例えば岸壁が空いていないとか、あるいは小さな岸壁に大きな船が入りたいとか、そういう場合は拒否ができるようになっております。

○藤本祐司君 多分、国際ルール上、入港船舶、国籍に制限がなくて、その辺りはどの国に対しても開いているというのが国際ルールなんだろうというふうに思いますし、実際に船舶に使用許可ができないのは物理的な状況だけというふうに解釈できるんだろうと思いますが。
 じゃ、もう一つ。その港湾管理者、政府ではなくて、そこの港湾を利用している事業者、例えば荷役事業者であるとか、その入港手続を行う業者が事実上それを拒否するということはできるし、恐らく、期間を限定してなのか、限定的だとは思いますが、やっている例もあるんだろうと思いますけれども、それに対しては民間事業者のやっていることだから、それはもう全く問題がないという解釈でよろしいんでしょうか。もしそういうことを実際にやっている例があるんであれば、どこでどういう例があるのかも併せてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(中尾成邦君) お答えいたします。
 港湾運送事業者に限って言いますと、民間事業者として自らの判断に基づき荷役を受けないこと、つまり拒否することは可能であると思っております。実際の例といたしまして、万景峰号の前でございますけれども、名古屋港等でそういうことが行われたというふうに聞いております。

○藤本祐司君 現在はそれは、今そういう形で業者が拒否しているというような例は今時点ではないんでしょうか。その辺りについての情報は把握されていますでしょうか。

○政府参考人(中尾成邦君) お答えいたします。
 現在は入港禁止になっておりますので、中に入ってきておりません。したがいまして、拒否というか、そういう事態がないということでございます。

○藤本祐司君 分かりました。
 ちょっと時間がありませんので、次の質問に移りたいと思いますが、できるだけこのミサイル発射のときの七月五日のことについてお聞きしようと思っておりましたので、一点だけちょっとお聞きしたいのは、航空機、船舶への危険通知のことでございますが、これは外務省さんの資料によりますと、七月五日三時三十分に発射されたものに対して各警察庁とか防衛庁とか外務省さんとか、いろんな連絡室、対策室あるいは緊急対策本部などを設置をされていたという資料をいただいているわけなんですが、国土交通省に関係するものとしては航空情報、いわゆるノータムと言われているものなんですが、これは国土交通省が航空各社あるいは飛行中の航空機に向けて危険を通知しているのが八時二十一分、これは衆議院の方でも質問があったんですが、ちょっとこれ、答弁で私も理解できなかったものですからあえてお聞きしたいと思うんですが、八時二十一分、今度海保、海上保安庁が船舶に航行情報、危険、注意を呼び掛ける情報、警報を出したのが八時五十三分で、これ三十分のずれがあるんですね。
 前回の衆議院の方での同僚の議員が聞いたときには、平山参考人は、国土交通省が危機管理に関しては一元的に管理をして、そこから、国土交通省から各県、関係各局へ、もちろん海上保安庁も含めてなんですが、連絡をしているということであるというふうに言っているんですが、ここで三十分間のタイムディファレンスが、時間差が生じているという理由というので、その中のシステムの問題とか目詰まりが起きているんじゃないかということでこの間の衆議院では終わっているんですが、多分こういうことが起きるというのは、ただそれだけの問題ではなくて、いろんなほかの状況が重なって三十分の時間差が起きているんじゃないかなというふうに私は思っているんですね。そのシステムだけの問題ではなくて、目詰まりの問題だけではなくて、ほかにもいろいろ問題点があるんじゃないかなというふうに思うんですが。
 まず一つお聞きしたいのは、国土交通省から航空あるいは船舶の話はあるんですが、じゃ国土交通省にはどこから確定的な情報が来たのか、ちょっとそこを教えていただきたいと思うんですが。

○政府参考人(平山芳昭君) お答えいたします。
 情報は、基本的に内閣官房の方から国土交通省の私の担当のところにまず入ってまいりますが、それとは別に、現場官庁を持っている保安庁にはまた内閣官房の方から情報が入ってきますので、二つのルートから入ってきますが、ほぼ同じ時刻に入ってくるというふうに理解をいたしております。

○藤本祐司君 そうであるならば、海上保安庁と国土交通省に同じような時刻で入ってくるんであれば、海上保安庁から船舶に行くのが三十分遅れているというのが、ちょっとそこのところが理解できないんですね。
 だから、飛行機に対する情報と船舶に対する情報と流し方が違うのか、あるいは流す情報の確定をするのがずれるものなのか、何かそういう理由があったのかなと思うんですが、この三十分間のずれというのはどうして起きたのか、ちょっとそこを教えていただきたいんですが。
 多分これ航空と船舶と別々に知っているんですが、それを多分合わせておかないと、今後も同じようなことが起こり得るのかなと思うものですから、ちょっとお聞きしたいと思います。

○政府参考人(平山芳昭君) お答えいたします。
 航空は、飛行機が飛んでいる、安全といいますか、そういう意味で飛行機に対する情報を出しますし、保安庁の方は、周辺にいる船舶、そういうものに対する情報を出すということで、同じ情報ではありますが、相手に対して何を出せばいいかという情報は若干異なっている。そのまた目的も異なっておりますので、それぞれの判断するところも、こういうものを出した方がいいんではないかと判断に若干時間のずれがあったということで、今回三十分のずれがあったんではないかというふうに理解をいたしております。

○藤本祐司君 というと、今回は三十分のずれが生じていたと。だけれども、また同じようなこと、あってはいけないこと、ない方がいいんですが、同じようなことがあった場合、危機管理上やはりこれを考えておかなければいけないわけですので、次は必ずしも、三十分、こういうずれが起きるとも限らない。やっぱりこれは、やっぱり短めに、短くするにこしたことはないわけなので、その辺の努力はしていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(平山芳昭君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、今回三十分のずれがありましたし、実際ミサイルが撃ち出された情報というのはもう少し早く、八時よりちょっと前にあったわけでございますね、この前の御質疑でもございましたが。そのときいろいろ、今回は最初だったこともあり、判断をいろいろして、今これを出した方がいいだろうということで出したわけでございますが、今後の問題といたしましては、やはりこういう情報、できるだけ、公表できるような情報が手に入ればすぐに情報としてお出しするということが適切だということで、内部部局でもいろいろ調整をいたしまして、今後は、確定情報あるいは公表できる情報、それが手に入りました段階ですぐ出すということで統一をいたしております。

○藤本祐司君 時間がありませんので、最後の質問にしますが、この七月五日以降の地域経済への影響、これについて調査をされているというふうなお話を伺っていると思いますから、現状どういう調査をされているのかということをお聞きしたいのと、あと、やはり地域経済というのは、別に、多分国土交通省さんですから恐らく運送事業者に対して調査を掛けているということになるんでしょうが、地域経済ですから、いろんなほかの経済活動をされているところも併せて地域経済への影響というのを考えないといけないだろうというふうに思います。
 是非、この辺りはほかの、経済産業省とかの調査と一緒にこれをやって、連携を取ってやっていかないと、本当の意味の効果というか影響というのは分かってこないのかなというふうに思っておりますので、それについて今どういう調査をやっているのかということと、もう一つ横の連携を是非やっていただきたいというふうに私の方では要望させていただきたいと思うんですが、それについてだけは冬柴大臣に、その御決意といいますか、そういう横の連携どうするんだという、その辺りについてはお聞きしたいと、お答えいただければと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 直ちにそういう、どういう影響が及ぶかということを調査をいたしました。特に、港湾運送事業者についてどうなのかということでいたしまして、大体二十五事業者で合計約三億円が影響を受けるだろうということでありますが、その港湾運送事業者の収入合計に占める割合は〇・五%、その三億円というのはですね、そしてそれ以外の全事業収入に占める影響割合は〇・〇一%であるということが明らかにされまして、これが決定的打撃になるような影響はないという判断はいたしております。
 しかしながら、我々は、地方運輸局等に相談窓口をつくりまして、そして是非、政府系金融機関の紹介等もしそういうことが必要があるならば、是非そういうふうに我々の方はお受けいたしますよということを通知したところでございます。
 我々は、そういう体制を整備いたしまして、今後ともその面について十分気配りをして、配慮をして、そして影響を最小限のものにしていくという努力をしていきたい、そのように決意をいたしております。

○藤本祐司君 終わります。
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2006年10月26日

国交委員会大臣所信に対する質疑

165-参-国土交通委員会-2号 平成18年10月26日

○藤本祐司君 おはようございます。民主党・新緑風会の藤本でございます。
 国土交通委員会は私は初めてでございまして、今までずっと総務委員会の方だったんですが、二年ほど、会場が変わったりしますと、立ち位置が変わると何か随分雰囲気違うなという思いがございまして、ちょっとある意味、いい意味でちょっと緊張もしておるわけなんですが。
 国土交通の分野というのは御承知のとおり大変広い分野でございまして、元々、建設、運輸、国土庁、北海道開発庁など、こういったところが一緒になっているという意味で、非常に広い分野だという意味で大変だなという思いもあるんですが、今の世の中、大分価値観が多様化したり、ライフスタイルも変化もしてきているし、社会構造がいろいろ複雑化している中で、昔だったら道路は道路、港湾は港湾ということで、割とその中である程度の議論ができたんだろうと思いますが、最近はもうその辺複雑化していますので、全部横のつながりが非常に強くなってきているので、私なんかもいろいろ施策とかレクをお願いしたりする場合も、恐らく道路の問題を道路局だけでお聞きしても解決が付かないような問題とか出てくるんじゃないかなというふうに思っておりまして、大臣におかれましては、この総合的にすべてをというのは大変、非常に幅広い分野で総合的な専門性を持つというのはなかなか大変なんだろうなというふうに思っておりますが、是非ともよろしく頑張っていただければというふうに思います。
 それでまた、大臣におかれましては、国土交通大臣という名前の横に観光立国担当大臣という、きっと観光をこれから推進していこうという、そういう意思が感じられるネーミングになっているわけでございますので、今日も観光について重点的にお聞きしようというふうには思っておりますが、その前に、この前の大臣の発言ですね、いわゆる所信といいますか、それに対しまして、少し別の分野につきましても、私もまだ不勉強で分からない点が幾つかあるものですから、お聞きしたいというふうに思っております。
 この前の、二十四日の大臣発言の中で、主に第二というところと第三、つまり第二というのは、国際競争力の強化という点での物流の面と観光、いわゆる人の流れといいますか交流、人流といいますか、その分野についての部分と、あとは、第三というのは都市再生、地域再生、これは非常に連関しているところだと思いますが、この部分について少し不明確な点とか、抽象的でちょっと私としては理解が、いろんな理解ができそうだなというようなところにつきまして、ちょっと確認も含めましてお聞きしたいと思いますが。
 まず、この第二というところで、我が国の成長戦略の基本となる国際競争力の強化については、アジア地域の経済の一体化を踏まえ云々、で、アジア・ゲートウエーとなる港湾、空港、アクセス道路、鉄道網などという表現があったんですが、このアジア地域の経済の一体化を踏まえという、これが前提になっていると思いますが、このアジア地域の経済の一体化というのはどういうことをおっしゃっているのか、ちょっとそこの辺り、私なりの解釈はあるんですが、それと違ったらいけないと思いまして、まずちょっと前提でお聞きしたいと思います。お願いします。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 近年、中国を始めとした東アジア地域は、生産拠点あるいは消費市場として急速な経済発展を遂げております。一方、我が国は少子高齢化というものが進んでおりまして、人口減少社会というものが始まっているわけでございます。こういうことが今後も、いろいろ改善努力はいたしますが、続いていくということを考えますと、消費というものも人口の減少に伴って縮小するわけですし、生産というものも縮小するわけでございます。
 そういう意味で経済成長戦略大綱というものを閣議決定いたしましたが、その中に、いわゆるアジアとの一体ということが一つのキーワードになるわけでございます。日本の生産人口が縮小する、そういうものを水平分担するためにアジアの地域で生産をしていただく、そしてまた消費も、人口が減るわけでございますが、何といっても大陸には十二億、十三億という大きな人口を抱えた消費市場も存在するわけであります。したがいまして、そういうものを取り入れた、日本のこの小さな国土だけで考えるんではなしに、この広大な東アジアという地域を踏まえて生産も消費も一体化していけば、日本の人口減少という、あるいは高齢という事態を踏まえましても、なお今後持続的な経済成長を遂げていくことはできるという考え方に立っているわけであります。
 そうしますと、四面環海、いつも言うんですけれども、海に囲まれた日本がアジアと一体となるためには、すべての、人も物も金も海を越えてこなければなりません。そういう意味で、アジア・ゲートウエーといいますか、ここをシームレスにつなぐというようなものも、全部海を渡ってくるわけでございまして、貿易の量から考えますと、九九・七%が外洋、外航船舶に頼っているわけです。そうしますと、それが接岸する港湾、国際港湾というものの整備が急がれますし、国際港湾から生産、日本国内の生産拠点とかあるいは消費拠点までの道路のネットワークというものも広げていかなければならない。こういうことを私は考えまして、ここに言うようなアジア経済の一体化を踏まえて、アジアのゲートウエーとなる港湾、空港、アクセス道路、鉄道網などソフト面云々ということを述べたわけでございます。
 ちなみに、物流においても、全輸出額に占める東アジア地域の割合はこの二十年で一五・四%から二五・五%、急激に拡大しているわけでございます。また、我が国との関係におきまして、近年、東アジアからの急速な発展に併せまして、我が国最大の貿易相手国は米国を抜いて中国となりまして、また二〇〇五年の我が国の全貿易額に占める東アジアの貿易額の割合はもう四〇%になっております。そういうことを考えますと、先ほど私が述べましたこのアジアとの一体ということが御理解いただけると思うわけでございます。
 そういう意味で、港湾とか空港の整備、そして道路網の整備が必要だということを申し上げているわけであります。

○藤本祐司君 ありがとうございます。
 非常に分かりやすい部分だと思いますが、ただ一方で、言葉としてなんですが、まあ言葉じりをとらえるわけではないんですが、経済のソフト化、サービス化に並んで経済のグローバル化という言葉ももう二十年ぐらい前からずっと使われていまして、経済がグローバル化している。つまり、アジアというだけではなくて、もう世界じゅうとのつながりの中で経済が、活動が動いているわけでして、ただそうはいっても、やはり距離的な近接性であるとかそういうところを考えると、アジア経済というか、ブロック的に、アジアブロックといいますか、その中でまた一つのまとまりがあるというような意味合いからアジアが一つだというお話があると思うんですが、ただ、今大臣の御答弁の中で繰り返し言われていたのは、東アジアというお話があったわけなんですけれどもね。
 だから、アジアというよりは、むしろその一つのブロック経済というのが、今の現状を考えると、むしろその中の東アジアが一つの経済が一体化しているものであって、アジア全体というところまでまだ至っていないというような感じも今の御答弁からだと解釈もできるのかなというふうには思っておりますが、その辺り、この東アジアというところでもう少しブロックを小さめに考えてもいいんでしょうか。どちらの方がよろしいんでしょうか。

○国務大臣(冬柴鐵三君) アジアでございますが、私は頭の中には韓国、中国というのが物すごく観光立国と連動いたしまして、先ほど中島委員からも御指摘ありましたように、これから三百万人を超える来客を日本にお呼びするためには、やっぱり大口得意先は中国、韓国かなという感じがあるもんですから東アジアという表現になりましたが、そう矮小化することはなく、やはり東南アジア全体を含め、もっと広くはアメリカ、何といってもやっぱり中国に次いでアメリカが大口得意先でございます。
 そういうことも考えなきゃいけませんけれども、今アジアとの一体化と言ったときには今申し上げたような趣旨を含んでおりまして、生産拠点を水平に、日本の製品をアジアで作っていただく、あるいは日本で作られた商品をアジアで消費していただくというようなことで日本の経済成長を図っていきたいと、こういうことでございます。

○藤本祐司君 多分、国土交通省の関連でいうと港湾とか空港とかというところがインフラの部分で非常にかかわってくると思うんですが、経済ということになれば、当然国土交通省だけの問題ではなくて、産業政策だとかそういったところとの連携ということが非常に重要になってくる、その中での国際競争力ということになってくるんだろうと思いますが。
 ちょっと国際競争力の意味合いなんですが、アジアが一つと、一体になってますよと、アジアの中での生産あるいは消費というところも一つの一体化されているものなんですが、国際競争力に打ちかつというのは、アジアの中での競争になるものなのか、あるいはもうアジア対あるいはほかの地域、ブロックというような意味合いでのここの国際競争力の強化というのを使われているのか、どちらで解釈したらよろしいんでしょうか。

○国務大臣(冬柴鐵三君) これは、やはり全世界を相手の競争が物すごくあるわけでありまして、アメリカを中心とする市場、あるいはEU、ヨーロッパを中心とする市場、そしてまたこのアジア、そういうところの中で激しい競争が行われているわけで、その中で勝ち抜いていくためには、今言ったような、日本は今までと違いまして少子高齢社会というものが物すごく進んでおります。そのままほっておけば、日本の狭い国土の中だけで考えておれば、これはやはり縮小していかざるを得ないことになると思うわけであります。
 したがいまして、もちろん労働生産性を上げるとか、いろんな科学技術を振興するとかいうことももちろん一つ大事ではございますけれども、この近隣の諸国と、アジアと一体になって我が国の国際競争力を強める、強力にするということをねらっていかなければならないと思います。

○藤本祐司君 現状では、その物流構造、世界的な物流構造の中のアジアが占める位置付けというのと、もう一つアジアの中、アジアの中での日本の、港湾に限って言えば外貿港湾、外貿のコンテナの取扱貨物量だとか、そういうところから見た場合に、世界の中のアジア、アジアの中の日本の、その物流の中での構造上のポジショニングといいますか、それは今、現状どういうようになっているのか、あるいはそれをどういうふうに展開をしていくことによって国際競争力のある港湾機能といいますかね、そういうものにしていこうと思われているのか、教えてください。

○政府参考人(中尾成邦君) お答えいたします。
 アジアの諸国の各港のコンテナ取扱いというのは急激に増加しております。例えば上海港におけるコンテナ取扱量は、一九九四年、百十三万個でございました。それが、十年後の二〇〇四年には千五百万個というふうに約十三倍となっております。非常に目をみはるものがございます。
 一方、我が国の港湾の取扱量でございますけれども、十年間で全国で一・五倍となって増大はしております。しかしながら、日本を除くアジア諸国で見ますと、この十年で約五倍というふうに我が国を上回る大きな伸びを示しております。
 このような上昇におきまして、アジア域内における我が国港湾のコンテナ取扱いのシェアは減少しておりまして、我が国港湾の相対的地位は低下しております。

○藤本祐司君 恐らく物流量というのが膨大に増えて増加をしてきている中で、相対的にはやっぱりポジションとしては下がっているのかなというふうに思うんですが。
 阪神・淡路の大震災があった直後、神戸、大阪の部分が釜山に移ったりとかそういう話があったかと思うんですが、それ以降、特に神戸、大阪、ここの取扱量といいますか、その辺は、今の現状、震災前と今とで比較するとどのぐらいまでカバーをしてきたというか、取り戻されてきているのか、それはシェアにするとどのくらいになっているのか、あるいは量についてどうなっているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○政府参考人(中尾成邦君) お答えします。
 神戸の例でございますけれども、神戸の例で、一九八〇年、これは震災前、大分前でございますけれども、そのときは百四十五万個扱っておりました。これは世界でいいますと四番目の地位でございました。それが、二〇〇五年でございますけれども、若干伸びておりまして、二百二十万個余りを取り扱っております。しかし、その地位といいますか、ランキングでいきますと三十二位というふうに非常に低下しておるということでございます。

○藤本祐司君 神戸の例をいただきましたが、先ほど、その前の質問で日本の物流における拠点性というのが随分全体としては低くなったというお話なんですが、その辺、何でそうなっているのかという原因というのはどのように分析されているんでしょうか。理由ですよね。

○政府参考人(中尾成邦君) 一つは、日本の港湾、物流コストと、あとサービスの面で若干劣っていたんじゃないかと思っております。
 コストという面では、近隣の諸港、釜山とかあるいはカオシュン、高雄、台湾ですね、あそこの港と日本の東京港を比べますと、港湾コストでいきますと一・五倍ほど高いという状況でございました。
 それともう一つ、サービスの面。一つの指標でございますけれども、港に滞留する貨物の時間です。時間で計ってみますと、日本の港湾の場合、三日ぐらい掛かっておったと。しかしながら、シンガポールとかアメリカの港を見てみますと一日で済んでおるということがございました。
 そのため、いろいろなことをやりまして、できるだけそのような諸外国の港に負けない港を造ろうということで今やっております。

○藤本祐司君 いろんな施策を今の課題を克服するためにやられると思いますけれども、主にどういうところの施策を重点的に考えていらっしゃるのか。港湾機能のレベルアップということになるんだろうと思いますけれども、そこについて、全部とは言いませんが、重点的なものだけお願いします。

○国務大臣(冬柴鐵三君) シームレスな物流ということを言ったと思うんですが、これは物を輸送する際にいろんな障害が存在いたします、通関とか検査とかいろんな書類の。そういう時間の間、先ほど局長が答弁しましたように港で荷物が滞留するわけですね。そういうものをなくしていこうということが一つです。それは、だから国際、国内の物流がスムーズにつながる、障害をできるだけ少なくしていくということが一つです。
 それからもう一つは、陸海空といういろんな各輸送モードがスムーズに連携するということがあります。例えば、韓国の国内を、一つのシャーシと言いますが、その上にコンテナを載せていると。そのシャーシをそのまま船に載せる。そして、日本の港に着いたらそのまま、そのシャーシのまま引っ張って消費地まで持っていく。こういうことにすれば、一度荷物を積み替えるという二回の作業がこれ始末できるわけでございます。大変便利です。
 そういう意味で、これはこういうことを進めようということを日韓の間でも今ずっと協議やっているわけで、技術的にできると思うんですが、そういうことが大事だし、それから日本の港へ着いてから消費地までどれぐらい、高速道路がもう渋滞したりするとそれだけでも時間が物すごい取ってしまうわけでございますから、そういう港から拠点までのネットワーク、それをどう合理的に短縮していくかという投資が必要になってくるわけであります。そういうことをシームレスというふうに呼んでいます。

○藤本祐司君 今の御説明で分かりましたが、何で今までそういうことをやってこなかったのかなという方が、逆に言うと、ちょっと逆に私としては不思議に思えてしようがない。ほかのところでやっているところに、それこそ海に囲まれた日本で港湾というのは物すごい重要なところだったのに、そういった基本的なところができてなかった理由というのも逆にお聞きしたいぐらいだなというふうに思いますが、ちょっと時間の関係もありますので、物流についてはこの程度にさせていただいて、その後、第二の地域経済の活性化、我が国のソフトパワー強化の観点から云々の観光立国というところについてお聞きしたいと思います。
 国際競争力のある観光地というのを、ここのちょっとイメージがどうも多分共通イメージがわきにくいなというところがあるんですが、これは専らいわゆる国際観光、つまり特にインバウンドの訪日外客、外国人訪問客というんでしょうかね、を意識してのことなんだろうと思いますが、国際競争力のある観光というのはどういうことを言われているんでしょうか。

○国務大臣(冬柴鐵三君) これはやはり日本の文化、伝統、自然、歴史というような魅力、これを世界に知っていただくということが大事だと思います。
 日本にはもう二千年を超える歴史がありますし、アメリカが、一七七六年ですかね、独立宣言。そういうことを考えると、日本のドジョウ屋さんが一七七六年に開業しているんですね。それぐらい古い日本の国柄でございますから、そういう魅力は物すごくあると思うんです。それに伴ういろいろな町の催物、お祭りというようなものがあります。自然も、本当に海に囲まれ、そして国土の七割以上が森林に囲まれたところでありますし、そしてまた南北に長い日本の国土というものは四季折々が本当にきれいにその土地柄がありますし、温泉もあります。
 そういうことを考えますと、それを、そういうものを、魅力を世界に発信するということ、これが非常に大事だと思います。これは世界に知っていただければ尊敬され、愛される国づくりというものは必ずできるし、それは魅力があると思います。
 それからまた、観光地づくりということも知恵と工夫を絞らなければならないと思います。交流人口を増やすためには、魅力のある地方をつくっていかなければならないというふうに思います。地方にはすばらしい食材、あるいはそれに基づく食文化もありますし、そこでしか取れない産物もあるわけでございます。そういうものが魅力ある観光地、魅力あるそういうものをつくっていく、私はそのように思っておりまして、こういうことをよく知っていただく、そのために、例えば今まで昔はたくさんあったんだけれども今はこれが余り意識されないというものを、ルネサンス、もう一度再生するという作業もあると思います。また、そういうものについての取組についての国の支援ということを通じて魅力ある観光地というものをつくっていけると思います。
 戦略的な日本ブランドの発信という意味ではいろんな視点がありまして、トップセールスを実施するとか、海外で開催される旅行博への出展をするとか、あるいは海外メディアの招請による我が国の観光魅力の広報宣伝活動を行うとか、海外の旅行会社の招請による訪日旅行商品の造成を支援するとかいうようないろいろな問題があるし、また青少年交流という意味で教育旅行の受入れの促進、あるいはもちろん国際会議、イベントというものを一・五倍やっていこうというような取組もやっているわけでございますし、そういうことを通じて先生御指摘のような魅力ある、観光について魅力というものを発信していけることができるんじゃないかというふうに思っています。

○藤本祐司君 確かに、国の魅力をどう発信するかということが非常に重要なんだろうというふうに思いますが、先ほど中島委員の方からも御指摘ありましたように、インバウンドとアウトバウンドの差が非常に大きいと。日本人の外国へ旅行する人が一千六百万から一千七百万、それに対して、最近増えてきておりますが六百万から七百万人のインバウンドがあって、その差があるということで、その差は大分縮まってはきているものの、まだまだ大きいものであるという認識、現実なんだろうというふうに思いますが、どうしてこういうインバウンドとアウトバウンドの差があったのかと。そこの原因が分かっていないと、その原因を埋めていくというのが恐らく政策、戦略になってくるんだろうと思いますが。
 インバウンドというのは、そもそも何を表して、何を表しているかというか、要するにインバウンドの多い国というのはどういう国なのか、あるいはもう一つは、逆にアウトバウンドが多い国というのはどういう国なのか。どういう国がアウトバウンドが多くて、どういう国がインバウンドが多いのか。逆にどういう国が少ないかということにもつながるんですが、その差の原因といいますかね、それぞれの理由というか、そこはどのように認識されているんでしょうか。

○政府参考人(柴田耕介君) 二〇〇五年時点におきまして、いわゆるアウトバウンドでございますが、日本人の海外旅行者数は一千七百四十万人でございます。これに対しまして、訪日外国人旅行者数、インバウンドと申しておりますが、六百七十三万人ということで、この差は一千六十八万というふうになってございます。それで、一九八〇年代前半まではこの差が二百万人台ということでございました。その後二〇〇〇年までの間、バブルの時期も含めまして一千万人という台に拡大したということでございます。
 それで、このインバウンドとアウトバウンドという関係でございますが、インバウンドが大変多い国を一つ見ますと、近隣諸国から大変たくさんの方々が来ておられるところが多うございます。例えば、スペインでございますとかフランスでございますとかイタリアでございますとか、そういう感じでございます。また、アウトバウンドが多いところは、やはりどちらかといいますと経済的に豊かなところという感じの印象を持っておりますし、実態的にもそういうふうになっているというふうに思います。
 したがいまして、このインバウンドとアウトバウンドの関係というのは、近隣諸国の経済発展とかそういうものというものにかなりの程度影響されている部分がございます。また、円レートといいますか、為替レートの関係というのも影響してまいります。
 そういう中で、現在、近隣諸国、中国でございますとか韓国でございますとか、アジア地域、こういったところで大きな発展が見えているところでございますので、そういう意味では、インバウンドを強化するという意味でも絶好のチャンスではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。

○藤本祐司君 ちょっと質問するつもりなかったんですけれども、今のことでちょっとお聞きしたいんですが、イタリア、スペイン、フランスが多いなという話、まあ地続きだということもあるんだろうと思いますが、そうすると、はあ、なるほどなというふうに思うんですが、じゃドイツは何で逆になっているんでしょうか。

○政府参考人(柴田耕介君) これはちょっと国民特性というふうに、私なんかはヨーロッパに住んでいたこともございましてありまして、ドイツの方は大変旅行が好きでございまして、ヨーロッパに行かれると、本当にトレーラーを引っ張ってヨーロッパじゅうを旅行しておられます。そういう方々がアジアにも来られているということで、若干そういう部分もあるのかなというふうには思っておりますが、それだけで分析が足りているかどうかについては、ちょっと私も自信がございません。申し訳ございません。

○藤本祐司君 じゃ、スペインは余り好きじゃないのかなという気もしますけれども、そういう意味でいきますと。
 為替レートの話がありましたが、逆に、じゃ日本の円の問題ということを多分言われたいのかなというふうに思いますけれども、スイス、スイス・フランで非常に強かった。スイスは非常に物価が高い。だけども、非常にインバウンドのお客様が多いというのはどういう説明ができますでしょうか。

○政府参考人(柴田耕介君) いわゆるマーケットの、何といいますか、状況だけではなくて、そこにいかにして魅力ある、まさしく国際競争力のある観光地づくりをするか、魅力ある観光地づくりをするかということが影響しておりまして、安いばかりがいいわけではないというふうに思います。いわゆる割安感といいますか、そのお金に、金額に見合った魅力をいかに提供できるかということも一つの大きな要素でございます。
 そういう意味で、私ども、ビジット・ジャパン・キャンペーンと併せまして、観光立国推進という中で、国際競争力のある、魅力のある観光地を、もちろんこれは外国の方だけではなくて日本の方々が楽しんでいただけるという意味でも国際競争力のある観光地というのをつくっていかなくてはいけないと、こういうふうに考えておりまして、その面につきましても私どもとして鋭意努力をしている次第でございます。

○藤本祐司君 そのとおりだと思います。やはり魅力あるものをどうつくっていくのかということで、スイスなどはなかなかほかの周りにも体験できないような何かがあるということなんだろうと思いますので、そういう意味で日本も、国際競争力って、魅力魅力というふうに言われているんですが、恐らくほかの国、例えば中国をターゲットとしている、韓国をターゲットとするのであれば、韓国や中国と違ったものが日本にあるということがやはり一番重要なんだろうなというふうに思いますし、先ほど歴史は二千年というふうに言われましたが、木の文化と石の文化の違いはありますので、二千年前の建物が残っているという、町が残っているというのはなかなか日本の場合難しいわけなんですが、ただ、それ以外の文化とか伝統というのが非常に日本の場合は残してあるところもあるし、もうスクラップ・アンド・ビルドで全部ぶっ壊してしまったところもあるし、その辺りの差というのが魅力というところに影響してくるんだろうなというふうに思いますので、まず魅力のないところには、幾ら来てください来てくださいと言ったところで、人が来ないというふうに私は思っております。例えば、自分が家を新築したとしても、みんなに褒めてもらえるような家でなかったらば、来てくださいとはまず言わないし、行っても何だと思ってまた二度とは来てくれないという。
 先ほどリピーターというお話がありましたので、正に観光地をどう魅力付けをしていくのかというのが最も重要なことだというふうに私は思っておりますが、ただ、このビジット・ジャパン・キャンペーンについて言えば、一千万人という数字の目標値だけをまず見てしまって、一千万人さえ来ればいいのかということにとらわれやすいちょっと表現ぶりになっている部分があるので、ちょっとそこのところは気を付けていかないといけないかなというふうには思っております。
 この前の大臣の発言の中で、第二にというところの我が国のソフトパワー強化の観点から、観光立国を推進しという表現がありますが、このソフトパワーの強化ということと観光立国というのをどう読み替えればいいのかなと。要するに、ソフトパワーをどう観光と結び付けていいのかなと私なりに勝手に解釈をすると、地域の魅力向上という点から、地域の魅力向上の観点から観光立国を推進しと読み替えていいのかどうか、ちょっとそこ、いわゆるソフトパワー強化というところと観光立国との関連性というのを、ちょっと魅力ということと多分合わせて私は考えてしまったんですが、そこの解釈をちょっと教えていただきたいと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) このソフトパワーという、ハードの部分とソフトの部分があるわけですが、ハードの部分につきましては、その地域がそのまちづくり、きれいなまちづくりをするために我々の方も、国としてもそれを支援していくとか、あるいは地方自治体ですね、公共団体がそういうものをやる場合にも、こういうものについていろいろな、我々の方からソフトの面でこういうふうにしたらいいんじゃないかということを助言をできるというような面があると思います。
 それともう一つは、具体的には、国や地域によって差はもちろんありますけれども、団体旅行から個人の旅行へ移行する、旅行市場の変化というものが見られるわけです。成熟してきますと、最初は団体ですけれども、そのうちにもう一度あそこをもっともっと詳しく見たいとか、自分たち夫婦だけで例えば車で行ってみたいというような人たちが出てきつつあるわけです。例えば、台湾地域の人たちはそういうもうニーズに変わりつつあります。そういうものに的確に対応した事業展開をしていくというソフト。あるいはリピーターですね、もう一度行ってやろうという人を目的とした新たな観光魅力の発信をする。あるいは本年七月に開催をいたしました日中韓観光大臣会合というものが北海道で行われました。前大臣の北側さんのときでございますけれども、日中韓三国で共同の観光交流拡大をやろうではないかというような取組が合意をされました。
 それから、国際会議、国際文化、スポーツイベント、そういうものを誘致する、それを通じてビジネス訪日旅行というものが促進されることになります。ですから、新たな訪日旅行需要というものを創出し、また拡大し、そしてこれの目標を立てて達成をしていくというソフトの面、それから、そこへ来ていただく魅力をつくるハードの面、両方が必要だと思っております。

○藤本祐司君 ここのところでビジット・ジャパン・キャンペーンの強化、高度化というお話があるわけなんですけれども、ビジット・ジャパン・キャンペーンそもそもの目的、まあ幾つか、三つほどあったかと思うんですが、このビジット・ジャパン・キャンペーンの目的というのは、ただ単に数を増やすということだけなのか、あるいは何かもっと奥深い目的があったのかというふうに私は思っているんですが、この目的についてお聞きできますでしょうか。

○政府参考人(柴田耕介君) ビジット・ジャパン・キャンペーンを展開する前の段階で、観光立国懇談会というのを開催させていただきまして、その中でのキーワード、一言で申し上げますと、「住んでよし、訪れてよしの国づくり」ということでございまして、このビジット・ジャパン・キャンペーンで外国から来ていただくということで、いわゆる広告宣伝的なものがございますが、それだけではなくて、日本の魅力をいかにつくり上げ、それを海外に発信するかということ、そして住んでいる我々日本人が、ここは大変いいところだと、是非外国の方にも来ていただきたい、周辺の地域の方、それから国内の方にも来ていただきたい、こういうことが基本でございまして、それを踏まえまして、ビジット・ジャパン・キャンペーンというのは、対外的に活動している部分をビジット・ジャパン・キャンペーンというふうに呼んでございます。
 したがいまして、トータルとしては観光立国の推進というのが考え方でございまして、その考え方の基本は「住んでよし、訪れてよしの国づくり」というふうに考えてございます。

○藤本祐司君 もうちょっと具体的に教えていただきたいんですが、日本をいいなと思ってもらうということでしょうか。ただそれだけですか。経済効果というのを当然ねらっているんだろうと思うんですが、ビジット・ジャパン・キャンペーン、もうちょっとかみ砕いた目的をお願いします。

○政府参考人(柴田耕介君) もちろん、経済効果ということ、そして人的交流の拡大を通じた地域の活性化と、こういうのを考えてございます。ただ、数値目標として設定いたしておりますのは海外からの訪日旅行者一千万人ということでございまして、それ以外については特に数値目標というのは今までは設定をしておりませんでした。
 ただ、今回、国際会議、これの誘致件数を五年間で五割増にしようというような数値目標というのを立ててきておりまして、こういう形で具体的な数値目標を立てていろいろ取り組んでいくということも大変な重要なことではあろうかと。特に官民、そして国、地方が連携して事業を推進する上ではこういう数値目標を立てるということも重要だというふうに思ってございますが、今のところ数値目標として持っているのはそういうところ。それから、先ほど大臣から申し上げましたが、学校交流の関係で数値目標を設定しているというのがございます。

○藤本祐司君 一般的に言うと、国際観光の目的というのは、相互交流であったり相互理解であったり、あるいは経済効果であったり、あるいは外から人を呼んでくるという意味では、国際観光に限らず、観光というのは地域の活性化、地方の活性化という、この辺りが目標、目的になってくるんだろうというふうには私は理解しておったんですけれども、恐らく今の回答の中にはそういう意味を含めてと、取りあえず今の段階では理解をしておきますけれども。
 経済効果ということもやはり重要なポイントなんでしょうね、これからの経済活動ということで考えると。観光産業というんですか、観光という、関連産業含めてなんですが、の中で国際観光というのは大体どのぐらいのパーセントというのか、金額でもいいんですけれども、を占めているものなんでしょう、現状で。

○政府参考人(柴田耕介君) 観光産業は、旅行業や宿泊業のほか、運輸業や土産品を含む物品販売業など、大変幅広い、すそ野の広い産業でございます。
 この観光産業の規模につきましては、従来より旅行・観光消費動向調査に基づきまして旅行消費額を推定しておりまして、平成十六年度で二十四・五兆円というふうになっております。また、波及効果を含めましたGDPベースでの効果は二十九・七兆円ということでございまして、我が国のGDPの五・九%を占めてございます。
 それで、国内の、先ほど申し上げました旅行消費額のうち訪日外国人旅行の関係でございますが、これは一・六兆円、トータルが先ほど申し上げました二十四・五兆円でございますが、訪日外国人の金額は一・六兆円ということでございます。

○藤本祐司君 二十四・五兆円のうちの一・六兆円というと、まだまだ規模としては非常に小さいものだと、シェアとして、割合としては非常に小さいものなのかなというふうに思いますが。
 この観光というのは、御承知のとおり人手の産業ですので、多分雇用機会の創出というのが更にこれ含まれてくるというのかなというふうに思いますが、この二十五兆円というのは、ほかの産業で考えると、例えば自動車産業が何兆円でというか、どのぐらいに匹敵するものなんでしょうかね。

○政府参考人(柴田耕介君) 食料品産業というのがこの二十四・五兆円に大体匹敵するものでございまして、輸送用機械、自動車を含むものでございますが、これの若干、これよりは少ないという感じでございます。
 具体的な数字をちょっと持っておりませんが、イメージとして申し上げますと、自動車産業を含む輸送用機械、これよりは小さくて、いわゆる食料品産業よりは大きいと、こういうふうに御理解いただければと思います。

○藤本祐司君 分かりました。ありがとうございます。
 恐らく経済効果だけを考えていけば、一千万人ということだけではなくて、やはりある程度消費をしてくださる方々に来ていただくということも必要なんだろうというふうに思いますが、ちょっと現場とかいろんなところに聞いてみますと、かなり数が来ても、来ても来てももうからないというような話もあるぐらいで、やはりコストの面も考えていかないといけないのかなというふうに思うんですが。要するに、インバウンドが増えたといっても、そのコストの関連で結構マイナスになっているところがあったりするというふうに思っておりますが、国交省としてその辺りの問題点というのはどうとらえていらっしゃいますでしょうか。

○政府参考人(柴田耕介君) マーケットに応じまして、大変富裕層が旅行していただいている国もございますれば、まだ安いというか、安いツアーを利用している方。これ若干意外な感があるんでございますが、最近はアニメとか漫画とか、こういうものに対する関心を持っておられる欧米の方もおられまして、極端な例は、飛行機で来て降りて、成田から秋葉原に行って物を買って、そのまま帰ってしまう、泊まらないで帰ってしまうというようなツアーもあるように聞いております。
 逆に、中国なんかはまだまだ消費額なんかも少ないんではないかというお話を一部で聞きますし、そういうのも実態としては多うございますが、大変たくさんの買物をされる。今、日本で一番お土産を買って帰られる金額の多いのは中国の方だという話もございまして、マーケットの発展状況とか、そういうことによっていろいろ変化はございます。ただ、例えば中国のマーケットについては、全般的な感じから見ますと、宿泊施設とかそういうものはどちらかというと安いものをお好みであると、そういうような状況があろうかというふうに考えてございます。

○藤本祐司君 この間、事前に少しレクをしてお聞きしたんですが、このビジット・ジャパン・キャンペーンの目的というか、これ観光全体の目的の一つなんだと思いますけれども、地方の活性化、地域活性化ということがあるんだろうと思いますし、またビジット・ジャパン・キャンペーン自体もそれが一つの目的になっているというふうに私は承知しておるんですけれども、実際にこれがどの程度地域の活性化、地方の活性化ですね。比較的、私どもが二十年前、三十年前のことを考えれば、今の中国、韓国、台湾が今の旅行のニーズというのはそれに近いものがあるのかなというふうに思うんですが、比較的有名どころといいますか、例えば日本でいえば東京とか京都とか奈良とか、割とそういうところとか、場所によっては台湾が北海道に行くとか東北に行くとか、あるいは韓国が九州でゴルフやるとか、いろいろのパターンはあるんだろうと思いますが。全般としてやはり東京の訪問が多いとか、京都とか、そういう有名なところが多いとなると、もっともっとせっかくいい資源があっても、なかなか売れない地方の都市とか地方の農村部とか、そういうところまで多分、まだ国際観光の面ではそこまでは多分いってないんじゃないかなというふうに思っているんですが。
 これ本当に地方の活性化に役立っているのか、あるいは将来的には役立つということで今それを種をまいているという考え方を持っているのか、ちょっとその地方活性化という点でお聞きしたいと思うんですが。

○政府参考人(柴田耕介君) 先生からも具体的な地域の名前がございましたが、全般的な私どもの見方といたしまして、各都道府県、各市町村等々の首長さん等々とお会いしますと、この観光立国の推進ということで大変地域が活性化しているというお話を耳にする機会が大変多うございます。
 そういう意味で、まだまだ十分にあらゆる地域というわけにはいきません。しかしながら、頑張っている地域についてはそれなりの成果を上げて地域活性化に大いに貢献しているものと、こういうふうに見ている次第でございます。

○藤本祐司君 分かりました。これからの話だろうというふうに思いますが。
 冬柴大臣のこの発言の中で、ビジット・ジャパン・キャンペーンの強化、高度化という言葉があるんですよね。これ強化と、ちょっと別に揚げ足取るわけじゃないんですけれども、強化、高度化って何か使い分けをされているんですか。強化というのと高度化というのはどう違うものかなという、どちらでもいいのかなと思ったんですけれども、何か意図があるのであれば教えていただきたい。別に意図がなくて気分で書いたというんであれば、それはそれで構わないんですけれども。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 特段立て分ける意味はありませんが、感じを受け取っていただければ有り難いと思います。

○藤本祐司君 分かりました。
 それで、ここのところで、先ほど来からも国際会議の誘致というのをしきりにおっしゃっていて、五割増しだという話があるんですが、これなぜ国際会議というのを、国際会議という定義が多分あるんだろうと思うんですが、もうちょっと広い意味での国際コンベンションだとか、そういうことではないという何かそこの理由があるのか、もしあれば教えていただきたいなと思うんですが。

○政府参考人(柴田耕介君) 私ども、ビジット・ジャパン・キャンペーンをやる中で、一般の旅行客以外にビジネス客を含めた外国人旅行者の誘致を図るというのが大変重要だなということで、今年の三月から検討会を設けまして、関係省庁それから関係団体を集めまして議論を進めてまいりました。この十月十三日に連絡協議会というのを設けて、これを強力に推進していこうというふうにしております。
 その中には、国際会議だけではなくて、国際的にはMICEという言葉がございます。ミーティング、インセンティブツアー、そしてCがコンベンション、コングレス、そしてエキシビションと、展示会ですね、こういうものを含んだ概念でございますが、こういうものを強化していくべきだというふうに考えてございますが、数値目標で国際比較が簡単にできるのが大規模な国際会議ということでございまして、そういう意味でその代表的なものとして国際会議というのを言っているわけでございまして、私どもとしては、先ほど先生がおっしゃったようなことも含めまして幅広く取組を進めていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。

○藤本祐司君 分かりました。国際会議等ということになるんでしょうね、そういう意味ではね。多分、メッセとかインセンティブツアーとか、そういうものも含めたりという、スポーツイベントとか文化イベントとか、それなんかも全部入ってくるかなと思いますが、国際観光についてまだまだ聞きたいんですが、ひとつ最後にします。
 都市再生、地域再生の方もいらっしゃっていただいて準備をされていると思いますので、最後にひとつお聞きしたいんですが、物事には光と影がありまして、外国人訪問客をただたくさん来ればいいという、必ずしもメリットだけではないと、デメリットというのも、必ずそこには課題、問題点というのが出てくるんだろうと思いますが。
 最近ここ、四百万人ぐらいから、ここ数年間で五百、六百、七百万人に近くなって、まあ今年は恐らく、去年の愛知博があったんで去年がピークで、今年落ちなきゃいいなと思っていたんで、まあ比較的順調な伸びをされているようでして七百万を超え、このまま行けば七百万を超えるという状況なようですが、外国人訪問客が増加することでやはり新たな問題点というのも発生するんじゃないかと、あるいはもう既に発生しているんではないかなというふうに思うんですが、そこに関してどういう課題が発生して、それに対してどういう対応をお考えになっているのか、大臣の御所見いただきたいと思いますが。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 正にお説のとおりでございまして、地域の活性化に寄与するという面はもちろんあるわけですけれども、例えばごみの問題というようなものを一つとらえますと、そういう面でのマイナスがあることはもう確かでございます。しかし、そういうようなものを解消を図りながら観光振興を進めるということが重要だというふうな認識でいるわけであります。
 例えば、世界遺産登録されている屋久島でございますが、そういうところの山岳地域利用の課題の一つとして、登山者というのか来訪者のし尿の処理ということが非常な重要な問題になっております。これについては、観光協会が中心となりまして、屋久島の山岳トイレにおいて、人力、背中に背負ってし尿を試験的に外へ排出して、自然を壊さないようにするという努力がされているわけでございます。
 これは、人が来れば、当然の生理現象でございますから、そういうことにも取り組んでいかなきゃならない。こういう振興策を百取りまとめまして、そして全国の他の地域にも広めるために、インターネットで広くそういう内容、努力の内容とかその負の面をどう克服していったかというような、そういうものを公表しているところでございます。
 和歌山県の田辺市では、世界遺産観光の負の部分を解消して熊野古道というものを美しくしようということで、地元のボランティアが熊野川流域に植栽をする、木を植えるとか、あるいは景観整備にいろんな面で努めるというようなこと、マイナス面を取り除くとともにプラスの面を付け加えて、歴史的、文化的遺産の保存や維持に向けて積極的に取り組んでいこうというものについてもこれは支援していかなきゃいけないというふうに思っています。
 引き続き、観光が地域に与えるおそれのある環境への負荷、マイナス面ですね、適切に配慮しながら、観光ルネサンス、地域の再生ということの事業の一層の活用を図るとともに、市町村によるまちづくり交付金というのがあります、こういうものを利用、活用しながら、関係省庁とも連携しつつ、地域の活性化というものを目指して、官民一体となって、魅力のある観光づくり、そしてその負の部分の処理、こういうことを併せてやっていきたい、このように考えております。

○藤本祐司君 ありがとうございます。
 そろそろ、今の世界遺産のお話もありましたし、今、望月副大臣もいらっしゃいますが、富士山、私も静岡県でございます、その富士山の問題も、ごみの問題とかし尿処理の問題とかもういろいろあろうかと思いまして、なかなか難しい問題が多いなというふうには思っておりますが、そろそろ、人をただ単にたくさん呼んでくるということだけではなくて、エコツーリズムなんかに代表されるように、ある程度これは規制を掛けていくという部分というのも、本来の質の高い観光地づくり、あるいは質の高い観光行動といいますか、そういうものをやるためには必要なんじゃないかなと、そういう時期がそろそろ来ているんではないかなというふうに思っています。
 車の乗り入れ規制なんかも、あえてやってしまった方がかえって、こういう言い方してはいけないのかもしれない、人は減ったけれどもごみも減ってコストパフォーマンスは高くなったというような例もあるわけですので、そこは我慢してでもそういう規制をしていく、景観もやっぱり規制をしていく、そういうごみの問題もそう、落書きの問題もいろいろあろうかと思います。その辺りをトータルに規制をしていくというのが、国際観光に限らず、国内の観光についても必要な時期に来ているんではないかなというふうに私は思っております。
 ちょっと時間が足りなくなってしまいましたが、先ほどまちづくり交付金のお話なんかもありますので、ちょっと地域再生とか都市再生の方に、これは非常に観光とも関連することですので移りたいなというふうに思いますが。
 都市再生とか地域再生の中で、先ほど来から、安倍総理なんかも何度も言っていますが、頑張る地域を応援するんだという話がありますが、頑張る地域と頑張らない地域はどう分けるんでしょうか。どこで評価をして決めていくのか、その辺の評価基準を教えていただきたいと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 国土形成計画ということで、今までの全総というものに代えて、日本の国全体をどういうふうにしていくのかという考え方で、本州、四国、九州を八つのブロックに分けて、そのブロックごとに自主的に、その歴史や伝統、自然や人の考え方、あるいは地域の特性等を踏まえたそういうものをまずそちらで作ってもらおうと。そして、その中で頑張ってここを、ここを重点的にやりたいというものを出していただいて、そういうものについて我々が、国が一方的に評価をして、そして箇所付けをするというようなことではなしに、そういうものをまず出していただいたその中で、ここを、ここをこういうふうにしてやるんだと。我々もそれが評価できる部分について本当に力を入れて、そこの、それが観光地であったり、あるいは外国と直接連携をしてそこの発展に資していきたいというところもありましょう。そういうことの考え方で進めたいと思っております。

○藤本祐司君 そうですね。済みません、ちょっとあと二問ほどで終わりにしますが。
 都市再生の推進ということで、都市再生といっても全国の都市全部を言っていますので三大都市圏だけではないというふうに解釈をして申し上げたいんですが、その説明をいただいたんですが、その中に、都市再生というのは二十世紀の負の遺産の解消であるということと、二十一世紀の新しい都市創造という説明がありました。ここについてちょっと最後お聞きして終わりにしたいと思いますが、二十世紀の負の遺産というのは何だったのかと、また負の遺産を作ってしまった原因というのは何だったのかということをまずお聞きしたいと思います。

○国務大臣(冬柴鐵三君) 地震に危険な市街地が存在していることはもう周知のところでございますし、慢性的な交通渋滞が起こっているということも事実でございます。また、交通事故というものでたくさんの方が亡くなり傷付くということもあります。それからまた、都市生活に過重な負担を強いているという、そういうような、都市に住む人にですね、高い家賃とか子供が産みにくいとか、いろんなものがあります。そういうものを二十世紀の負の遺産というふうに考えた場合に、これは緊急に解消していかなきゃならないと、このように思うわけであります。
 安心して暮らせる安全なまちづくりということが、これはもう総理がおっしゃる「美しい国、日本」を形成するために非常に大事でございますので、そのような二十世紀の残した負の遺産、これは、急激に経済が発展したと。あの六十年前に、さきの戦争で灰じんに帰したこの国を、我々の父や母の世代に本当にがむしゃらに働いて、世界第二位、いっときは個人、国民一人当たりGDPは米国を抜いて一位になった瞬間もありますが、それほど発展したということの裏に、この東京という都市に、狭い地域にあらゆる、人口もそうですけれども、政治も経済も金融も文化までも過度に集中したというようなことが、この首都圏における過密、そして地方の過疎というようなことを生んで、非常にそれがやはり大きな問題を生じているんではないかと思います。
 私は、今御指摘の二十世紀の負の遺産ということになれば、そういうことが挙げられるんではないかと思います。そういうものを脱却して、もう一度日本をよみがえらせるというのが大切な政治の視点だろうと思っております。

○藤本祐司君 ありがとうございました。
 今のその負の遺産というのも結構放置していた部分があって、だれがどういう責任があるのかなという部分を思いながらも、先ほど港湾の話も、もっと早く手を打てた部分もあったのかなというふうに思っておりますが、そうはいっても前へ進まないといけないということで、それは、必要なものは必要なように整備をしていく、機能アップしていくということが必要なんだろうと思います。
 観光の点で今日はちょっと重点的にお聞きしましたけれども、観光も、住んでよし、訪れてよしと言いますが、まずはやっぱり住んでいる方々が、うちがいいところだぞと、ここに是非来てくださいと言えるような町をつくっていかないと、ただ単に来てくださいと言ってもやはり来てもらえないし、来ても一回こっきりでリピーターが付かないということになろうかと思いますので、まず基本は、今の過密な都市というお話もありましたし、里山とか農村とかいろんないいものがあるわけですので、そこに住んでいる人たちが誇りを持つ、そういう町をつくるというのがまず第一、重要であって、その結果としていろんな方に来ていただいて喜んでいただくという、そういうのが理想的な姿なんだろうというふうに思っております。
 これは国土交通全般の行政に関する仕事、全般そうだと思っておりますので、そういうことでこれからもまた理解を深めるための議論をさせていただければというふうに思います。
 どうもありがとうございました。
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2006年06月15日

総務委員会

164-参-総務委員会-29号 平成18年06月15日
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。

 今日の議論、一連、ちょっと聞いておりましていろいろ考えるところがあるんですが、今、竹中大臣がおっしゃったように、ガバナンスの問題というのが本当に明確に示されているかといえば、やっぱり示されていないと思うんですが。そのガバナンスの中のシステム、仕組みの問題だけではなくて、やっぱり、先ほど橋本会長もおっしゃっていたんですが、いわゆる意識の問題といいますか、企業文化というんでしょうかね、風土といいますか、そういうところも抜本的にやっぱり見直して変えていくような努力が必要なのかなというふうに思っています。

 高橋委員が先ほどいろんな牽制システムの話をされましたが、昔は、例えばだれだれさんがこんなことをやっているよとかですね、そんなことを会議とか面と向かって言うと何か言い付けてるみたいで、それに対して抵抗があって言わないというような企業文化が圧倒的に日本の場合は多かったと思うんですが、最近ではもうそんなことは全くなくて、むしろ目の前で、その人がいようといまいと、何かおかしければだれだれさんがこういうことをやってるんじゃないかとかということを明確に言うことがむしろ緊張感を持たせる企業経営になるし、牽制システムになるんだろうと。そういうところが多分全くなされていなかったのかなというような気がしてならない。仕組みの中だけでやっていても、システムだけではやはりそれが全部解決するようなことにはならないので、そういう企業文化というのを考えていかないといけないのかなというふうに思って、ちょっと聞かしていただきました。

 あと、やはり受信料の問題が一番大きいわけなんですが、受信料の問題についても、この間の平成十八年度の予算のときもそうだったんですが、いわゆる受信料徴収に行く収納者以外の方にも一生懸命こう役員の方も回ってもらっているという話はしましたが、それだからといって、じゃ受信料払いましょうというような気分には多分ならないんだろうと思いまして、前回私も質問した後にいろんなところからメールをいただいて、一番多かったのが実は、私もある意味驚きであり、ある意味当然かなというふうに思ったのが、何で受信料を払わなきゃいかぬのだと、見てもいないNHKに何で受信料を払わなきゃいけない、その仕組みがよく分からないと。それを徴収に来た方々に聞いても、いや放送法で決まってるからですとしか答えない。放送法で決まってるからですと言われると、何か罰則があるように思われて払っていたんだけれども、今回罰則がないことが分かったから払わなくてもいいじゃないかという話になって、でもちゃんと聞くと、何で払わなきゃいけないのかの説明を受けられないということなんですね。

 ですから、私が一々そのメールに答えて、こういう意味ですよという話をするんですけれども、やはり徴収に来る方、お願いに行く方なんかがその辺の公共性は何なのかということとか、NHKはどういう役割でどうやって成り立っているのかというのを多分、外部委託をして徴収をしたりする部分もあったりすると、そこのところがもうみんなこう本当に理解をして多分受信料をお願いに行ってないんじゃないかというところがやはり大きな問題なのかなというふうに思っております。

 ちょっとこれ通告を具体的にはしてなかったんですが、その受信料の収納に当たられる方、お願いする方にどういうような形で中身というか教育ですね、をされているのか、お答えいただければと思います。


○参考人(小林良介君) 委員御指摘の委託しております契約収納活動をしております者が、地域スタッフと称しておりますけれども、それが全国に五千七百名おります。それ以外にもちろん現場では各視聴者の皆様のお訪ねするのは営業職員等もやってございます。そういった中で、特にメーンはその地域スタッフでございますけれども、これにつきましては今委員の御指摘のことを含めまして、常に直接現場で最前線で視聴者の皆さんと接するという重要な役割を持っておりますので、正にしつけ、マナーから始まりまして公共放送の意味合い、受信料制度の持つ意味については本来徹底的に教育訓練しておる、それから送り出しているというシステムを取ってございます。

 ただし、そうでありますけれども、委員御指摘のように中にはそういうことも間々ございます。そういう意見もいただいております。そういう点については更なる徹底を図っていきたいというふうに努力をしておるところでございます。


○藤本祐司君 やはりその受信料を徴収された、来た方のところにいろんな質問をしても答えてもらえない、何かこの辺が分かったら払ってあげるよみたいなことを言う方がいるというふうな話も一部メールでいただいたりもしていますので、NHKの役割とか受信料の意味合いとか、それをやはり徹底して教育をしていただくということがまず必要なのかなというふうに思います。これは職員の方々皆さんに、委託の方だけではなくて、やはりそれを理解してもらうという、理解するというところからやはり始めていかないといけないのかなというふうに思いがありますので、是非その辺はよろしくお願いをしたいなと思います。

 先ほど高橋委員から、今日のこの審議内容がテレビで放映されないということについて指摘をされていましたが、同時に今日は午後に予算委員会で総理入りで多分重要なテーマ、村上ファンドに関連したテーマで質疑があるんですが、これもテレビ入らない。テレビ入らないというか放映されないということなんですが、これだけ国民的な、いい意味でも悪い意味でも国民的な関心の高いテーマに関してもテレビで放映していただけないということです。前回の平成十八年度予算のときもできるだけ皆さん国会の中継などもいろんなチャンネルを使って放映してほしいというような指摘もあったかに思いますが、それが具体的になされていないということでございまして、番組の中身について我々がとやかく言うことではなくて、キャスティングがどうのとかそういうことを我々が言うことでは絶対ないと思う。それは政治の介入だと思いますので私は言うつもりはございませんし、福井総裁の顔を映そうとおしりを映そうとそんなのどうでもいいことなんですけれども、正にそういう編成権というのは多分これNHKがお持ちになっているんだろうと思いますが、これを流さなかった理由というのは多分あるんだろうと。ちょっとそこをお聞かせいただければと思います。これちょっと通告してなくて、今日の今日の話なものですから通告しておりませんが、是非お答えいただきたいと思います。


○参考人(原田豊彦君) 総務委員会の審議、大変重要であるということは私どもも認識をしております。

 今回の中継に、放映につきましては、十六年度の決算審議であるという……


○藤本祐司君 予算委員会流さないということ。今日の午後のこと。予算委員会。


○参考人(原田豊彦君) 今日の午後のことでございますか。

 予算委員会につきましては、これも私どもこの場でも何度もお答えしてまいりましたけれども、重要な法案についての総括質疑などルールを定めまして放送してきたところでございます。その中で今回そういう判断になったかというふうに思います。


○藤本祐司君 多分これ聞いても永遠に分かんなくなってしまってかえって混乱すると思いますのでこれはやめますけれども、編成権はNHKがお持ちになっている。これ公共的役割だという、公共性だということをもう再三言っているにもかかわらず、国民の皆さんの関心が非常に高いこと、しかも編集することなくそのまま流していただければありのままが流れるという、そういうものに対しても後ろ向きだということで、それで公共放送の在り方、公共放送としてのNHKなんといってもだれもこれ理解、納得できないんだろうというふうに思っております。

 ですから、正にその公共性というところについても非常にあいまいになっている。いつもいつもこの公共性の議論があるんだけれども、いつも納得できるような回答をいただいてないというところもやっぱり大きな原因で、ここのところをやっぱり明確にしていかないといけないんだろうなというふうに私は思っております。この番組を流せということではなくて、その辺のやっぱり基準というのを、公共性というのは何なのかというのはNHKなりにもやはり考えていただくべきだろうというふうに思います。

 そこで、その公共性についてちょっとお聞きしたいんですが、竹中大臣にお聞きしたいと思いますが、通信と放送の融合ということで今言われています。正に、今までは、NHKの公共性とはとか、放送の公共性とはというような話は出ていたんですが、更にこれ発展していきますと、通信は通信の世界があって、放送は放送の世界があると。これがある部分、全部が一体となるわけではないんでしょうが、一応融合という言葉を使っていらっしゃいますので、そのオーバーラップする集合の部分がどんどん拡大をしていって、放送、通信、そして融合している部分というのが一つのまた新しい枠組みができてくるんだろうというふうに思うと、更に公共性というところが複雑になってくるというふうに私は認識をしておるんですが。

 その前提となる放送と通信の領域の重なるという部分、これの概念的なことを、ちょっと言葉で表すのはなかなか難しいかと思うんですが、竹中大臣にお聞きしたいと思います。


○国務大臣(竹中平蔵君) 大変重要でありながら極めて難しい問題でございます。

 先ほども蓮舫委員のお話の中にもありましたが、まず公共という言葉を使う場合、私自身思い付くのは、公共財、公共サービスというのはどう定義されるかということになると、これは、委員も経済お詳しいですから、御承知のとおり、アダム・スミスがどう定義したかとか、マスグレイブがどう定義したかとか、そういう議論があるわけですが、これ、要は決着が付かないわけです。要するに、同時消費性とか非排除性とか、いろんな問題を挙げることができるわけですけれども。

 ただ、そういう抽象的な議論と、一方でNHKの議論をする場合に、報道、災害放送、これは極めてNHKらしい公共的なものだというふうに思う。一方で、NHKが今公共放送として放映している巨人・阪神戦、そしてワールドカップ、これは民放でもできるし、どこまで公共放送なのかなというような声は当然のことながらある。したがって、概念の話とそれと実際の話とを少し分けて考えなければいけない、そういう性格なのだと考えております。

 まず、放送そのものは、これはそもそも放送の公共性というのは、貴重な資源である電波を利用して非常に社会的影響力が大きい言論、放送機関としての影響力の大きい世論形成、民主主義の基礎を築くと、そういった意味での広い意味での公共性というのが、これ、よく議論される一般的な私たちの考え方なんだと思います。

 じゃ、通信についてはどうかというと、通信というのは、例えば電気通信事業というのは、これ、電気事業、ガス事業と同様になりますけれども、私たちの生活において必要不可欠なサービスを提供する公益事業であって、そして憲法で定める基本的人権の一つである通信の秘密に直接かかわるという意味で、やはりその意味での公共性というのは持っているということなのだと思います。ただ、一義的には放送としての公共性、そして通信としての通信の秘密、それはやはり一つの考え方の軸として厳然として残るわけです。それが一緒になるとかいうことでは私はないと思っています。

 通信と放送の融合で私たちが現実に議論しなければいけないのは、例えば伝送路が融合する、今まで電波で、電波というのは放送のためにあったと、しかしこれ、携帯電波で通信でも融合している、同じくIPでも、IPインフラというのは今までインターネットで通信だと思っていたけれども、そこでも映像が流せて放送と同じようなことができる、そういう融合があるだろうし、また、事業者が、今までは放送事業者、通信事業者だと思っていたけれども、それも別に兼務できるよねという意味での融合、そういう現実の問題に私たちは直面をしているということだと思っております。

 ちょっと、前広の議論が多くなりましたが、その中でやはりNHKの公共性ということを考える場合は、今申し上げたような一つの社会変化を念頭に置きながら、放送全体は公共性を持っている、その中で、公共放送たるNHKはBBCと並ぶ世界に冠たる公共放送です。そこで、一体何をどういうことに特化していただいたらよいのか。報道と災害放送、これはもうNHKに是非期待したいと、そういう思いは皆さんすごく持っていると思います。一方で、巨人・阪神戦をどこまでやっていただく方がよいのかな、悪いのかなという問題もございます。

 私自身、この間から若干思うところあるのは、私は、ちょっと私的な話で恐縮ですが、NHKの「大草原の小さな家」というのは物すごく好きな番組で、アメリカでもレーガン大統領が家族そろってあの番組を見ましょうと、リトルハウス・オン・ザ・プレアリーを見ましょうということで、彼の人気がすごく高まった一つのきっかけになって、NHKらしいいい番組だなと思っていたんですが、実はあれ、アメリカの民放のドラマなんですよね。今、「チャングムの誓い」という人気のドラマがありますが、あれは韓国の民放のドラマなんですね。

 そういう意味では、私たちが期待している公共性の中には、非常に複雑な要素が入っているんだと思います。NHKにいいドラマをつくっていただきたいし、NHKのいいドラマを見たい、やっぱり公共放送だという思いがありますけれども、それは本当にどこまで本当の公共放送じゃないとできないのかと、民放でもやっているではないかと、「大草原の小さな家」そうだったじゃないかと、そういう要素も踏まえて考えなければいけない。その中で、なかなか定義はし切れないんですが、やはりNHKのガバナンスの問題、それで経営資源の集中の問題というもう一つの制約要因が出てきている中でこの問題を議論していかなければいけない状況に置かれていると認識をしております。

 正面からお答えをしていないと思いますが、公共性に関する一つの枠組みについて、私の思いは以上のような点でございます。


○藤本祐司君 やはりちょっと公共性についてなんですけれども、以前、竹中大臣が通信と放送の在り方に関する懇談会第五回の懇談会後の記者会見で、国際放送に関連してなんですが、NHK改革の中で、海外向け国際放送という重要な役割をNHKが担わなければいけないんではないかと。それは正に国策としてやるというか国の情報戦略としてやるという、そういう意味で公共放送たるNHKが担うべき役割は大きいというのが竹中懇の構成員の方々の議論の背景にあったというふうにお答えになっています。そのときに、記者の追加質問で、国策的な面とその一方で放送局としての独立性という相反する議論があると思うんですがという質問に対して、大臣、正に国策的というのは公共性の話なのだと思いますというふうにお答えになっていらっしゃるんですが。

 これでふと、ちょっとよく分からなくなってしまったのは、国策と公共性というのが同一視されているのかなと。もしそうだとすると、解釈によっては、時には国策、時には公共ですというような話になってしまうと、国の意向でそれこそ放送する番組の中身とかそういうのが決まってしまうことにもなりかねない。むしろ、公共放送としてのNHKの存在が危ぶまれるような状態になってしまうのかなというふうに若干懸念されるものですから、国策と公共性というお話を竹中大臣がおっしゃっていますが、その国策と公共性との関係性というか、その辺りちょっとお答えいただきたいと思うんですが。


○国務大臣(竹中平蔵君) これも厳密に言えば大変難しいあいまいな問題だと思いますが、私がそのとき申し上げたかったのは、国策として情報発信をするというのは、正にそれは国益にかなう情報発信という意味だと思います。国が、公共的主体たる国が国益を考えていろんなことをやらなければいけないというのは、これは当然のことながらございます。その国益の中に情報発信というのは、当然のことながら私は入ってくると思います。だからこそ、フランスも最近になって同じようなことに大変力を入れているし、元々イギリスもそういう観点から力を入れているんだと思います。

 国と言う場合、これは常に我々の議論の中で出てくるのは、国というのは正に私たちが考える国家と時の政府というのと時に混同する場合があるわけですが、決して時の政府のためにやることではこれは全くない、そうであってはならないと思います。しかし、それを超えた国家としての利益、国益というのはやっぱり厳として存在するわけで、その国益のためにやると。そういう意味で、それは公共的な要請であると、私はそういう趣旨から申し上げたつもりでございます。


○藤本祐司君 非常に今の御説明は私としてはよく分かったと思いますが。

 実は、通信・放送の在り方に関する懇談会の松原座長が、今年の二〇〇六年の一月十九日、これ、新聞でインタビュー記事なんですが、こういうことを載せているんですね。特殊法人のNHKは政策遂行のために政府がつくったもので、政府からも中立というのは自己矛盾だというふうに言っている。政府から中立的な立場だというふうに私なんかは考えておったんですが、政府から中立というのは自己矛盾であるということを松原座長がおっしゃっているんですが、橋本会長、NHKは政府から中立的な立場ではないんでしょうか。


○参考人(橋本元一君) NHKは、視聴者の方々から直接受信料をいただいているということで、大変ポピュラリティーのある、そういう公共的な報道機関だというふうに思っておりまして、政府から設立されたということではないと思います。当然、放送法にNHKというものはこういう性格だということはうたわれておりますけれども、今、松原委員長ですか、おっしゃったような意味でのそういう、政府がつくったというふうなものではないと思います。元々、社団法人から発達した組織というふうに考えております。


○藤本祐司君 私もそう理解をしておったんですが、竹中大臣、正にこれは懇談会、竹中懇談会というお話で、松原座長を任命されたのは竹中大臣だという認識なんですが、松原座長がこのように一月に言っていることに対しての大臣の御見解はいかがでしょうか。


○国務大臣(竹中平蔵君) 発言そのもの、私ちょっと直接は聞いておりませんが、松原座長のいつもの議論の内容から考えまして、基本的に松原座長がおっしゃりたいのは、NHKというのは、その報道の内容ないしは編成の在り方というのは正に国家の権力から独立していなければならない。独立と言うか中立と言うかはともかく、独立していなければならない。しかし、その存立の枠組みそのものは国が定める法律によるところに基づいているわけでございます。これは特殊法人でございます。NHKに自由があるといっても、もうこれで解散して今日からやめようということはNHKにはできません。これは、そんなことは法律でできないわけです。これは国が法律でちゃんと縛って、NHKは存在し続けていただかなければ困るということで、そういう枠組みをつくっているわけですから、そういう意味で完全な自由があるというわけではもちろんないわけです。

 しかし、ここは、政府から番組の編成、報道に関しては独立で絶対なければいけないから、その意味でそこのバランスを保つのがそもそも大変難しい問題であると。矛盾という言葉をどういうふうに使われたのか知りませんが、私は、矛盾というのはそういう意味では大変難しい、だからこそ配慮しなければいけない、そういう趣旨で松原座長はお使われになったのではないかと思います。

 これは、編成、報道については中立、その独立というのは、これは懇談会の中でももう重ねて議論されてきたことでもありますし、我々が踏まえなければいけない当然の基礎、前提であると考えております。


○藤本祐司君 竹中大臣、御自分でおっしゃった話でないので、これ多分、話をしていても水掛け論になってしまうと思いますので。でも、相当これは、何といいますかね、誤解を招くような発言になっているなというふうに思いますので、その辺りは、この懇談会の中でどういう議論がなされたかなというのは少し気になるところではありますが、今の橋本会長並びに竹中大臣の回答であるならば、ある意味理解を十分できるかなというふうに私は思っております。

 時間がなくて、実は公共放送、公共というところについてまだまだいろいろお聞きしたいところがあるんですが、もう一点、ちょっと別の質問を、一つだけ確認をさせていただきたいので別の質問に移らさせていただきますが。

 放送波、波ですね、の削減についてなんですが、これはやはり竹中大臣の懇談会の中で波の削減を八波から五波にするということを言われている。そこについてちょっとお聞きしたいんですが、まず二〇一一年がデジタル元年だというふうに言っておるわけなんですが、清水統括官にお聞きしたいんですが、二〇一一年までのいわゆる放送のデジタル化のスケジュール、これをちょっと再度確認をさせていただきたいと思います。


○政府参考人(清水英雄君) 放送のデジタル化について、二〇一一年の七月を目途にして、デジタル放送は、現在、順次、それぞれ可能なところがデジタル放送始めておりますが、二〇一一年の七月の時点で、まだ具体的にどこからどう、あるいはどういう順序でどういうふうにというふうには定めておりませんが、アナログ波を停止していくということがデジタル波のスケジュールとなっております。


○藤本祐司君 アナログ、例えば衛星でいえば、アナログ衛星ハイビジョンは平成十九年、来年ですか、二〇〇七年の十一月末で終了するというふうに理解をしておるんですが、それでよろしいんだろうと思いますが。この通信・放送の在り方に関する懇談会のNHKのチャンネルの削減のところを読みますと、ちょっと私、理解不可能だったところがあるのでお聞きしたいんですが、衛星ハイビジョン放送が二〇一一年に停波されることを勘案すればという表現があるんですね。二〇一一年に衛星ハイビジョン放送が停波されると、ここちょっと意味が分からなかったんですが、NHKの問題ですので、橋本会長、これどういう意味か理解できますでしょうか。


○参考人(橋本元一君) これは、私というよりも、電波行政の話なんで総務省さんの方がよろしいかと思いますが、私の理解で、フルデジタルに変わるときをもって地上も衛星も両方ともデジタルというところを目指すという政策方針ということで受け止めております。


○藤本祐司君 清水統括官に、同じことですが、お聞きしたいと思いますが。


○政府参考人(清水英雄君) ハイビジョン放送のチャンネルにつきましては、放送普及基本計画の中で、まず、今、NHKの第三番目の衛星としているチャンネルについて、ハイビジョン放送の普及という役割というところから免許をしているところでございまして、その役割が終わったときにその時点での判断がされるという形になるかと思います。

 現実的に、今衛星第一波、第二波等をハイビジョンで進めていくという方針で進んでいる中での判断になろうかと思います。


○藤本祐司君 済みません。衛星ハイビジョンが二〇一一年にこれ停波されるんですか。単純なちょっと質問なんですが。


○政府参考人(清水英雄君) 衛星系による協会の放送全体を見直すものとするという形になっております。


○藤本祐司君 そうすると、停波されるという、ここで言い切っているのは必ずしも正確ではないという理解でよろしいんでしょうか。


○政府参考人(清水英雄君) 正確かどうか、どういう表現に、その表現ぶりのところ、その表現が確実かどうかという点についてはちょっと私としてつまびらかではありませんので御返事するわけにはまいらないところでございますけれども、現在の時点では、当該放送の必要性、周波数事情その他の事情を勘案して二番組を超えないことを前提に衛星による協会の放送全体を見直すものとすると、こういうような形で放送基本計画を決めているところでございます。


○藤本祐司君 竹中大臣、この懇談会の内容は多分もう御承知のことだろうと思うんですが、このチャンネルの削減について、方向性というのがあるとしても、こういう事実関係がちょっと、言い切っているところが本当にそうなのかなというと、そうでもなさそうなところがあって、これ、読む方としてはこれがすべて正確だというふうに思ってしまうんですが。

 例えば二〇一一年の完全デジタル化の段階でBSを今三波あるところを二波にするとか二波以内にするとかという話は聞いたことがあるんですけれども、この衛星ハイビジョン放送が二〇一一年に停波されることを勘案すればというこの表現は何か正確じゃないと思うんですね。大臣、これについてはいかがでしょうか。


○国務大臣(竹中平蔵君) これは、松原座長、皆さんがおまとめになったことですので、これを私がどう読むかということになろうかと思いますが、ここはその意味では、正確かと言われると、一つの想定としてお書きになっているということだと私は理解をしております。


○藤本祐司君 もう時間がありませんので、これ以上この話はしませんが、この報告書を見る限り、今の段階でのNHKのチャンネルの削減とかの問題も、いろいろ詰めていくとなかなか誤解も生じているような中身というのもあるのかなというふうに正直思うところであります。

 例えば、NHKの総合放送、総合テレビにおける報道、教育、教養、娯楽番組の比率とか、そういうのは民放と比べても、民放の方が教育番組とかの割合が高かったということに対して非常にみんな驚きだったというような、民間企業に比べてNHK総合が教育、教養番組比率が低いということに対して大変驚いているというような話があるんですけれども、大体それも各民放各社の自己申告で、ある程度の基準はあるんですが、これ自己申告でしか成り立っていないわけなんですが、それによってNHKの方が低いよと言われても多分NHKさんかわいそうだなと私なんか思うんですけれども、明確な基準が線引きできないようなものを基にこの放送波を削減するとかという議論をしているというのは、ちょっと短絡的な感じがしてならないものですから、ちょっとここの中身についても大臣、まあこれは懇談会が出された報告書だというふうに思いますけれども、中身もっと具体的に精査をして、慎重に考えていただければというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。

 終わります。
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2006年06月13日

総務委員会

164-参-総務委員会-28号 平成18年06月13日
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。

 官民人事交流法の一部改正でありますけども、普通に考えてみると、普通に考えてみるとというか、割とこの交流をすることというのは普通いいことだろうというふうに思うんですが、そうは言っていてもいろんな問題点が出るということのようでございまして、この間の衆議院の総務委員会であるとか今日の議論も聞いてみると、官民の癒着の問題だとか天下りの問題とか、そういうような問題があるというような御指摘をいろんなところで受けているわけなんですが、正にこの交流するということ、人事交流というのは非常にいいことのはずなのに、それだけの問題点が多いと指摘もされると。

 で、これはよくよく考えてみれば、やはり官の権限が非常に強くて、民間というのが官の、まあ支配下とまでは言いませんけども、そういう上下関係みたいなものがあるからこそその癒着が悪いことになってくるんだろうというふうに思うんですけれども。

 そもそもこれは非常にいいことなんだろうなというふうに漠然とは思うんですが、最終的にどういう評価をされているかというのは先ほど内藤委員からも御指摘ありましたので、また聞かしていただきたい、時間があれば聞かしていただきたいと思うんですが。

 今回の改正内容というものは、平成十三年の閣議決定、十二月二十五日だったかな、公務員制度改革大綱の中で民間からの人材の確保ということで指摘を受けて、もう既に十三年の十二月の段階で指摘を受けていて、正に民間からの人材の確保に関する現行制度においては民間企業を退職しないと公務員として採用できない取扱いとなっており、このことが官民交流最大の阻害要因となっているということを指摘を受けているんですね。

 十三年の十二月というと今から四年以上、四年半ほど前にこのような指摘を受けているんですが、その割には、そんなに難しくなさそうな改正だなというふうに思うんですが、その割には四年半ほど放置されてきていると。何かこれ理由があってその間に改正をしなかったのかというふうに思うんですが、何か、どういう理由があったんでしょうか。


○政府参考人(戸谷好秀君) 経緯的なものでございますので、私の方からお答えさせていただきます。

 お話にございましたように公務員制度改革大綱、平成十三年に閣議決定されておりますが、この中で、民間企業等の身分を持ったままでの交流採用を認めるための官民人事交流法の改正について言及がされております。ただ、このときには公務員制度改革の一環として内閣官房において検討を進めていただいていたところでございます。

 その後、平成十六年になりまして今後の行政改革の方針、あるいは平成十七年の行政改革の重要方針という閣議決定ございますが、この中で、公務員制度改革の着実な推進を図る取組の一つとして、私ども総務省において官民人事交流を促進するため必要な措置を講ずることとされ、こういう段階に移りまして、検討を進めてきたところでございます。民間企業等の要望あるいは今般の人事院からの意見の申出をいただきましたので、官民人事交流の一層の拡大を図るため、今般この改正法案を提出させていただいたところでございます。


○藤本祐司君 平成十六年度、十七年度でまた検討を加えたという話ですが、これは検討の経緯を今御報告いただいたんですが、だから、私が聞いたのは、何でその間に、もう少し短期間に検討できなかったのかあるいは検討しなかったのかということをお聞きしたんですが、それは公務員制度改革と一体的にやろうと思っていたからなのか、ちょっと今の答弁で読み取れなかったんですが、そこをもう一度教えてください。


○政府参考人(戸谷好秀君) 先生お話にございましたように、当初は公務員制度改革全体の改正の中でこれも取り上げようというふうに考えていたというふうに承知してございますが、その後、公務員制度改革全体の部分についてはいろんな御議論ございましたので、これについては取り急ぎまずやっていこうということで今般の法案提出に至った次第でございます。


○藤本祐司君 官民の人事交流というのは、以前から、もうずうっと以前から交流、いろんな形で多分行われていたんだろうというふうに私は承知しておりまして、ただ、この官民人事交流法に基づく人事交流というのが、まあいわゆる法律施行が平成十二年の三月ですのでそれ以降になるんですが、それ以前も官と民との人事交流というのが行われていた、まあ昭和の時代からずっと行われていたんです、と思いますが、これはどういう枠組みの中で人事交流というのが行われていたんでしょう。

 先ほど人事院総裁から、ほかにも任期付の職員法、研究員法とか、人事院規則とかあるというふうに話をされましたけれども、それよりも前に、それが制定されるよりも前にやはり官と民と人事交流というのは行われていたんですが、これは自由に勝手気ままに、制度、法の枠組みもないままにやられていたと解釈していいのかどうかを含めて、ちょっとその前、以前のことを教えていただきたいと思いますが。


○政府参考人(鈴木明裕君) いろんな法整備がなされる前でございますけれども、公務から民間への派遣につきましては、平成三年度に民間派遣研修制度という人事院規則を作りまして、それによって行われていたところでございます。それから、民間から公務への受入れにつきましては、交流を目的とした特別な制度は設けられておりませんでしたけれども、人事運用上、常勤又は非常勤の国家公務員として採用した上で、一定期間経過後に辞職をされて民間企業に復帰するというような形で行われていたというふうに承知をいたしております。


○藤本祐司君 相当昔は多分手弁当で、民間の企業の方々が官というか官僚というか省庁に採用、採用というんでしょうかね、手弁当で、要するに民間が、企業が丸抱えで行っていて、で、それが余り良くないんじゃないかということでいったん退職するような形になってきたというふうに私も承知しているんですが、それもただ制度としてはできていなかったんだけれども、この平成十二年でそれを法としてきちっと制度上担保できるようにしたという解釈でよろしいんでしょうか。


○政府参考人(鈴木明裕君) 官民交流法もそういう形態の一つとして整備をしたということでございます。官民交流のためのですね、民間からの採用、それから派遣のための仕組みの一つとして整備をしていただいたということでございます。


○藤本祐司君 それは分かっているんですけれども、要するに、その前も、この平成十二年よりも前にも、やはり民間から省庁に行って、行くときにやはり退職をして、それから採用をされて、もう一回元へ戻る、復職をするということが行われていたというふうに思うんですが、それは制度として法律としての枠組みの中ではなくて自由にそれをやり取りをしていたものを、この平成十二年にきちっと法律として制定したものですかということを聞いているんですが。


○政府参考人(鈴木明裕君) そのように考えております。


○藤本祐司君 そのように考えているというか、そうです、そうなんですよね。そのように考えているというよりは、そういうことで、要するにそういうことが以前もあったということも事実だということで理解してよろしいんでしょうか。


○政府特別補佐人(谷公士君) まあそういった形のものを整理するということもございますし、先ほどちょっと申し上げましたけれども、やっぱりこれからの行政ニーズに対応するために、積極的に新しい制度を設けて、こういったことを促進していかなきゃならないという動機もあったと考えております。


○政府参考人(戸谷好秀君) 民間からの採用につきましては、先生お話にありましたように、人事院規則に基づいての中途の採用とかそういうものがあったわけですが、その後、法律的な整備としては、研究職の方々につきまして任期付の採用をするとか、それから一般の職員につきましても任期付の採用をすると、こういう制度をつくってまいりまして、その中の一つとして官民交流という形のものも導入するということで、幾つかの、先生御案内のとおりの、法律の整備の中の一つとしてこれも整備させていただいたというふうに承知しております。


○藤本祐司君 任期付職員法あるいは任期付研究員法ということを今おっしゃったんだろうと思うんですが、それも、随分もう平成とか昭和の時代から、そういうことの制度として整備されていったと理解をしてよろしいんでしょうか。


○政府参考人(戸谷好秀君) ちょっと手元の資料であれでございますけれども、任期付研究員の制度は平成九年に施行されていると思いますし、その後、一般の方についてはそのもう少し後で任期付職員制度も制定されたというふうに考えております。


○藤本祐司君 済みません、私の言い方が抽象的だったのかもしれないんですが、平成になる前の段階から民間企業の方々が、まあ言ってみれば、私がいた三和総研の、前、親会社が三和銀行で、三和銀行の方々が、結構、当時の通産省とか大蔵省とか郵政省とか外務省とか、そういうところに二年間とか行かれるわけですよ。で、最初は手弁当で行ってたんですが、それが駄目になって、結局、駄目になったのか自主的に駄目にしたのか分かりませんが、それでいったん退職をして行くようになっていたんです。これは、今言われた任期付研究員法の平成九年よりもはるか昔の話であって、その職員法の平成十二年のはるか昔の話だったんですが、そのはるか昔とは言いながらも、そういうことが行われていたその制度上の根拠は何だったんですかというのをお聞きしたいんですが。


○政府参考人(鈴木明裕君) 制度上は一般の採用という形になります。常勤職員としての採用又は非常勤職員としての採用という形で行われていたということでございます。


○藤本祐司君 要するに、その民間企業がその省庁に行かせるためにいったん企業を、これは企業側の理屈として辞めさせて、で、官の方は、それを辞めた方だからといって採用する、常勤で採用するというような枠組みだったということでよろしいんですか。


○政府参考人(鈴木明裕君) そのように理解しております。


○藤本祐司君 はい、分かりました。多分それをきちっと法整備しましょうということでこういうことが流れ、任期付職員法とか研究員法とか、この今回の官民人事交流法など、あるいは人事院規則などができ上がったんだろうと。それは多分そういう経緯なんだろうなというふうに思いますが、この四つといいますか、要するに民から官に行く仕組みとしては、今言った官民人事交流法のほかに任期付の職員法あるいは研究員法あるいは人事院規則というのがあると理解をしておりますが、また逆に官から民に行くのも官民人事交流法と人事院規則があるというふうに理解していますけれども、これは何がそもそも違うのか、その違い目だけちょっと教えていただきたい。

 制度全部を話をしてくださいというと大変長くなりますので、何がどう違うのか、まず民から官に行く四つの制度、これ何が違うのかを教えていただきたいと思う。違い目だけ、相違点だけお願いします。


○政府参考人(鈴木明裕君) 官民人事交流法に基づく交流は、組織と組織の間で受け入れるという仕組みになっておりまして、それから任期付職員法は公務に必要な専門的な、特に専門的な知識等を持っておられる方を任期付で採用をするという、そういう仕組みでございます。それから、研究員につきましても、特に専門的な任期付の研究員の方を採用するという仕組みでございます。

 それから、人事院規則に基づきます中途採用制度というのは、これも部内の育成ではなかなか得られない専門的な知識等を持っておられる方を円滑に採用するために、これは任期をなし、任期のない中途採用という形で採用するというものでございます。


○藤本祐司君 通告していたんで、もうちょっとうまく説明していただきたいような気もするんですけども。

 今ばあっと聞いていると、私もこれ全部、制度見ていますから何となく頭に入ってきちゃうんですけど、今の話を聞いていると、全部専門家が、専門的な知識と経験を持った人が民間から官、府省、省庁に行って採用を受けるというふうにしか聞き取れなくて、私のヒアリング能力がないのか理解力がないのか分かりませんが、全部どれもが同じものに、どこ、どれを使おうと何でもできちゃうんじゃないかなというふうに思わざるを得ないので、違い目は何ですかというのをお聞きしていたんですが、もう一度明確に、明確に具体的にお聞きしたいと思います。お答えいただきたいと思います。


○政府参考人(鈴木明裕君) 官民交流法は、公務員に採用するということを、個人として採用するということを目的としているわけじゃなくて、官民の組織が相互に学び合う人材の育成を官民の交流を通じてやるということが趣旨でございます。

 それから、復帰前提じゃなくて、採用をする仕組みの中に任期付のものと任期付でないものがございまして、任期付でないものとしては人事院規則に基づきますいわゆる中途採用がございます。それから、任期付のものとしては任期付職員法に基づく任期付採用、あるいは任期付研究員法に基づきます、任期付研究員法があるということでございます。


○藤本祐司君 そうすると、相当その制度には、中身について採用される人たちというのは明確に違うと。それぞれの制度あるいは法律を使って民間から官に採用されるのは、もう明確にそれは専門の中身も目的も全然違うものだというふうに理解をしてよろしいんでしょうか。


○政府参考人(鈴木明裕君) 相互の制度でかなり共通する部分もございますので、ケースによりましてどの制度に乗るのが一番適当かということも考えながら活用されているというふうに理解をしております。


○藤本祐司君 多分そうなんだろうと思いますが、総務省のアンケート、平成十七年の五月から六月にやったアンケートですが、先ほど内藤委員からサンプル数が少ないと。確かに全体で百五十のサンプルで、しかも回答しているところはそれから更に少なくなるので、誤差率という点では相当誤差率が高いんだろうなと思いながら、統計的な処理をするにはちょっと難しいので定性的に見ればいいのかなというふうに思いながらこのアンケートを拝見させていただいたんですが、その中で交流採用、交流派遣のいずれも実施したことがない理由の一つで、回答数がそうはいっても一番多かったのが、官民交流法以外の制度を活用しているので、この官民交流法によって交流採用、交流派遣を実施しませんと、したことがないというふうに回答しているのが七割ぐらいあるんですね。全体のサンプルが十一のうちの八ですから、それが全体を表しているかどうかと言われるとそれまでなんだろうと思いますが、そうはいってもアンケートですので、そういう結果が出ている。

 そうなってくると、官民交流法以外の制度を利用してやっていますよと、それで、だからほか、この官民交流法を活用して人事交流を図る必要性がないですよというように取れるんですが、そうなってくると、その制度ごとに目的が違ったり中身が違うんですが、相当オーバーラップしているものがあるというふうに省庁の方では認識をしている。であるならば、この官民交流法自体の設定理由といいますか存在意義といいますか、そういうものがちょっと見えにくくなってきてしまうと思うんですが、竹中大臣、この辺り、官民人事交流法を活用しなくても済んでしまっているという、そういうような実態がこのアンケートからは見て取れるんですが、それについてお答えいただければと思います。


○政府参考人(戸谷好秀君) ちょっと官民交流法以外に何を使っているかというところまでは調査してないんで、そこら辺までは分からないんですけれども、やはり官民交流法の場合に、一番後発の制度でございまして、いろんな場面でまだ使い慣れておられないというところもございますし、人事院のところでいろいろ手続的には、特にこの身分をなくすというところでございまして、それについてのいろんな会社側の規定の整備等があるということで、その辺も使い勝手がこれまで良くなかったのかなというところでそういうお答えもいただいたかと思っております。


○藤本祐司君 確かにほかの制度と比べると人数が非常に少ないということが、まあ一つのそういう今おっしゃったようなことを表しているのかなというふうには思うんですけれども、この官民交流法の第一条も相当、民間から、民間の人、割と要するに、官のといいますか、民間から官に、そして官から民に行くにおいても、結構省庁側、官の方のメリットというのは物すごく強く打ち出されているんですが、比較的民間の方のメリットというかが余り明確に打ち出されていないなというふうな感じがしてならないわけですけれども。

 この官民人事交流の中の民間にというのは、いわゆる公益法人、これは含まれていないわけですよ、民間企業。これは、公益法人はこの人事交流制度の枠には入っていないと理解してよろしいんでしょうか。


○政府参考人(鈴木明裕君) 官民交流法の対象としては入っておりません。


○藤本祐司君 総務省さんから総務省所管の公益法人への出向、まあいわゆる交流という広い意味で考えると出向者というのも交流の一つになるんだろうなというふうに思うんですが、総務省所管の公益法人への出向が全部で九つの公益法人に出向しているんですが、これは特にどういう制度を用いてやっているということはないんでしょうか。この制度を用いて行っていますよと、先ほど言われた四つの制度のどれかに該当するのか、官民人事交流法は該当しないとすれば、あと三つのどれかに該当するのか。また、別の制度の中でこの公益法人への出向があるのかどうか。教えてください。


○政府参考人(戸谷好秀君) 突然のお話でございますので間違っていたら申し訳ございませんが、研究休職という、職員が休職をして、休職命令をいただいて公益法人で研究に従事するという制度がございます。それではないかというふうに思っております。


○藤本祐司君 突然のというか、昨日ちゃんと通告しておりますので、公益法人については。突然ではなく一日前ですね、しておると思いますが。

 休職をする、つまり、例えば総務省の職員の方がいったん休職をして、例えば財団法人行政管理研究センターに行ってもう一回復職をすると、そういう制度だということでよろしいんですか。


○政府参考人(鈴木明裕君) 研究休職制度は、休職をして調査研究等の業務に従事するための制度としてございますので、休職をしてまた復職をするという仕組みになっております。


○藤本祐司君 いや、同じ休職をしても、何度も、三度も四度も言われたんですけれども。

 要するに、先ほどから例えば官民の癒着の問題というのがあって、民間企業へ行ったこと、あるいは官から民へ行くと民間企業は癒着がどうのこうのと言われていますけど、公益法人も、結局官から出向をして休職をしてその公益法人に行って、そこの公益法人に民間から出向者がいて、その公益法人というものを媒介とするというのは、そこに要するに民間の人も官庁からも入ってそこで一緒に仕事をしていると、これも正に同じ構造になっていると。

 同じ構造というのは、例えば官民癒着の問題が出るのであれば、こういうところもやっぱりあるんだろうというふうに思いますので、その辺りについては、何か明確な規定は多分ないんだろうなというふうに思いますが、公益法人、行ってもいいという公益法人は多分決まっているんだろうと思いますけれども、こういう中で民間と官庁、国の行政機関の職員とが一緒に仕事をするということも一つの官民交流のワンパターンだと、一つのパターンだというふうに思っているんですけれども、竹中大臣、どうお考えでしょうか、その辺り。


○国務大臣(竹中平蔵君) 今ありました研究休職制度、その制度、詳細についてはまた必要であれば答弁をさせますが、先ほどから委員御指摘の点で、かつてはどういう制度であったのかという御指摘から説き起こされての御質疑、大変意味深いものだというふうに私は拝聴いたしました。

 実は私も二十年前、二十年もう以上前ですかね、そういう交流の中の一人としておりまして、周りには正に三和銀行を含め銀行から出向してきた人が一杯いました。当時は本当にある種非常にルースだったという言い方もできますし、のどかな時代だったわけで、皆さん人事部付とか、人事部付なんです。それでここに来て、役所に来て実態的には日当のような形を受け取るわけですが、それはもう給料にはとても及びませんので、差額をきちっと派遣している本社が出していたというように記憶をしております。

 そういう、実は双方が、役所も銀行も双方が終身雇用で成り立っていて、終身雇用はもう揺るがないんだということで暗黙の約束でとにかく行ってこいということで、暗黙の約束でいずれは帰っていただくということで受け入れて、そういう仕事をしていた。しかし、それはいかにもルースであろうという議論が一九八〇年代にあって、それでまあやめることに形の上ではしようと。しかし、間違いなく帰ってきたら雇ってあげるからねということで、それが形式要件を少し満たすような形になってきたと。そういうやり方、風土が今でもやはりいろいろな形で残っているんだと思います。

 そういう中で、官民交流、それではいけないということで、任期付の採用というようなパターンもあり得るのではないだろうか、官民交流法でカバーできるところはしっかりカバーできるよということで、今そういう空白を一生懸命埋めている段階なんですが、先ほどからの両委員の御指摘は、それだけではまだ制度全体は完結していないのではないのかと、そこは改めてそのように感じます。

 先ほどの七割がこの交流法以外のものを活用しているというのも、先ほど言ったその暗黙の世界の中にまだやっておられるところもあるのかもしれません。そういうところは私ども含めてしっかりと実態の調査を是非していきたいと思っております。

 お尋ねの公益法人についても、これは交流の意味はあると思います。しかし、同時に中立公正な官の仕事の確保、隔離というのはやっていかなきゃいけないわけでありますので、今まだそういう意味では全体として制度が熟していく一つの途上であります。我々は問題意識を持って、そういう御指摘のような点についてもしっかりと調査をしてまいりたいと思っております。


○藤本祐司君 それで、じゃまあこれが途上だということだと思います、今御発言ですけれども。

 じゃ、総務省として公益法人に、ほかの省庁も含めてなんですけれども、出向されている人たちがどれだけいるのか、今休職されて行っているというお話だったんですけれども、その辺りは把握されているんでしょうかね。

 というのは、今回、私、総務省以外の幾つかの省庁にもこの状況をお聞きしたんですけれども、厚生労働省とか国土交通省は、自分のところから所管の公益法人に出向して、出向という聞き方をしてしまったのがそれがいけなかったのかもしれないですが、出向しているところはどこも、一つもないというふうに言われているんですが、現実的には国土交通省の職員が所管の公益法人で仕事をしている人たちは何人か知っておりますが、いるというふうに認識しているんですが、それはまたまた別の、出向じゃない、またいろんなやり方があって行っているのかなというふうに思いますが。

 そういう全体の、いわゆる官民だけではなくて、官官もあるだろうし、公益法人だとか独立行政法人だとか、いろんなところとの交流というのが行われているんだろうと思います。その辺りは総務省として全体像を把握されているかどうか、お聞きしたいと思います。


○政府参考人(戸谷好秀君) 私どもの所掌でございますと、やはり公務員制度関係の法律に基づくものとして関係省庁あるいは人事院さんの協力を得て数字を集めておりますが、ちょっと公益法人等につきまして、ほかにも先生何かお考えあろうかと思いますけれども、それについては把握をいたしておりません。

 ただ、先ほど申し上げました研究休職につきましては、人事院の御了承を得てこれ各省行うことになっておりますので、これについては人事院さんの方で数字はお持ちになっておられるかというふうに思います。


○藤本祐司君 今の段階ではそういう全体像を把握されてないということは私も承知をしておりますけれども、これ今後の問題として、こういうのをやはり全体的な、統括的なといいますか、そういう仕組みの中で把握をしていく意義があると私は思っておりますけれども、竹中大臣として、こういう公益法人なども対象のもの、あるいはいわゆる人事交流が行われているものに対して全体的に把握をする意義があろうかと私は思いますが、大臣はいかがお考えになりますでしょうか。


○国務大臣(竹中平蔵君) 国家公務員の管理でございますから、その国家公務員の人事管理という意味において、そういう実態の把握にはいろいろと努めなければいけないというふうに思っております。


○藤本祐司君 ありがとうございます。

 それで、次の質問に移りますが、官民人事交流の効果と問題点についてお聞きしたいと思うんですが、先ほど申しましたとおり、官民人事交流法の第一条でこれ官側のメリットが強調されていて、その人事交流の目的が、民間の効率性のあるような経営といいますか、そういうことを学ぶことが重要となっているというふうに言われていますけれども、例えば一人で巨大な官に乗り込んでいっても、先ほど内藤委員もおっしゃっていましたけれども、半年ぐらいどういう仕事をやっているかを覚えて終わってしまって、発言力なんてそれほどない。若手なんかの場合、特に長いものには巻かれた方が得だろうみたいなところもありますので、実際にそれを官が身に付けるというようなことは行われないんじゃないかなと、それはもう神話にすぎないんじゃないかなというふうに私なんかは思っているんですけれども、そうなるとこの法律の目的は達成できないんじゃないかなというふうに思いますが。

 その法律の目的の効果を上げるためにはどういうことが考えられるのか。非常にまだ人数も少ないということもありますし、一つの部署に一人で乗り込んだって、それを教えているとか、そんなような文化じゃないんだと思うんですね、行政機関の文化というのは。そこで本当にこの目的達成できないんじゃないかなというふうに全く私は疑っておるんですけれども、この効果を上げるためにはどういうような方策が考えられるかどうかをお聞きしたいと思います。


○国務大臣(竹中平蔵君) これは私の経験を踏まえての私の意見ということになりますが、実際にいらっしゃった方を拝見していると、非常に活躍される方と、申し訳ないですけれども、本当に時間を過ごしてお帰りになる方と、ちょっと極端に分かれるなというふうに私は思っております。これ前の内閣府での事例でございますので、すべての省庁に当てはまるかどうかは分かりませんが。

 それで、非常に活躍される方はやはりその上司が大変立派ですね。わざわざそういうふうに来てもらっているんだから周りにも、彼のこういうところは言うことを聞けとか、そういうことをやっぱり上司がちゃんと管理して、そういう一種の上司のアームの中でしっかりと仕事をさせている場合には、これは結構いい仕事をされるケースがあると思います。そうでなくて、必ずしもそうじゃないと、やはりこれは違う文化のところに、民間から役所に入ってきて、それで後々のことも考えると余り波風立てないで終わろうというふうなメンタリティーになってしまうのかなというふうに思います。したがいまして、そこは管理職がしっかりと人事管理を行うという割と当たり前のことが大変重要だなというふうに思います。

 もう一つは、将来の問題としては、一つのまとまった仕事があるというのであるならば、これは一人ではなくてチームで来ていただくということもこれはあり得るんだと思います。この場合は大きな力を発揮し得るのではないかと考えております。


○藤本祐司君 確かに、チームでまとまって何人かが行くということになれば相当な力を発揮することになるんだろうなというふうに私も思っておりまして、それは大変いい意見だなというふうに正直思いますが。

 先ほど、民間企業にとって公務員を受け入れる効果が大きければ、まあ効果があれば皆さん積極的に行こうと思うんですが、それがまだまだ少ないというのは、この制度のことを知らないか、あるいは官の力が余りにも強過ぎて行っても意味がないか、あるいはやはり受け入れる要するに効果が小さいというふうに思わざるを得ないと思うんですが、アンケートで、総務省のやはりアンケートの中で、これは幾つか職員の受入れ効果、要するに国の職員の民間への受入れのところなんですが、今度は、職員の受入れ効果や問題点ということで挙げている項目がございまして、先ほども効果はどうですかということで御答弁いただいたんですが、幾つかに分けられるんだろうと思います。

 例えば、行政機関での知識、経験が役立つような業務があり、受け入れた者の活躍が期待できるとか、国の職員の受入れを通し、職場の活性化、社員の知見、人脈の拡大が、この人脈って何を意味しているのかなというのがちょっとありますが、まあ素直に読んで、人脈の拡大が期待できると、こういう非常に積極的なものもあるんだろうというふうに思いますが、また別の意味で、回答で多い回答が、国の職員の中でも経営一般や業界の状況についての相応の知見のある者であればと、たらればで回答して、あれば、今、竹中大臣がおっしゃっていますが、ある者であれば知見を生かすことが期待できるとか、行政官として優秀な者であれば民間企業においても期待できるという、これはもう完全に個人によって全然違うという、じゃ優秀な者じゃなかったらとっても迷惑だよという話になるんですが、裏を返せば、逆に言うと。

 だから、このあればというのは、これは必ずしも積極的な効果を表していることではないんだろうなというふうに思いますし、逆に言うと期待できないというような意見もあると。あるいは、政府や経済団体の方針として受け入れることであれば相応の協力は必要と考えるとか、いろんな回答が出てきていると思いますが、このむしろ積極的なプラスの効果よりも消極的な、何とかであれば、その人によっては受け入れる意味があるけど、全体の制度としての効果としてはそれほど目立たない、顕著なものはないというような意味合いの回答が非常に多いなという印象を私は持っておりますが、こういうことに対して、先ほど効果がありますというふうに断言をされたと思いますが、こういう回答を実際に目の当たりにすると多少の意見も変わるのかなと思いますが、これに対しての御所見、効果という点での御所見をいただきたいと思います。


○政府参考人(戸谷好秀君) 今回、受入れをしていただきたいという私どものいろいろ思いも影響してしまったかというふうに思いますけれども、やはり民間の企業から見てどういう方かとか、そういうところは非常にまだ不明な部分が多いということでございます。その点もあって我々はいろんな場面で御協力をお願いしておりますので、そういうことで協力をしてやろうというふうにお考えになっている会社もありますし、実際に受け入れて非常に良かったという会社もあるというところもありまして、それぞれの会社のいろんなお考えの下にこういう結論をいただいていると思いますが、やはり受け入れていただいたところからは、あるいは出した各省はそれなりの評価をしているというふうに考えております。


○藤本祐司君 分かりました。

 一つ人事院に確認なんですが、この官民交流の受入れ、あるいは国の職員の受入れとかあるいは国の行政機関への派遣というのはどういう手続でなされているのか。要するに、民間企業の方からの要請で、こういうような人が欲しいよということで、あくまでも民間企業からの応募というのかな、それに基づいてこういう交流が行われると認識してよろしいんでしょうか。


○政府参考人(鈴木明裕君) 民間企業からこういうような交流をしたいという公募を受け付けるところから手続はスタートいたします。ただ、実際には、例えば昨年経団連の協力をいただきまして、こういう制度がありますよ、交流をやってみませんかというようなことを、PR活動も行いますので、そういう過程を通じて交流が成り立っていくということもございます。


○藤本祐司君 昨年経団連のというのは、昨年の多分秋口だというふうに認識をしておるんですが、この総務省のアンケートはその前にやったものでありまして、その中に、国の職員の受入れで、十六社の回答の中ですね、国の職員を受け入れたことがある民間企業十六社のうち十五社が行政機関からの受入れの要請があったからというふうに答えていて、国の行政機関への派遣というのが三十四社実績があるところのうちの二十八社がやはり行政機関から派遣の要請があったからと。

 つまり、民間企業が積極的にやろうというのではなくて、むしろ行政機関から要請があったから国の職員を受け入れたり国へ派遣したり、採用といいますか、派遣したりということが行われているんじゃないかなという、実態はですね、というふうに思わざるを得ないんですけれども、それは、先ほどの手続上は民間からだというふうに言っていますが、現実的にはやはり行政機関が要請をして初めてこれが成り立っているというふうに思わざるを得ないような結果になっていると思いますけれども、それに対しての御意見いただければと思います。


○政府参考人(戸谷好秀君) お答えいたします。

 アンケートの中は、各社いろんな職員の受入れあるいは派遣ということがございますので、必ずしもすべて官民人事交流法の視点に立ってお答えいただいていない部分もあるというふうに承知しております。


○藤本祐司君 時間がないので、ちょっとこの問題お聞きしたかったんですけれども、内閣官房から内閣審議官せっかく来ていただいたので、ちょっと全然話が変わってしまいますけれども、最後の一問だけ質問させていただきたいと思います。

 これは官官の交流の問題です。いわゆる各府省間の人事交流ということで、骨太の方針二〇〇四、二〇〇五で、幹部職員に関して、各府省間交流に関して、二〇〇四年のときには三年間で一割と、二〇〇五年になったら二年間で一割ということを言われて、書いてあったんですけれども、これについて現状がどのような目標の達成状況になっているか、あるいはそれに加えまして、それを進めていく上で何か障害があるかどうか、その二点だけお答えいただければと思います。


○政府参考人(千代幹也君) 府省間の幹部の人事交流についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、いわゆる縦割り行政を打破すると申しますか、幅広い視野からの政策課題に取り組むという趣旨から、平成十六年の二月の総理の指示に基づきまして現在取り組んでいるところでございます。

 内容といたしましては、三年間掛けまして各府省の幹部の一割を目標に他府省との間の人事交流を行うというものでございます。具体的には、いわゆる本省課長級以上を各府省の幹部としてとらまえておりまして、数字的には、既に一割以上の人事交流を達成している府省を除きます十省庁の本省課長級以上のポストが約千四百ございますので、政府全体としてはその一割であります約百四十を目標として取り組まさしていただいているところでございます。

 これまで二年間経過してございますが、約百十ポスト、目標の八割弱まで来てございます。残りは約三十ポスト、二割強となってございます。本年が最後の年となってございます